2008年03月26日

辺野古で収録されたライヴDVD

ロック、ファンク、ジャズ、沖縄民謡、アイリッシュ……さまざまな音楽の要素を取り入れ発展し続けてきたソウル・フラワー・ユニオン&モノノケ・サミット、初めてのライヴDVDが出た。

そのライヴ会場となったのは、あの辺野古(へのこ)で基地建設を止めるための座り込みと阻止行動が行なわれているすぐ脇にある辺野古浜。
有刺鉄線の向こう側は米海兵隊のキャンプ・シュワブという、行ったことがある人ならばすぐにわかる、まさしくあの場所だ。

henoko_title_320_230.jpg

去年、ここに作られた特設ステージで「ピース・ミュージック・フェスタ!」という音楽イベントが行なわれ、いくつものミュージシャンが出演した。その中からソウル・フラワー・ユニオンとモノノケ・サミットのステージを完全収録したのがこのDVDだ。

DVDのタイトルは、ずばり『ライヴ辺野古』!

商業的なライヴ施設ではないからこそ、とてつもないダイナミズムでなにかが生まれてきそうな場がそこに成立している。

演奏者にとっては、特設ステージという困難な環境の中でのライヴだが、しっかりとして、しかも本人達のやる気が伝わってくるいい演奏だと思う。内海洋子、大熊ワタルなどのメンバーが参加しているのもうれしい。そして、シングルCD『ラヴィエベル』のジャケットにも登場した、辺野古にいつもいる名物おじさん「H坊(!)」も演奏に参加している。

ソウル・フラワーの面々とはずいぶんいろいろな現場を共にしてきた。阪神大震災の避難所、横浜のドヤ街で行なわれている「寿町フリーコンサート」、新宿で野宿生活を送っている人達の夏まつりなど、さまざまな人が集まりぶつかり合う、むき出しの現場で、ソウル・フラワー・モノノケ・サミットは「うた」の持っている根元的な力を元に人々とつながってきた。

取材で辺野古に行き始めた頃、この浜でモノノケ・サミットのライヴができたら面白いんじゃないかと一人で思っていた。考えてみてもそれはなかなかたいへんそうだった。そう思っていたら知らない間にいくつかのミュージシャンがライヴをやり始め、昨年、ついに「ピース・ミュージック・フェスタ!辺野古2007」という形で現実のものになった。自分はそこには参加できなかったが、これまで共にしていた現場がまたひとつつながったという感じがした。

live_at_henoko.jpg
オフシャルページ http://www.breast.co.jp/soulflower/special/henoko/index.html

このDVDには『基地はいらない、どこにも』の予告編や、藤本幸久監督の『アメリカの戦争と日本』などの特典映像も含まれている。『アメリカの戦争と日本』は『Marines Go Home』のダイジェストに、昨年、辺野古に自衛隊が動員された頃の海上での映像が加わっていて、これだけでも買って観る価値があると思う。

そしてボーナスCDは「辺野古節」の4バージョンが収録されている。なかなか面白いバージョンで楽しめるが、個人的に一番好きなのはこれとは別の『寝顔を見せて』というCDに入っていたバージョン。
http://atsukoba.seesaa.net/article/87162309.html

本編ではソウル・フラワー・モノノケ・サミットとしてのファーストCDに入っていた「がんばろう」が収録されていなかったのが残念だが、出演時間が限られていてもともと「がんばろう」演奏されていないのだから仕方がないか(笑)。次の機会に期待しよう。
辺野古での基地建設を止めるためには、「がんばろう」ぐらいピッタリくる言葉はない。誰かが頑張るのではなく、自分も含めてお互いの力で精一杯がんばって基地建設を止めていくのだから。


P.S.
今年は「Peace Music Festa! From 辺野古 '08」として、6月22日に東京・上野で行なわれることが決定。
http://www.peace-music.org/index.html
posted by あつこば at 08:08| Comment(0) | TrackBack(2) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月25日

高江(たかえ)に関する文章の目次です。

【2009年2月14日 修正】

沖縄の辺野古(へのこ)ほど有名にはなっていませんが、辺野古よりももっと北にある東村(ひがしそん)高江(たかえ)も、米軍基地の問題で揺れています。

以下、これまでに書いた高江(たかえ)に関する文章の目次です。

●沖縄防衛局が住民に対して仮処分の申し立て
http://atsukoba.seesaa.net/article/112489913.html

●沖縄防衛局が仮処分の申し立て、その後
http://atsukoba.seesaa.net/article/114221708.html

●強化されるジャングル戦闘訓練場
http://atsukoba.seesaa.net/article/101942635.html

●米兵犯罪が起きると米軍基地は強化される?
http://atsukoba.seesaa.net/article/89253461.html

●やんばるの森での座り込み
http://atsukoba.seesaa.net/article/70185607.html

●東村 高江で強行される米軍ヘリパッド建設
http://atsukoba.seesaa.net/article/52586680.html

これら以外にも、高江について書いた文章はいくつかあります。
主要な文章は「タグ:」でも一覧を観ることができます。
http://atsukoba.seesaa.net/tag/%8D%82%8D%5D

また、こちらをクリックしていただくと、このブログで高江について触れたすべての文章が出てきます。
posted by あつこば at 16:52| Comment(89) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月16日

辺野古(へのこ)での環境アセス本調査

沖縄 辺野古(へのこ)での米軍の新基地建設に関して、沖縄防衛局は15日から環境アセスの本調査を始めました。

しかし、本調査の前に「事前調査」という名目で昨年から調査が行なわれ、その調査には自衛隊も動員、環境アセスを始める前に公開することになっている「方法書」も内容や公開の仕方の問題点が指摘されるなど、極めて問題の多い進め方がされています。

島津康男 前環境アセスメント学会長も「わが国のアセス史上最悪の事例といってよい」としています(注*1)。

沖縄県は、ジュゴン調査は1年だけではなく複数年、行なうように求めています。しかし方法書では複数年の調査については「検討する」としか書かれていません。

また、軍用機が民間地の上空を飛ぶ場合の形態についてもあきらかにされていないなど、方法書は問題だらけです。

henoko_kusatsu.jpg
(防衛白書より)

これが基地が建設されようとしている辺野古です。海の中で緑色に広がっている部分が珊瑚礁です。右側の海が大浦湾。水深が深く、「大浦湾の地形・堆積物環境の多様性は沖縄島では他に類をみない特異なもの」とされています(注*2)。ジュゴンや珊瑚に限らず、この一体には多種多様で貴重な動植物が生息しているのです。

2004年に行なわれたIUCN(国際自然保護連盟)の世界自然会議では、「ゼロ・オプション(建設しない)を含む複数の代替案を検討すること」という勧告が出ています(注*3)。

henoko_place.jpg
(環境アセス「方法書」より 注*4)

現在の基地建設計画は、尖っている辺野古崎の先端にあるキャンプ・シュワブ沿岸兵舎地区をまたがって、辺野古湾と大浦湾を埋め立てることになっています。

これだけではありません。大浦湾の中や辺野古漁港の付近には基地建設のための「作業ヤード」が作られるというのです(下の画像の青い部分)。

henoko_umetate_kuiki.jpg
(環境アセス「方法書」より)

本土での報道では小さい扱いで、しかも「普天間移設」というわかりづらい表現になっています(注*5)。
また、記事によっては「調査に着手」したことを強調し、順調に進んでいることを印象づけ、その問題点について書かれていないものもあります(注*6)。

小さい記事だと問題点の指摘がされづらいので、
「環境アセスの調査が始まった」=よい事、だと思ってしまう人も多いでしょう。

琉球新報の社説には、以下のように書かれています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-11.html
↓ここから引用
--------------
環境保全を最大の目的とする環境影響評価法の精神を、これほど踏みにじる例もあるまい。単に、アリバイづくりでアセスを実施していると言われても仕方がない。
--------------
↑引用ここまで

明日17日以降、本格的な調査に入ることになりそうです。現地からは、座り込みや阻止行動への参加が呼びかけられています。

現地からの最新情報は、こちらをご覧ください。
http://henoko.jp/info/
携帯版
http://henoko.jp/infom/

辺野古での基地建設計画について書いた文章は、以下に目次を作っています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/70417549.html

以下もご参照ください。

「沖縄はもうだまされない」
http://www.ryukyu.ne.jp/~maxi/
「ジュゴンネットワーク沖縄(暫定ブログ)」
http://jaga.way-nifty.com/dugong/

--------------------
注*1 沖縄タイムス 社説
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20080316.html
ネットでは公開されていませんが、15日の紙面に詳しい評論が掲載されています。

注*2 辺野古ジャングサウオッチ
http://www.nacsj.or.jp/old_database/henoko/henoko-070129-ikensyo.html

注*3 沖縄平和ネットワーク会報「根と枠」第66号
http://jaga.way-nifty.com/dugong/files/080305_OPN66_2.pdf

注*4 環境アセス「方法書」は、以下で読むことができます。
http://www3.pref.okinawa.jp/site/view/contview.jsp?cateid=68&id=16147&page=1
http://www.mod.go.jp/rdb/okinawa/kakubu/03tyoutatubu/tyoutatubu.html

注*5「普天間移設」という言葉の問題については以下に書いています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html

注*6 たとえば『日経新聞』の以下の記事などは問題があると感じています。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080316AT3S1500L15032008.html
posted by あつこば at 18:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月12日

米兵犯罪が起きると米軍基地は強化される?

先月、沖縄で起きた事件以来、米兵による犯罪が問題になっています。
「綱紀粛正」や「再発防止策」などの効果については疑問の声もあがっています。

■辺野古(へのこ)での基地建設計画

henoko_title_320_230.jpg

1995年に起きた少女暴行事件がきっかけとなり、沖縄では米軍基地の撤去を求める声が膨れ上がりました。
それを受けて1996年4月、当時の橋本首相が「普天間基地は全面返還される」と発表しました。しかし、その言葉で沖縄県民を喜ばせておきながら、実は普天間基地を完全に無くすのではなく沖縄県内に移設すると言い出したのです。
同年12月の「SACO最終報告」では、「沖縄本島の東海岸沖」に「海上施設」を建設することになりました。

それが名護市辺野古(へのこ)での現在の基地建設計画へとつながっています。

もともと普天間基地は老朽化していて使いづらくなっていると言われています。この計画で米軍は、日本の税金で新しい基地を造らせることができるのです。

■高江(たかえ)でのヘリパッド建設

takaeN1-1_400.jpg

沖縄で辺野古とともに大きな問題になっているのが、東村(ひがしそん)高江(たかえ)での米軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の建設です。

実はこの問題も、1996年のSACO合意がきっかけになっています。

当時、米軍基地の撤去を求める声が高まり、日米両政府は普天間基地以外にも沖縄にあるいくつかの基地を返還すると発表しました。10年以上たってもそれらは一部しか返還されていません。

返還すると発表した中で面積的に目玉となっていたのが「北部訓練所(ジャングル戦闘訓練センター)」です。もともとこの基地は沖縄島北部にある「やんばるの森」で非常に広大な面積を占めていました。あまりに面積が広く、米軍基地にされた当時、「一体どこからどこまでが基地なのかわからない」と言われていたそうです。

それだけ広い基地ですから当然、使っていない部分も多いのです。「SACO最終報告」では「北部訓練所(ジャングル戦闘訓練センター)」の約半分を返すことになりました。ただし、その替わりに新しいヘリパッドを造らせろという条件が付きました。

そして、2006年に新しいヘリパッドの建設計画が報道されました。その計画では東村高江の集落を取り囲むように6つのヘリパッドを造るというものだったのです。返還する予定の場所にもともとあったヘリパッドは直径が10メートルぐらいだったのが、新たに造るヘリパッドは75メートルに強化されているそうです。

高江の人達は、ヘリの騒音や墜落の危険に脅かされています。そして、やんばるの森の環境破壊も懸念されています。

heli_Watch.jpg

■米兵犯罪が起きると米軍基地は強化される?

辺野古でも高江でも、1995年の事件で沸き上がった沖縄の人達の怒りを利用し、「基地を返還するからその替わりに」という口実で基地強化がされようとしています。

日米両政府のこうしたやり方は、とうてい受け入れられるものではありません。


※以下もご参照ください。

「沖縄はもうだまされない」
http://www.ryukyu.ne.jp/~maxi/

毎日新聞「沖縄米兵暴行1カ月 くすぶる地位協定」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080309ddm003040131000c.html

【4月12日 追記】
アメリカ側からの謝罪と、その背景について以下に書きました。
「アメリカがこんなに謝る相手は日本だけ!?」
http://atsukoba.seesaa.net/article/93114851.html
posted by あつこば at 09:23| Comment(14) | TrackBack(2) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月07日

鹿屋(かのや)市は米軍再編に反対し続けている

マスコミでは、山口県岩国市の福田新市長が空母艦載機の移転を「容認した」と報道されています。
実は、岩国市議会の質疑応答では「容認するとか容認しないといった明言は避けさせてもらいます」と言っているそうです。
事実上は容認したのと同様の状況だとは思いますが、反対している市民にも気を使って明言はしていないというのが正確なところです。

勇み足ですぐに決めつけてしまうのがマスコミの特徴です。

ひどいテレビ報道では「岩国も容認した。沖縄も容認した。あとは神奈川県の座間だけだ。」などというものさえもありました。

鹿児島県の鹿屋(かのや)市は、米軍再編に反対し続けています。

maw02h.jpg
(在日米国海兵隊サイトより http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Units/1maw.html

上記の空中給油機(「空飛ぶガソリンスタンド」)KC-130は、米軍再編の日米合意では、沖縄の普天間基地から岩国基地に移転し、鹿屋基地とグアムに「ローテーション展開」することになっています。

空中給油機訓練移転 鹿屋市長改めて「反対」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20080306-OYT8T00677.htm
↓ここから引用
--------------
鹿屋市はこれまで訓練移転に「断固反対」の立場を取っており、1月26日には鹿屋基地に、米海兵隊普天間飛行場(沖縄県)所属のKC130空中給油機1機が、部品輸送のために突然、鹿屋基地に飛来し、同市の山下栄市長は「(反対している)地元への配慮がない」と述べた。
--------------
↑引用ここまで

この記事によると、今月4日に行なわれた市議会でも山下市長は「反対の姿勢に変わりはない」と言ったそうです。
記事の中では、鹿屋市の中でも反対・賛成の両論があることが書かれています。

マスコミは全国の報道をする中で、もっと鹿屋市に注目するべきですね。


普天間基地からの空中給油機の移転については、
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html
岩国市の空中給油機の受け入れに関しては、
http://atsukoba.seesaa.net/article/75487832.html
に書いています。

鹿屋基地の近くにある馬毛島では空母艦載機の着艦訓練をする施設の建設が狙われています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/76813249.html


P.S.
先月29日、小牧基地に自衛隊としてはじめて配備された空中給油機はKC-767ですので、KC-130とは別の型です。
タグ:自衛隊 米軍
posted by あつこば at 18:26| Comment(9) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月02日

「沖縄の米兵の犯罪率は沖縄県民の犯罪率よりも少ない」という言説

沖縄での事件で被害を受けた方が告訴を取り下げました。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okinawa/news/20080301-OYT8T00549.htm
↓ここから引用
--------------
地検によると、生徒は県警の事情聴取に対しても積極的ではなく、地検の調べに移ってからは「もうそっとしておいてほしい」などと話し、告訴取り下げをほのめかしていたという。
--------------
↑引用ここまで

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200803011300_02.html
↓ここから引用
--------------
性犯罪の場合、事件が公になることでかえって被害者に不利益になることがあり、被害者側が告訴せずに事件が表面化しない事例は少なくない。
--------------
↑引用ここまで

米軍は、引き続き捜査を続けるそうです。
沖縄の人達の思いはさまざまなようですが、23日に予定されている県民大会は行なわれるようです。
沖縄県婦人連合会の小渡ハル子会長は以下のように話したそうです。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-31825-storytopic-1.html
↓ここから引用
--------------
昨夜は、被害者や家族のこと、自分たちはどうするのかと考え、一睡もしなかったと言い「事件が表に出てくるのは、氷山の一角。県民大会はやらなければいけない。超党派ですべての団体が参加してほしい」と訴えた。
--------------
↑引用ここまで

この事件に関連して、ネットではさまざまな言説が広まっています。

被害を受けた方を貶めるような論調を書いたり、事件の詳細について具体的に言及することで二次被害を招いても平気でいられるような態度には、憤りを感じます。

「沖縄の米兵の犯罪率は沖縄県民の犯罪率よりも少ない」という間違った言説も広まっています。
その説の問題点を簡単に説明すると、根拠となるデータには、米兵が基地の中で犯した犯罪が含まれていないのです。

言説の元になっていると思われるのは以下のブログです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080218/beihei
ここに掲載されている表が「2ちゃんねる」などの掲示板やブログなど、あちこちにコピペされています。
http://d.hatena.ne.jp/reservoir/20080214
などです。

そもそも数字にしてしまうと人の尊厳を奪う犯罪の性質が見えづらくなってしまうという問題があるのですが、その表でのデータの扱い方自体に大きな問題がありますので指摘するためにあえて引用します。(けっして以下の引用内をそのままコピペして悪用しないでください。)

↓ここから引用
--------------
A:県内刑法犯検挙人員(在沖米軍人によるもの除く)

B:沖縄県人口総数

C:人口比犯罪率

D:在沖米軍検挙人員

E:在沖米軍人総数(軍属,家族含む)

F:在沖米軍人総数比犯罪率

        A    B    C    D   E   F

平成10年  2282 1298139 0.18%  46 50336 0.09%

平成11年  2413 1308010 0.18%  59 48626 0.12%

平成12年  2538 1318220 0.19%  67 49502 0.14%

平成13年  3272 1326518 0.25%  72 49279 0.15%

平成14年  3734 1335871 0.28%  100 49346 0.20%

平成15年  3922 1344148 0.29%  133 50826 0.26%

平成16年  3904 1353010 0.29%  72 45354 0.16%

平成17年  4281 1361594 0.31%  65 42570 0.15%

平成18年  4125 1368137 0.30%  63 43550 0.14%
--------------
↑引用ここまで

上記の表には「D:在沖米軍検挙人員」というデータがあります。
正確に表現すると「沖縄で米軍構成員(米兵・軍属・家族)が犯罪を犯して警察に検挙された人数」ということでしょう。

「D:在沖米軍検挙人員」のデータは、沖縄県警が発表している「米軍構成員等及び一般外国人検挙状況」( http://www.police.pref.okinawa.jp/johokokai/tokei/beigunkenkyo.html )からのものです。

元になっている沖縄県警に確認したところ、米軍基地内で起きた犯罪については含まれていないことが明らかになりました。米軍基地内で起きた犯罪については把握していないそうです。

米軍は基地の中で起きた犯罪は公表していませんし、日本の警察にも報告しないのです。

ですから、沖縄県警が公開しているデータには、米兵が過ごす時間の大部分である基地の中での犯罪が反映されていません。たまに基地の外に出てきた時だけの犯罪率になるわけです。

それに対して、「A:県内刑法犯検挙人員」は、沖縄に住んでいる人達が24時間生活している中でのものです。

基準となるはずの時間と空間が不揃いな比較になっています。

米軍基地は非常に広大な面積を占め、その中には学校や娯楽施設などもありひとつの社会になっています。

polis.jpg inshu.jpg
画像左は、神奈川県 キャンプ座間内を巡回するパトカー
右は「飲酒運転のない日が36日目」の看板

アメリカの犯罪発生率は日本よりも高いですから、米軍基地の中でも女性に対する暴行も含めた犯罪が起きていると考えられます。それらを足せば、沖縄県民の犯罪率よりも米兵の犯罪率のほうが多くなるでしょう。
ちなみに米軍内では年間およそ1万4000件もの婦女暴行事件(未遂を含む)が起こっているそうです。(Chaemers Johnson, "America's Empire of Bases" 吉田健正『軍事植民地 沖縄』)

また、仮に米軍基地内での犯罪により捕まった数が出てきたとしても、はたして米軍が自分たちの組織の評価を下げるような数字をそのまま出すのだろうかという疑問もあります。

かつて、上記のブログと同様の論法で発言をした官僚もいました。
2003年1月、外務省の橋本宏沖縄担当大使が「最近では1人当たりの事件発生率では在沖縄米軍の方が沖縄県民より低くなっている」などと述べています。ただ、この人物はその発言の中でも「米軍キャンプの中の事件数は含まれていないが」とことわっています。
外務省の役人も「米軍キャンプの中の事件数は含まれていない」と認めているのです。
以下に当時の記事があります。
http://www.47news.jp/CN/200301/CN2003011401000345.html

この件については、『データの罠』(集英社新書)や『軍事植民地 沖縄』(高文研)といった本にも書かれています。

沖縄県警からの数字は、沖縄県基地対策課でも「沖縄の米軍及び自衛隊基地(統計資料集)」という資料で取り上げています。

沖縄県警と沖縄県基地対策課の方に対しては、非常に誤解を招きやすい数字ですので少なくとも表の中に「米軍施設の中で起きた犯罪は含まれていない」というような但し書きを明記するべきではないか、という意見を伝えました。
posted by あつこば at 15:32| Comment(34) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする