2008年05月03日

米軍再編による自衛隊の変質は憲法破壊

このブログでは、これまでに憲法記念日に関連して以下の文章を書いてきました。

2006年05月03日
憲法「改正」はアメリカの要求
http://atsukoba.seesaa.net/article/17333881.html

2007年05月02日
改憲要求の「アーミテージ・レポート2007」
http://atsukoba.seesaa.net/article/40584867.html

2007年05月03日
憲法記念日に米軍再編と辺野古の問題を考える
http://atsukoba.seesaa.net/article/40697167.html

今回も憲法と米軍再編の問題について考えたいと思います。

alliance_transformation.jpg

昨年亡くなった松尾高志さんの遺稿集『同盟変革 日米軍事体制の近未来』は、近年の新ガイドラインや有事法制の整備、米軍再編などにより、日米安保体制や日米同盟がどのように変質しているかがよくわかる本です。
http://www.nippyo.co.jp/shop/slide.cgi?No=3256

この中では、米軍再編に関して冨沢元陸幕長が2005年に『世界週報』に書いた論文を紹介しています。
↓ここから引用
--------------
日本の「新しい役割」が、現日米安保条約の枠をはるかに越えることを、われわれは承知しなければならない。
--------------
↑引用ここまで

つまり、自衛隊幹部は、米軍再編によって日本の役割が日米安保条約の枠をはるかに越えると認識していたわけです。

この本の中で松尾さんは、2006年の小泉首相とブッシュ大統領との会談の際に発表された共同宣言「新世紀の日米同盟」についても分析しています。
↓ここから引用
--------------
共同文書のキーワードは「グローバル」であって、日米安保体制が日米安保条約の規定にまったく根拠をおかない「グローバル」な日米同盟を実践するという新しい段階に踏み込んだことを「宣言」するものとなっている。
--------------
↑引用ここまで

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2005年に出された米軍再編の合意文書『日米同盟:未来のための変革と再編』には、日米の同盟に基づいた関係が「世界における課題(global challenges)」に「効果的に対処する」上で「重要な役割」を果たしている、と書かれています。

米軍再編は米軍だけが変わるのではなく、自衛隊が変質し、憲法を踏み越え、軍隊として世界に出て「グローバル」な活動をするものだったんですね。

特措法によるインド洋やイラクへの自衛隊の派遣(派兵)は、その先取りだったわけです。

イラクでの自衛隊の活動は憲法違反の活動も含んでいるという判決が、先日、名古屋高裁で出されました。

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時代は少し戻りますが、有事法制についての文章の中で、松尾さんは以下のように書かれています。
↓ここから引用
--------------
このような有事法制整備を「憲法違反」とする論調があるが、私はあえて「違う」と言う。
こうした法律案が上程され、成立することが憲法破壊行為そのものなのである。あとは憲法の文言だけが残ることになる。
--------------
↑引用ここまで

つまり、「憲法違反」どころか、いわば「憲法破壊」行為だと、あえて言っているわけです。
有事法制の関連法が成立したのは、2003年と2004年です。

この後、事態はどんどん進み、現在では自衛隊の海外派遣(派兵)をいつでもできるようにする「恒久法」さえも作られようとしています。

憲法九条がある国でありながら、自衛隊を海外に派遣(派兵)する恒久法を作るというのは、「憲法破壊」そのものと言えますね。

恒久法に関しては、以下に書いています。

「恒久法」ってなあに?
http://atsukoba.seesaa.net/article/80559714.html
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2008年04月25日

5月17日 公開市民講座で『基地はいらない、どこにも』上映

http://list.jca.apc.org/public/aml/2008-April/018445.html
より

転送歓迎

2008年公開市民講座

戦争マシーンを止めよう! 〜「産軍学複合体」の現実に迫る〜

第3回 米軍再編・原子力空母母港化とたたかうヨコスカからの報告

軍都、ヨコスカ。そのヨコスカが8月に予定されている原子力空母ジョージ・ワ
シントンの配備=母港化をめぐり大きく揺れています。

去る4月11日、空母母港化の是非とその安全性を問う住民投票条例制定の直接請
求が、52398筆(有権者の15%)を集め選挙管理委員会に提出されました。前回
の署名を1万人以上も上回ったことや署名活動への4000人を超える市民の参加
は、原子力空母配備に対する横須賀市民の深い危機感と抗議の意思表明でもあり
ました。しかし、岩国の事例にも示されているように、これまで日本政府は利益
誘導によって住民内部に分断を持ち込みながら、米軍再編に伴う基地強化に反対
する地域住民の切実な声を踏みにじってきました。

第3回講座では、新倉裕史さんのヨコスカからの報告を受けながら、国家主権で
はない市民主権と、行政の自治ではない市民自治の観点から基地撤去をめざすた
たかいの展望について考えます。



■5月17日(土) 午後6時〜9時(5時半開場)

■東京しごとセンター・講堂(地下2階)

(東京都千代田区飯田橋3丁目10番3号 TEL. 03-5211-1571)

(地図⇒http://www.shigotozaidan.jp/map.html

■ 講演: 新倉裕史さん(非核市民宣言運動ヨコスカ)

■ビデオ上映: 「基地はいらない、どこにも」(制作:日本電波ニュース社)

■ 資料代: 500円




◎第4回以降の予定

第4回 6月14日(土) 午後6時〜9時 (5時半開場)

「宇宙基本法案: その経緯と問題点および科学者の社会的責任」 

石附澄夫さん(国立天文台)

第5回 7月19日(土) 午後2時〜5時

座談会 (中野憲志、杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)、石附
澄夫さん他)

(講座は秋にも予定しています。各回の詳細は追って告知致します。)

■賛同人: 有賀精一、木村 朗(鹿児島大学教員)、佐原徹哉(明治大学教
員)、清水雅彦(明治大学講師)、竹峰誠一郎(大学院生)、田中利幸(広島平
和研究所教授)、南雲和夫(法政大学講師)、藤岡美恵子(法政大学・同大学院
講師)

■主催・連絡先

平和力フォーラム

東京造形大学内・前田朗研究室

講座事務局 前田朗 e-mail: maeda@zoukei.ac.jp

中野憲志(先住民族・第四世界研究) e-mail:critique@nakano-kenji.net
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2008年04月17日

日中学院で『基地はいらない、どこにも』の上映会&トーク

東京文京区にある日中学院というところで、米軍再編ドキュメンタリーDVD『基地はいらない、どこにも』の上映会とトークが行なわれます。

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【転載歓迎】

『基地はいらない、どこにも』上映&トーク

■日時:4月21日(月) 16時から18時まで(午後4時〜6時)

■場所:日中学院
東京都文京区後楽1-5-3

地図は以下です。
http://www.rizhong.org/school/map.htm

都営大江戸線飯田橋駅より1分
JR総武線、東京メトロ有楽町線・東西線・南北線飯田橋駅より6分
東京メトロ丸ノ内線・南北線後楽園駅より7分
総武線・都営三田線水道橋駅より8分

■参加費:200円

■会場
教室は未定ですが、学院の入り口左(1階)にラウンジがあり、そこで始まる前にご案内します。

■JR飯田橋駅からの道順 
東口(御茶ノ水側)を出て左へ、大きい歩道橋を渡り対角線の位置にある階段を下りる(派出所がある)。
外堀どおりを東に進み最初の信号(左側角にハロ―ワーク)を左に曲がる。最初の交差点の左前方は小石川運動場、右前方は日中友好会館。
有好会館をちょっと進んだところ(隣)が日中学院です(さらに進むと小石川後楽園)。

つまり小石川運動場の東、友好会館の北にあります。

■参考ブログ
『米軍再編って、どうよ?』http://atsukoba.seesaa.net/
『基地はいらない、どこにも』http://kichidoko.exblog.jp/

■作品購入サイト
http://www.ndn-news.co.jp/untitled.htm
http://www.videoact.jp/shop/shop.cgi?bunrui=all&group=39&keyword=&superkey=1&FF=0
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2008年04月12日

アメリカがこんなに謝る相手は日本だけ!?

米軍関係者の犯罪が引き続き問題になっています。

沖縄では3月に起きたタクシー強盗事件で、すでに逮捕された米兵家族の少年4人に加え、不良行為を行なう少年達に対処する仕事をしていた米軍の憲兵も関わっていたことがわかりました。

神奈川県の横須賀では、タクシー運転手を殺害したナイジェリア国籍の米兵が捕まりました。「殺すつもりはなかった」と供述しながらも殺害は認めたそうです。

この事件を受け、シーファー駐日大使とケリー在日米海軍司令官が横須賀市長に謝罪しました。

 
(シーファー駐日大使とケリー在日米海軍司令官、アメリカ大使館および在日米海軍のサイトより)

最近では、悲しいことにアメリカ側が謝罪する映像もテレビで見慣れてしまったように感じてしまいます。形だけではなく、もっとちゃんと謝って実効性のある対処をして、日本を守るためにいるわけではない部隊は少しずつでも出ていって欲しいと思います。

ところが驚いたことに、海外に駐留している米軍の関係者が事件や事故を起こした時に、その国に対してアメリカ側がこんなに謝るのは日本ぐらいだそうです。

他の国では謝らないのに、なぜそんなに謝るかというと……、

軍事アナリストの小川和久さんによると、アメリカにとって日本の重要性は、他の同盟国とは比べものにならないそうです。

↓ここから引用
--------------
アメリカは、日本で反米運動が高まっても「じゃあ出ていくぞ」とはいえません。日本に代わって戦略的拠点を提供できる同盟国は世界中どこにもないからです。万一、日本が「日米安保解消」という最悪の方向に向かい、日本から出ていかざるをえなくなったら、アメリカは世界のリーダーの地位から滑り落ちるかもしれない。それほどまでに日米同盟は重いのです。
--------------
↑引用ここまで
(『日本の戦争力』P123より)

つまり、在日米軍はアメリカの世界戦略にとって無くてはならない基地なので、「日本から出ていけ!」と言われたら、アメリカは困るわけですね。

ですから、「日本はアメリカに守ってもらっているから仕方がない」などと卑屈にならずに、言うべき事はもっと堂々と主張するべきなんですね。


ところで、今月3日に放送された『報道STATION』によると、今回、シーファー駐日大使とケリー在日米海軍司令官が横須賀市長に謝罪したのは、8月に予定されている原子力空母の横須賀への配備がスムーズに進むための配慮だ、とも言われているそうです。

 
(高村外務大臣、そして横須賀への配備が予定されている原子力空母「ジョージ・ワシントン」、公式サイトより)

高村外務大臣は記者会見で
「(原子力空母への)交代はスムーズに行なわれてほしい。そういうことのためにも、こういう事件を二度と起こさないでほしいということを(米側に)言った」
と話していました。

原子力空母の配備のために事件を起こすな、などという理屈は、被害を受けた方の命をないがしろにするものです。
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2008年03月26日

辺野古で収録されたライヴDVD

ロック、ファンク、ジャズ、沖縄民謡、アイリッシュ……さまざまな音楽の要素を取り入れ発展し続けてきたソウル・フラワー・ユニオン&モノノケ・サミット、初めてのライヴDVDが出た。

そのライヴ会場となったのは、あの辺野古(へのこ)で基地建設を止めるための座り込みと阻止行動が行なわれているすぐ脇にある辺野古浜。
有刺鉄線の向こう側は米海兵隊のキャンプ・シュワブという、行ったことがある人ならばすぐにわかる、まさしくあの場所だ。

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去年、ここに作られた特設ステージで「ピース・ミュージック・フェスタ!」という音楽イベントが行なわれ、いくつものミュージシャンが出演した。その中からソウル・フラワー・ユニオンとモノノケ・サミットのステージを完全収録したのがこのDVDだ。

DVDのタイトルは、ずばり『ライヴ辺野古』!

商業的なライヴ施設ではないからこそ、とてつもないダイナミズムでなにかが生まれてきそうな場がそこに成立している。

演奏者にとっては、特設ステージという困難な環境の中でのライヴだが、しっかりとして、しかも本人達のやる気が伝わってくるいい演奏だと思う。内海洋子、大熊ワタルなどのメンバーが参加しているのもうれしい。そして、シングルCD『ラヴィエベル』のジャケットにも登場した、辺野古にいつもいる名物おじさん「H坊(!)」も演奏に参加している。

ソウル・フラワーの面々とはずいぶんいろいろな現場を共にしてきた。阪神大震災の避難所、横浜のドヤ街で行なわれている「寿町フリーコンサート」、新宿で野宿生活を送っている人達の夏まつりなど、さまざまな人が集まりぶつかり合う、むき出しの現場で、ソウル・フラワー・モノノケ・サミットは「うた」の持っている根元的な力を元に人々とつながってきた。

取材で辺野古に行き始めた頃、この浜でモノノケ・サミットのライヴができたら面白いんじゃないかと一人で思っていた。考えてみてもそれはなかなかたいへんそうだった。そう思っていたら知らない間にいくつかのミュージシャンがライヴをやり始め、昨年、ついに「ピース・ミュージック・フェスタ!辺野古2007」という形で現実のものになった。自分はそこには参加できなかったが、これまで共にしていた現場がまたひとつつながったという感じがした。

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オフシャルページ http://www.breast.co.jp/soulflower/special/henoko/index.html

このDVDには『基地はいらない、どこにも』の予告編や、藤本幸久監督の『アメリカの戦争と日本』などの特典映像も含まれている。『アメリカの戦争と日本』は『Marines Go Home』のダイジェストに、昨年、辺野古に自衛隊が動員された頃の海上での映像が加わっていて、これだけでも買って観る価値があると思う。

そしてボーナスCDは「辺野古節」の4バージョンが収録されている。なかなか面白いバージョンで楽しめるが、個人的に一番好きなのはこれとは別の『寝顔を見せて』というCDに入っていたバージョン。
http://atsukoba.seesaa.net/article/87162309.html

本編ではソウル・フラワー・モノノケ・サミットとしてのファーストCDに入っていた「がんばろう」が収録されていなかったのが残念だが、出演時間が限られていてもともと「がんばろう」演奏されていないのだから仕方がないか(笑)。次の機会に期待しよう。
辺野古での基地建設を止めるためには、「がんばろう」ぐらいピッタリくる言葉はない。誰かが頑張るのではなく、自分も含めてお互いの力で精一杯がんばって基地建設を止めていくのだから。


P.S.
今年は「Peace Music Festa! From 辺野古 '08」として、6月22日に東京・上野で行なわれることが決定。
http://www.peace-music.org/index.html
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2008年03月25日

高江(たかえ)に関する文章の目次です。

沖縄の辺野古(へのこ)ほど有名にはなっていませんが、辺野古よりももっと北にある東村(ひがしそん)高江(たかえ)も、米軍基地の問題で揺れています。

以下、これまでに書いた高江(たかえ)に関する文章の目次です。

●米兵犯罪が起きると米軍基地は強化される?
http://atsukoba.seesaa.net/article/89253461.html

●やんばるの森での座り込み
http://atsukoba.seesaa.net/article/70185607.html

●東村 高江で強行される米軍ヘリパッド建設
http://atsukoba.seesaa.net/article/52586680.html

これら以外にも、高江について書いた文章はいくつかあります。

画面右側の欄にある「記事検索」というところに「高江」と打って、「記事」マークにチェックを入れて検索していただくと、高江について書いたすべての文章が出てきます。
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2008年03月16日

辺野古(へのこ)での環境アセス本調査

沖縄 辺野古(へのこ)での米軍の新基地建設に関して、沖縄防衛局は15日から環境アセスの本調査を始めました。

しかし、本調査の前に「事前調査」という名目で昨年から調査が行なわれ、その調査には自衛隊も動員、環境アセスを始める前に公開することになっている「方法書」も内容や公開の仕方の問題点が指摘されるなど、極めて問題の多い進め方がされています。

島津康男 前環境アセスメント学会長も「わが国のアセス史上最悪の事例といってよい」としています(注*1)。

沖縄県は、ジュゴン調査は1年だけではなく複数年、行なうように求めています。しかし方法書では複数年の調査については「検討する」としか書かれていません。

また、軍用機が民間地の上空を飛ぶ場合の形態についてもあきらかにされていないなど、方法書は問題だらけです。

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(防衛白書より)

これが基地が建設されようとしている辺野古です。海の中で緑色に広がっている部分が珊瑚礁です。右側の海が大浦湾。水深が深く、「大浦湾の地形・堆積物環境の多様性は沖縄島では他に類をみない特異なもの」とされています(注*2)。ジュゴンや珊瑚に限らず、この一体には多種多様で貴重な動植物が生息しているのです。

2004年に行なわれたIUCN(国際自然保護連盟)の世界自然会議では、「ゼロ・オプション(建設しない)を含む複数の代替案を検討すること」という勧告が出ています(注*3)。

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(環境アセス「方法書」より 注*4)

現在の基地建設計画は、尖っている辺野古崎の先端にあるキャンプ・シュワブ沿岸兵舎地区をまたがって、辺野古湾と大浦湾を埋め立てることになっています。

これだけではありません。大浦湾の中や辺野古漁港の付近には基地建設のための「作業ヤード」が作られるというのです(下の画像の青い部分)。

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(環境アセス「方法書」より)

本土での報道では小さい扱いで、しかも「普天間移設」というわかりづらい表現になっています(注*5)。
また、記事によっては「調査に着手」したことを強調し、順調に進んでいることを印象づけ、その問題点について書かれていないものもあります(注*6)。

小さい記事だと問題点の指摘がされづらいので、
「環境アセスの調査が始まった」=よい事、だと思ってしまう人も多いでしょう。

琉球新報の社説には、以下のように書かれています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-11.html
↓ここから引用
--------------
環境保全を最大の目的とする環境影響評価法の精神を、これほど踏みにじる例もあるまい。単に、アリバイづくりでアセスを実施していると言われても仕方がない。
--------------
↑引用ここまで

明日17日以降、本格的な調査に入ることになりそうです。現地からは、座り込みや阻止行動への参加が呼びかけられています。

現地からの最新情報は、こちらをご覧ください。
http://henoko.jp/info/
携帯版
http://henoko.jp/infom/

辺野古での基地建設計画について書いた文章は、以下に目次を作っています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/70417549.html

以下もご参照ください。

「沖縄はもうだまされない」
http://www.ryukyu.ne.jp/~maxi/
「ジュゴンネットワーク沖縄(暫定ブログ)」
http://jaga.way-nifty.com/dugong/

--------------------
注*1 沖縄タイムス 社説
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20080316.html
ネットでは公開されていませんが、15日の紙面に詳しい評論が掲載されています。

注*2 辺野古ジャングサウオッチ
http://www.nacsj.or.jp/old_database/henoko/henoko-070129-ikensyo.html

注*3 沖縄平和ネットワーク会報「根と枠」第66号
http://jaga.way-nifty.com/dugong/files/080305_OPN66_2.pdf

注*4 環境アセス「方法書」は、以下で読むことができます。
http://www3.pref.okinawa.jp/site/view/contview.jsp?cateid=68&id=16147&page=1
http://www.mod.go.jp/rdb/okinawa/kakubu/03tyoutatubu/tyoutatubu.html

注*5「普天間移設」という言葉の問題については以下に書いています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html

注*6 たとえば『日経新聞』の以下の記事などは問題があると感じています。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080316AT3S1500L15032008.html
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2008年03月12日

米兵犯罪が起きると米軍基地は強化される?

先月、沖縄で起きた事件以来、米兵による犯罪が問題になっています。
「綱紀粛正」や「再発防止策」などの効果については疑問の声もあがっています。

■辺野古(へのこ)での基地建設計画

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1995年に起きた少女暴行事件がきっかけとなり、沖縄では米軍基地の撤去を求める声が膨れ上がりました。
それを受けて1996年4月、当時の橋本首相が「普天間基地は全面返還される」と発表しました。しかし、その言葉で沖縄県民を喜ばせておきながら、実は普天間基地を完全に無くすのではなく沖縄県内に移設すると言い出したのです。
同年12月の「SACO最終報告」では、「沖縄本島の東海岸沖」に「海上施設」を建設することになりました。

それが名護市辺野古(へのこ)での現在の基地建設計画へとつながっています。

もともと普天間基地は老朽化していて使いづらくなっていると言われています。この計画で米軍は、日本の税金で新しい基地を造らせることができるのです。

■高江(たかえ)でのヘリパッド建設

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沖縄で辺野古とともに大きな問題になっているのが、東村(ひがしそん)高江(たかえ)での米軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の建設です。

実はこの問題も、1996年のSACO合意がきっかけになっています。

当時、米軍基地の撤去を求める声が高まり、日米両政府は普天間基地以外にも沖縄にあるいくつかの基地を返還すると発表しました。10年以上たってもそれらは一部しか返還されていません。

返還すると発表した中で面積的に目玉となっていたのが「北部訓練所(ジャングル戦闘訓練センター)」です。もともとこの基地は沖縄島北部にある「やんばるの森」で非常に広大な面積を占めていました。あまりに面積が広く、米軍基地にされた当時、「一体どこからどこまでが基地なのかわからない」と言われていたそうです。

それだけ広い基地ですから当然、使っていない部分も多いのです。「SACO最終報告」では「北部訓練所(ジャングル戦闘訓練センター)」の約半分を返すことになりました。ただし、その替わりに新しいヘリパッドを造らせろという条件が付きました。

そして、2006年に新しいヘリパッドの建設計画が報道されました。その計画では東村高江の集落を取り囲むように6つのヘリパッドを造るというものだったのです。返還する予定の場所にもともとあったヘリパッドは直径が10メートルぐらいだったのが、新たに造るヘリパッドは75メートルに強化されているそうです。

高江の人達は、ヘリの騒音や墜落の危険に脅かされています。そして、やんばるの森の環境破壊も懸念されています。

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■米兵犯罪が起きると米軍基地は強化される?

辺野古でも高江でも、1995年の事件で沸き上がった沖縄の人達の怒りを利用し、「基地を返還するからその替わりに」という口実で基地強化がされようとしています。

日米両政府のこうしたやり方は、とうてい受け入れられるものではありません。


※以下もご参照ください。

「沖縄はもうだまされない」
http://www.ryukyu.ne.jp/~maxi/

毎日新聞「沖縄米兵暴行1カ月 くすぶる地位協定」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080309ddm003040131000c.html

【4月12日 追記】
アメリカ側からの謝罪と、その背景について以下に書きました。
「アメリカがこんなに謝る相手は日本だけ!?」
http://atsukoba.seesaa.net/article/93114851.html
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2008年03月07日

鹿屋(かのや)市は米軍再編に反対し続けている

マスコミでは、山口県岩国市の福田新市長が空母艦載機の移転を「容認した」と報道されています。
実は、岩国市議会の質疑応答では「容認するとか容認しないといった明言は避けさせてもらいます」と言っているそうです。
事実上は容認したのと同様の状況だとは思いますが、反対している市民にも気を使って明言はしていないというのが正確なところです。

勇み足ですぐに決めつけてしまうのがマスコミの特徴です。

ひどいテレビ報道では「岩国も容認した。沖縄も容認した。あとは神奈川県の座間だけだ。」などというものさえもありました。

鹿児島県の鹿屋(かのや)市は、米軍再編に反対し続けています。

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(在日米国海兵隊サイトより http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Units/1maw.html

上記の空中給油機(「空飛ぶガソリンスタンド」)KC-130は、米軍再編の日米合意では、沖縄の普天間基地から岩国基地に移転し、鹿屋基地とグアムに「ローテーション展開」することになっています。

空中給油機訓練移転 鹿屋市長改めて「反対」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20080306-OYT8T00677.htm
↓ここから引用
--------------
鹿屋市はこれまで訓練移転に「断固反対」の立場を取っており、1月26日には鹿屋基地に、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県)所属のKC130空中給油機1機が、部品輸送のために突然、鹿屋基地に飛来し、同市の山下栄市長は「(反対している)地元への配慮がない」と述べた。
--------------
↑引用ここまで

この記事によると、今月4日に行なわれた市議会でも山下市長は「反対の姿勢に変わりはない」と言ったそうです。
記事の中では、鹿屋市の中でも反対・賛成の両論があることが書かれています。

マスコミは全国の報道をする中で、もっと鹿屋市に注目するべきですね。


普天間基地からの空中給油機の移転については、
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html
岩国市の空中給油機の受け入れに関しては、
http://atsukoba.seesaa.net/article/75487832.html
に書いています。

鹿屋基地の近くにある馬毛島では空母艦載機の着艦訓練をする施設の建設が狙われています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/76813249.html


P.S.
先月29日、小牧基地に自衛隊としてはじめて配備された空中給油機はKC-767ですので、KC-130とは別の型です。
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2008年03月02日

「沖縄の米兵の犯罪率は沖縄県民の犯罪率よりも少ない」という言説

沖縄での事件で被害を受けた方が告訴を取り下げました。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okinawa/news/20080301-OYT8T00549.htm
↓ここから引用
--------------
地検によると、生徒は県警の事情聴取に対しても積極的ではなく、地検の調べに移ってからは「もうそっとしておいてほしい」などと話し、告訴取り下げをほのめかしていたという。
--------------
↑引用ここまで

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200803011300_02.html
↓ここから引用
--------------
性犯罪の場合、事件が公になることでかえって被害者に不利益になることがあり、被害者側が告訴せずに事件が表面化しない事例は少なくない。
--------------
↑引用ここまで

米軍は、引き続き捜査を続けるそうです。
沖縄の人達の思いはさまざまなようですが、23日に予定されている県民大会は行なわれるようです。
沖縄県婦人連合会の小渡ハル子会長は以下のように話したそうです。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-31825-storytopic-1.html
↓ここから引用
--------------
昨夜は、被害者や家族のこと、自分たちはどうするのかと考え、一睡もしなかったと言い「事件が表に出てくるのは、氷山の一角。県民大会はやらなければいけない。超党派ですべての団体が参加してほしい」と訴えた。
--------------
↑引用ここまで

この事件に関連して、ネットではさまざまな言説が広まっています。

被害を受けた方を貶めるような論調を書いたり、事件の詳細について具体的に言及することで二次被害を招いても平気でいられるような態度には、憤りを感じます。

「沖縄の米兵の犯罪率は沖縄県民の犯罪率よりも少ない」という間違った言説も広まっています。
その説の問題点を簡単に説明すると、根拠となるデータには、米兵が基地の中で犯した犯罪が含まれていないのです。

言説の元になっていると思われるのは以下のブログです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080218/beihei
ここに掲載されている表が「2ちゃんねる」などの掲示板やブログなど、あちこちにコピペされています。
http://d.hatena.ne.jp/reservoir/20080214
などです。

そもそも数字にしてしまうと人の尊厳を奪う犯罪の性質が見えづらくなってしまうという問題があるのですが、その表でのデータの扱い方自体に大きな問題がありますので指摘するためにあえて引用します。(けっして以下の引用内をそのままコピペして悪用しないでください。)

↓ここから引用
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A:県内刑法犯検挙人員(在沖米軍人によるもの除く)

B:沖縄県人口総数

C:人口比犯罪率

D:在沖米軍検挙人員

E:在沖米軍人総数(軍属,家族含む)

