2008年05月03日

米軍再編による自衛隊の変質は憲法破壊

このブログでは、これまでに憲法記念日に関連して以下の文章を書いてきました。

2006年05月03日
憲法「改正」はアメリカの要求
http://atsukoba.seesaa.net/article/17333881.html

2007年05月02日
改憲要求の「アーミテージ・レポート2007」
http://atsukoba.seesaa.net/article/40584867.html

2007年05月03日
憲法記念日に米軍再編と辺野古の問題を考える
http://atsukoba.seesaa.net/article/40697167.html

今回も憲法と米軍再編の問題について考えたいと思います。

alliance_transformation.jpg

昨年亡くなった松尾高志さんの遺稿集『同盟変革 日米軍事体制の近未来』は、近年の新ガイドラインや有事法制の整備、米軍再編などにより、日米安保体制や日米同盟がどのように変質しているかがよくわかる本です。
http://www.nippyo.co.jp/shop/slide.cgi?No=3256

この中では、米軍再編に関して冨沢元陸幕長が2005年に『世界週報』に書いた論文を紹介しています。
↓ここから引用
--------------
日本の「新しい役割」が、現日米安保条約の枠をはるかに越えることを、われわれは承知しなければならない。
--------------
↑引用ここまで

つまり、自衛隊幹部は、米軍再編によって日本の役割が日米安保条約の枠をはるかに越えると認識していたわけです。

この本の中で松尾さんは、2006年の小泉首相とブッシュ大統領との会談の際に発表された共同宣言「新世紀の日米同盟」についても分析しています。
↓ここから引用
--------------
共同文書のキーワードは「グローバル」であって、日米安保体制が日米安保条約の規定にまったく根拠をおかない「グローバル」な日米同盟を実践するという新しい段階に踏み込んだことを「宣言」するものとなっている。
--------------
↑引用ここまで

051029.jpg

2005年に出された米軍再編の合意文書『日米同盟:未来のための変革と再編』には、日米の同盟に基づいた関係が「世界における課題(global challenges)」に「効果的に対処する」上で「重要な役割」を果たしている、と書かれています。

米軍再編は米軍だけが変わるのではなく、自衛隊が変質し、憲法を踏み越え、軍隊として世界に出て「グローバル」な活動をするものだったんですね。

特措法によるインド洋やイラクへの自衛隊の派遣(派兵)は、その先取りだったわけです。

イラクでの自衛隊の活動は憲法違反の活動も含んでいるという判決が、先日、名古屋高裁で出されました。

img_jisseki.jpg

時代は少し戻りますが、有事法制についての文章の中で、松尾さんは以下のように書かれています。
↓ここから引用
--------------
このような有事法制整備を「憲法違反」とする論調があるが、私はあえて「違う」と言う。
こうした法律案が上程され、成立することが憲法破壊行為そのものなのである。あとは憲法の文言だけが残ることになる。
--------------
↑引用ここまで

つまり、「憲法違反」どころか、いわば「憲法破壊」行為だと、あえて言っているわけです。
有事法制の関連法が成立したのは、2003年と2004年です。

この後、事態はどんどん進み、現在では自衛隊の海外派遣(派兵)をいつでもできるようにする「恒久法」さえも作られようとしています。

憲法九条がある国でありながら、自衛隊を海外に派遣(派兵)する恒久法を作るというのは、「憲法破壊」そのものと言えますね。

恒久法に関しては、以下に書いています。

「恒久法」ってなあに?
http://atsukoba.seesaa.net/article/80559714.html
posted by あつこば at 08:59| Comment(1) | TrackBack(5) | 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする