2009年02月28日

北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込めない

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が「テポドン2」ミサイルを撃つ準備をしていると言われています。

それに対して、北朝鮮の報道官は「人工衛星の実験通信衛星「光明星2号」を運搬ロケット「銀河2号」で打ち上げるための準備を本格的に進めている」と発表したそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090224-OYT1T00473.htm

人工衛星とミサイルは打ち上げ方としては似たようなものだそうです。私は人工衛星であれ「テポドン2」であれ、どちらにしても撃つべきではないと思っています。
ですが、「テポドン2(これはアメリカが勝手に付けた名前だそうです)」の危機をいたずらに煽るのも問題です。マスコミなどで煽られると、詳しく知らない人は「明日にでも北朝鮮からミサイルが飛んでくる!」と思ってしまうかもしれません。

「テポドン2」が日本に落とされる可能性は、とても低いです。

軍事アナリスト、江畑謙介さんの『日本の防衛戦略』(P66)によると、
↓ここから引用
--------------
テポドン2は米国の基地を狙うものであり、日本に向けて発射されるミサイルではない
--------------
↑引用ここまで
とのことです。(■注1参照)
つまり、「テポドン2」はアメリカを狙うためのものなので、日本は近すぎるのですね。


では、北朝鮮が「テポドン2」よりも射程距離が短いミサイルを日本に撃ち込む可能性があるかどうかですが、これもないでしょう。

軍事アナリスト、小川和久さんの『日本の戦争力』(聞き手は坂本 衛さん)によると以下のように書かれています。(P236)
↓ここから引用
--------------
万が一にも日本にミサイルを撃ち込めば、金正日体制の崩壊どころではありません。それは、北朝鮮という国家の消滅を意味します。【中略】彼らは日米同盟に本気で反撃されたら一巻の終わりだと知っているのです。
--------------
↑引用ここまで

つまり、仮に日本にミサイルが撃ち込まれたら、アメリカがそれを口実に北朝鮮を攻撃するので、そうすると北朝鮮は「一巻の終わり」になってしまうというわけです。
北朝鮮の指導者は、なんとかして自分たちの体制を維持しようとしています。ですから、北朝鮮側が自分たちの体制を潰されるようなリスクを犯してまで日本にミサイルを撃ち込むなどということはあり得ないわけですね。


「テポドン2、もしくは人工衛星」の話に戻ります。
前述の理由により、日本にミサイルが撃ち込まれる可能性はないですが、日本列島を飛び越して日本海に落とす実験をしようとした場合、あるいは人工衛星の打ち上げをしようとした場合に、失敗して部品か何かが日本に落ちてくる可能性についてです。この可能性は低いですがゼロではないでしょう。

■注1:前述の江畑謙介さんの本にも「故障で日本の上に落下してくる可能性があるが」と括弧でくくった小さい文字で書いてあります。

仮に部品などが落ちてきても、ミサイルが撃ち込まれるわけではありませんので被害は少ないでしょう。ですが、空から何かが落ちてくるのは危険ですから撃つべきではありません。

北朝鮮は撃つのをやめるべきです。そしてマスコミも危険性を必要以上に煽るのはやめたほうがいいですね。

【3月27日 追記】
追加で以下の文章を書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/116305729.html


posted by あつこば at 15:47| Comment(40) | TrackBack(2) | ミサイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月26日

「海賊対策」での「危害射撃」

引き続き「海賊対策」で派遣(派兵)される自衛隊について考えてみます。

海上自衛隊と海上保安庁との共同訓練
防衛省 2009年度予算の概要(案)より http://www.mod.go.jp/j/library/archives/yosan/2009/yosan.pdf

前回は海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」について書きましたが、今回は護衛艦についてです。

今回は、汎用護衛艦「さざなみ(DD-113)」と「さみだれ(DD-106)」の2鑑が派遣されることになっていて、準備を進めています。いずれも呉を母港とする第8護衛隊に所属しています。
イージス艦(ミサイル護衛艦)の「こんごう」「あたご」などに比べると少しだけ小さい汎用護衛艦です。

「さざなみ(DD-113)」と「さみだれ(DD-106)」
Copyright (C) Vessel And Ships Photo Gallery http://www.vspg.net/jmsdf/dd113.html

前回紹介した「特別警備隊」は、広島県江田島市の江田島基地内に本部があるそうです。昨年、隊員を死亡させる事件が起きた時は呉地方総監部が対応しています。「特別警備隊」と近いので連携が取りやすいというのも呉を母港にしている護衛艦が派遣される理由かもしれません。