F:在沖米軍人総数比犯罪率

        A    B    C    D   E   F

平成10年  2282 1298139 0.18%  46 50336 0.09%

平成11年  2413 1308010 0.18%  59 48626 0.12%

平成12年  2538 1318220 0.19%  67 49502 0.14%

平成13年  3272 1326518 0.25%  72 49279 0.15%

平成14年  3734 1335871 0.28%  100 49346 0.20%

平成15年  3922 1344148 0.29%  133 50826 0.26%

平成16年  3904 1353010 0.29%  72 45354 0.16%

平成17年  4281 1361594 0.31%  65 42570 0.15%

平成18年  4125 1368137 0.30%  63 43550 0.14%
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↑引用ここまで

上記の表には「D:在沖米軍検挙人員」というデータがあります。
正確に表現すると「沖縄で米軍構成員(米兵・軍属・家族)が犯罪を犯して警察に検挙された人数」ということでしょう。

「D:在沖米軍検挙人員」のデータは、沖縄県警が発表している「米軍構成員等及び一般外国人検挙状況」( http://www.police.pref.okinawa.jp/johokokai/tokei/beigunkenkyo.html )からのものです。

元になっている沖縄県警に確認したところ、米軍基地内で起きた犯罪については含まれていないことが明らかになりました。米軍基地内で起きた犯罪については把握していないそうです。

米軍は基地の中で起きた犯罪は公表していませんし、日本の警察にも報告しないのです。

ですから、沖縄県警が公開しているデータには、米兵が過ごす時間の大部分である基地の中での犯罪が反映されていません。たまに基地の外に出てきた時だけの犯罪率になるわけです。

それに対して、「A:県内刑法犯検挙人員」は、沖縄に住んでいる人達が24時間生活している中でのものです。

基準となるはずの時間と空間が不揃いな比較になっています。

米軍基地は非常に広大な面積を占め、その中には学校や娯楽施設などもありひとつの社会になっています。

polis.jpg inshu.jpg
画像左は、神奈川県 キャンプ座間内を巡回するパトカー
右は「飲酒運転のない日が36日目」の看板

アメリカの犯罪発生率は日本よりも高いですから、米軍基地の中でも女性に対する暴行も含めた犯罪が起きていると考えられます。それらを足せば、沖縄県民の犯罪率よりも米兵の犯罪率のほうが多くなるでしょう。
ちなみに米軍内では年間およそ1万4000件もの婦女暴行事件(未遂を含む)が起こっているそうです。(Chaemers Johnson, "America's Empire of Bases" 吉田健正『軍事植民地 沖縄』)

また、仮に米軍基地内での犯罪により捕まった数が出てきたとしても、はたして米軍が自分たちの組織の評価を下げるような数字をそのまま出すのだろうかという疑問もあります。

かつて、上記のブログと同様の論法で発言をした官僚もいました。
2003年1月、外務省の橋本宏沖縄担当大使が「最近では1人当たりの事件発生率では在沖縄米軍の方が沖縄県民より低くなっている」などと述べています。ただ、この人物はその発言の中でも「米軍キャンプの中の事件数は含まれていないが」とことわっています。
外務省の役人も「米軍キャンプの中の事件数は含まれていない」と認めているのです。
以下に当時の記事があります。
http://www.47news.jp/CN/200301/CN2003011401000345.html

この件については、『データの罠』(集英社新書)や『軍事植民地 沖縄』(高文研)といった本にも書かれています。

沖縄県警からの数字は、沖縄県基地対策課でも「沖縄の米軍及び自衛隊基地(統計資料集)」という資料で取り上げています。

沖縄県警と沖縄県基地対策課の方に対しては、非常に誤解を招きやすい数字ですので少なくとも表の中に「米軍施設の中で起きた犯罪は含まれていない」というような但し書きを明記するべきではないか、という意見を伝えました。
posted by あつこば | Comment(9) | TrackBack(1) | 米軍再編