もうひとつ、護衛艦「さざなみ」が派遣されることになった理由として推測できることがあります。

「さざなみ(DD-113)」
Wikipediaより

これが「さざなみ」です。以下の画面で明るくしてある部分がレイセオン・システムズ社製のファランクスCIWS(艦載近距離防空システム)といいます。下に20mm機関砲があり、上の白い円筒の部分がレーダーです。その右上の矢印で示した部分に光学照準機が付いています。この光学照準機が付いているのがファランクスCIWSの「ブロック1B型」だそうです。
ファランクスCIWS ファランクスCIWS

「ファランクスCIWS」というのは、ミサイルなどの攻撃を受けた時に撃ち落とすシステムなのですが、従来型では空中のミサイルなどを撃ち落とすだけだったのに対して、「ブロック1B型」の場合は「海上の小型目標」への攻撃も可能になっているそうです。

この「ファランクス ブロック1B型」を搭載している護衛艦は限られているため、現時点で搭載している「さざなみ」が派遣されることになったという推測も成り立ちます。

この「ファランクス ブロック1B型」によって、実際に「海賊」への攻撃がされるのかどうかはわかりません。

「ファランクスCIWS」に搭載されている20mm機関砲の他にも、12.7mm機関銃があります。
「さざなみ」と「さみだれ」の「両艦は海賊船に対応できるよう、小回りのきく機関銃を置く銃座が新設された」とのことです。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20090203-OYT8T01008.htm

http://ascii.jp/elem/000/000/215/215225/
に画像があります。

また、赤星海上幕僚長は会見で「機関銃架台への防弾板付加などの工事を進めている」ことを明らかにしました。
http://www.asagumo-news.com/news/200902/090219/09021901.html

たしかに武装した「海賊」から攻撃を受けた場合に対処するために防弾板は必要でしょう。甲板から自衛隊員が撃つわけですから、相手から撃たれる可能性もあります。

「ファランクスCIWS」の場合は、自衛隊員は艦内にいて、リモートコントロールで精密射撃ができるそうですからそのぶん危険は減りますが、生身の「海賊」に対して過剰防衛になってしまう可能性もあります。

いずれにしても「ファランクスCIWS」の20mm機関砲や、防弾板を付加した12.7mm機関銃などで、自衛隊員が人を殺したり、殺されたりする可能性が高まっています。


与党海賊対策プロジェクトチームは、昨日の会合で「海賊対処法案」の素案を大筋で了承しました。
その法案では自衛隊による「危害射撃」を認めています。自衛隊側は「海賊」が商船などに近づいているだけで(警告に従わなかった場合とはいえ)危害を与える攻撃ができることになります。

さらに「海賊」が逃げている時にも危害を与える攻撃ができます。(注:法案では見送られました。追記あり)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090226ddm002010069000c.html

自衛隊が海外で「任務遂行のための武器使用」ができるようになるのは初めてです。「正当防衛」や「緊急避難」ではなくても相手に危害を与える攻撃ができるわけです。憲法九条を持つ国としては、そうした法案を許してはいけないでしょう。

P.S.
「ファランクスCIWS ブロック1B型」等について教えてくださった方に感謝します。

【15時27分 追記】
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090226AT3S2502625022009.html
によると、「警告後に海賊が逃亡した場合の射撃は認めない方向」だそうです。
どちらが正確な情報なのか、よくわかりませんね。

【3月15日 追記】
海上自衛隊の護衛艦が「見切り発車」した前日の13日に海賊対処法案が閣議決定しました。法案では、逃走する海賊船への射撃は見送られたそうです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090313/plc0903130257003-n1.htm
ラベル:海賊 自衛隊
posted by あつこば at 12:56| Comment(19) | TrackBack(0) | 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月25日

「海賊」対策の訓練公開と「特別警備隊」

2月20日に「海賊対策」の訓練が公開されました。
各社の報道をチェックしてみました。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009022002000221.html
↓ここから引用
--------------
海自は海賊が武器を使って攻撃を仕掛けてくることも想定しているが、これに対処する訓練は行われず、今回は都合よく海賊を撃退したり、逮捕する訓練にとどまった。
-------------
↑引用ここまで

報道機関に公開する訓練だったということもあり、都合のいい想定で公開したようですが。

http://www.ntv.co.jp/news/129587.html
によると、第一の訓練は「護衛艦が海賊船の行く手を遮って退散させた」となっています。そして第二の訓練で「捕らえた海賊を高速ボートで連行、護衛艦の甲板上で逮捕権を持つ海上保安官に引き渡した」とされています。

つまりふたつの訓練の想定が違うわけです。
そして「肝心の武器使用を伴う状況は示されなかった」そうです。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200902210025.html
には「海賊が日本人乗組員にけがを負わせたケース」と書かれていますので、第二の訓練は日本の商船に「海賊」が乗り込んできたという想定でしょう。それであれば海上自衛隊員も日本の商船に乗り込んでいって「海賊」を拘束することになると思います。

ところが「海賊」をどうやって捕らえるのかは公開されなかったようです。

捕まえる部分はなく「高速ボート(特殊ボート)」で連行するところだけは公開されています。
http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/policy/090220/plc0902202127014-p3.htm
に掲載されている画像です。

このボートは、海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」のもののようです。
これが「特別警備隊」の画像です。
SB-400.jpg
(防衛省 2008年予算 概算要求の概要より、「特別機動船(SB)を用いた特別警備隊の訓練 http://www.mod.go.jp/j/library/archives/yosan/2008/yosan.pdf

ソマリア沖には、この「特別警備隊」も派遣(派兵)されることになっています。
「特別警備隊」は、昨年9月、「続ける自信がなくなった」と言って異動する隊員を、15人と連続して対戦する格闘訓練で死亡させてしまうという痛ましい事件を起こしています。
http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200810140044.html
http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200810140140.html

20日の訓練にも「特別警備隊」が参加しました。しかし公開された訓練では「どの役割かは非公表」でした。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009022002000221.html

この「特別警備隊」、もともとは「不審船」対策として2001年に正式にできた部隊だそうです。以下のような訓練をしています。
http://www.asagumo-news.com/graph/070705/070705G.html
「部隊の戦力を推測できる情報はすべて非公開」とされています。

もともとは、日本の領海に侵入してくる「不審船」に対応するために訓練された人達です。今回、日本とは遠く離れたソマリア沖で「海賊」を相手に「格闘」する可能性が出てきたことになります。
posted by あつこば at 08:41| Comment(1) | TrackBack(0) | 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月23日

沖縄の負担は「軽減されつつある」のか?

中曽根外務大臣の国会での発言です。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-02-07-M_1-002-1_001.html
↓ここから引用
--------------
中曽根弘文外相は六日の衆院予算委員会で、在日米軍再編の進ちょくについて、「県民の負担は軽減されつつある」との見解を示した。
--------------
↑引用ここまで


(外務省のサイトより、沖縄を訪問した中曽根外務大臣)

「県民の負担は軽減されつつある」という発言は驚きです。浜田防衛大臣ですらも「(嘉手納での)訓練回数をみれば当然、負担が目に見えて減っているとは思われない実態が数字として出ている」と認めています。

政府は「沖縄の負担軽減」を謳い文句にした米軍再編で、嘉手納基地に所属しているF-15の訓練を全国に分散させていますが、逆に嘉手納基地に他からやってくる航空機が増え、爆音は増しています。
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-02-05-M_1-005-1_001.html
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-02-07/2009020701_01_0.html



さらに、ジャングル戦闘訓練施設(北部訓練場)がある東村高江では、集落を取り囲むように米軍のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)が造られようとしています。

ジャングル戦闘訓練施設(北部訓練場)では、米軍だけではなくイスラエル軍やドイツ軍、オランダ軍も訓練を検討しています。
http://www.qab.co.jp/01nw/08-07-01/index.html
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-133699-storytopic-1.html

そして辺野古での基地建設計画。沖縄の負担を増やすのが現在進んでいる米軍再編です。それを「県民の負担は軽減されつつある」などとは見識を疑ってしまいますね。
posted by あつこば at 16:20| Comment(0) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月17日

辺野古とグアムの基地建設について約束する異常な日米協定

クリントン国務長官が日本にやってきました。

明治神宮を訪れた時、「なぜ最初の訪問国に日本を?」という質問に対して、「日本はとても重要な国だからです。世界でもっとも重要な関係にあります」と答えていました。
(NHKの昼ニュース)

たしかにアメリカにとって日本は重要でしょう。
軍事アナリスト 小川和久さんの『日本の防衛力』によると日本は「アメリカが世界のリーダーであり続けるために必要不可欠な戦略的根拠地」だそうです。
日本には米軍基地が133ヶ所もあります。それだけではありません。前述の『日本の防衛力』によると、在日米軍基地は、
■米軍が日本に置いている燃料
■ミサイルや爆弾を貯蔵する弾薬庫
■アメリカの外交や軍事を支える情報機能
という点からも、アメリカの世界戦略上無くてはならないものだそうです。
以下のようにも書かれています。
↓ここから引用
--------------
日本に代わって戦略的根拠地を提供できる同盟国は世界中どこにもないからです。
万一、日本が「日米安保解消」という最悪の方向に向かい、日本から出ていかざるをえなくなったら、アメリカは世界のリーダーの地位から滑り落ちるかもしれない。
それほどまでに日米同盟は重いのです。
--------------
↑引用ここまで
(『日本の防衛力』P123より)

henoko_kusatsu.jpg

そんなアメリカが軍事的に非常に重要視しているのが、沖縄 辺野古(へのこ)での米軍基地建設計画です。
サンゴ礁の拡がる海に基地を造るなどという計画に対して反対の声が強く、2014年に完成するという計画は遅れそうです。

さらには民主党の中から、計画に反対する意見が出てきています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113187935.html

こうした背景を踏まえ、来日したクリントン国務大臣は新しい日米協定を結ぶことにしてサインしました。

この協定では辺野古での基地建設について以下のように書かれています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/shomei_43.pdf
↓ここから引用
--------------
日本国政府は、アメリカ合衆国政府との緊密な協力により、ロードマップに記載された普天間飛行場の代替施設を完成する意図を有する。
--------------
↑引用ここまで

「普天間飛行場の代替施設」というのが辺野古で造られようとしている米軍基地です。
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html

民主党がこの計画に反対しそうなので、アメリカは仮に民主党が政権を取っても基地を造らせることができるように、自民党に政権があるうちに協定を結ぶことにしたのです。

clinton-naka02.jpg

ところで、この協定は「在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定」とされています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/21/2/1188021_1092.html

辺野古での基地建設を日本政府に確実にやらせたいという思惑が見えるものの、表向きは沖縄のアメリカ軍海兵隊の一部をグアムに移転する件に関する協定となっています。

これは、沖縄で凶悪犯罪などを犯す海兵隊を移転させることで、沖縄の負担を軽減しようという名目で行なわれるものです。前述の辺野古での米軍基地建設も、海兵隊のグアム移転も「沖縄の負担軽減のために」やるのだから、日本の税金のなかからお金を出すことになっています。
しかし、実はアメリカの本音は「沖縄の負担軽減」という名目とは別のところにあるようです。

この協定にも、
↓ここから引用
--------------
グアムが合衆国海兵隊部隊の前方での駐留のために重要であって
--------------
↑引用ここまで
と書かれています。つまりアメリカ側から見て世界中に「前方展開」するための拠点だからグアムの基地を強化するのが重要なのですね。

さらには、こんな本音も出ています。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009012800139
↓ここから引用
--------------
ゲーツ米国防長官は27日の上院軍事委員会で、中国の脅威に対処するためにも、在沖縄米軍再編を達成しなければならないとの考えを示した。
--------------
中国が軍事力を増大させる中で、在沖米海兵隊8000人をグアムに移転することで、有事の際に中国の弾道ミサイルや戦闘機による攻撃の被害を最小限にすることや、グアムの基地機能強化により、中国の脅威に対処するとの見解を示したものとみられる。
--------------
↑引用ここまで

つまり、将来的に中国との対立が深まり、万が一、中国から在日米軍基地に対してミサイルを撃たれたとしても、グアムに移転しておけばミサイルは届かない、というわけです。

日本は、沖縄の海兵隊が移転するのだからという理由で、多額の費用負担を約束させられました。
ところが、その費用は海兵隊の基地ではなく、アメリカの海軍や空軍の基地を増強するために使われることがわかりました。

andersen.jpg
(DVD『基地はいらない、どこにも』で使用させていただいた「joeのスタジオ日記」からの画像)

http://www.asahi.com/politics/update/0216/TKY200902150152.html
↓ここから引用
--------------
米軍再編で日米合意された沖縄の米海兵隊のグアム移転を巡り、09年度の政府予算案に計上された日本側の経費負担346億円のうち202億円が、グアム島の米海・空軍の施設の基盤整備にあてられることが分かった。
--中略--------
政府は09年度予算案で、グアム移転の日本側の経費負担として346億円を計上している。このうち174億円がグアムの海軍基地内にあるアプラ港の基盤整備事業に、28億円は同島のアンダーセン空軍基地の土地造成や上下水道管の埋設などの基盤整備事業にあてられることが、防衛省への取材で判明した。
--中略--------
米軍の世界戦略の中で、グアムには、米本土などから陸・海・空・海兵隊の様々な戦力が移転する計画がある。沖縄の海兵隊移転は一部に過ぎず、「どの部分が沖縄から移る部隊の施設、インフラなのかは厳密には区別できない」との指摘もある。
--------------
↑引用ここまで

さまざまな問題点を抱える今回の日米協定は、国会での承認が必要になります。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-140762-storytopic-3.html
↓ここから引用
--------------
国会審議では、普天間飛行場の県外・国外移転を政策に掲げる民主党の対応が注目されている。自民党内からはすでに「本国会の最大の対決法案」との声が上がり、今後、協定の内容をめぐって国会で激しい議論が交わされそうだ。
--------------
↑引用ここまで
posted by あつこば at 18:03| Comment(0) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月14日

クリントン・小沢会談が17日で決定!

クリントン米国務長官と民主党 小沢代表との会談が決まりました。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090214-OYT1T00454.htm
によると「米側は、麻生首相との会談などほぼ全日程が終わった後に会談をセットした」ということですので、すでに米軍再編の日米協定(条約)にはサインをした後になります。

ozawa-clinton-300.jpg
(民主党、米国務省の公式サイトより)

日米協定(条約)の問題点については、以下に書いています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113553204.html

その日米協定(条約)には、なんと、前文ではなく本文にも、沖縄 辺野古(へのこ)での米軍基地建設の推進が盛り込まれることになったそうです!

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-140762-storytopic-3.html
↓ここから引用
--------------
クリントン米国務長官と中曽根弘文外相が17日に署名する条約「在沖米海兵隊のグアム移転に係る協定」に関し、前文に米軍普天間飛行場移設の日米合意推進が盛り込まれるだけでなく、条約本文でも県内移設実現に向けた両政府の強い意志が表明されることが13日分かった。
--------------
条約本文にまで盛り込むことで、米軍再編ロードマップ(行程表)のより厳格な実施をアピールする形だ。
--中略--------
協定は10条程度。条文では、代替施設の沖合移動を求める地元要望や基地負担軽減には触れない。
--中略--------
国会審議では、普天間飛行場の県外・国外移転を政策に掲げる民主党の対応が注目されている。自民党内からはすでに「本国会の最大の対決法案」との声が上がり、今後、協定の内容をめぐって国会で激しい議論が交わされそうだ。
--------------
↑引用ここまで

「本国会の最大の対決法案」とのことです。
民主党の動きがいまひとつ読めませんが、国会では議論をするべきですし、この機会に辺野古の問題を少しでも多くの人に知っていただきたいと思います。

henoko_title_320_230.jpg

辺野古について書いた他の文章は、以下でお読みいただけます。
http://atsukoba.seesaa.net/article/70417549.html
http://atsukoba.seesaa.net/tag/articles/%95%D3%96%EC%8C%C3
posted by あつこば at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

沖縄防衛局が仮処分の申し立て、その後

沖縄県東村高江で、米軍のヘリパッド建設に反対して座り込みをしている人達に対して、沖縄防衛局が仮処分の申し立てをした件については、以前も書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/112489913.html

1月27日に那覇地裁で、沖縄防衛局と住民、双方の意見を聞く審尋(しんじん)という手続きがされました。

沖縄防衛局が提出した写真に人違いがあり、妨害行為の対象者とされた14人の中には「当時すでに県外に転居していた人」「パインを差し入れしただけの住民」が含まれていたとのことです。
(沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-28-M_1-027-1_001.html

NHK沖縄放送局の報道によると、裁判所は「妨害行為とは何かなど、国は申し立て書について、さらに詳しく説明する必要がある」と述べたとされています。
沖縄防衛局は「次回の審尋までに説明する」と話したそうです。

審尋は、3月23日と5月11日にも行なわれます。
上記の沖縄タイムスの記事によると、住民側が、仮処分の審理期間中に建設工事が進むかを確認したところ、防衛局側は「この場では答えられない」としたそうです。

住民側の弁護団は公開の口頭弁論を求めています。
(沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-28-M_1-027-1_006.html
沖縄防衛局が自分たちの主張が正しいと思うのでしたら、ぜひ、公開の場で議論してもらいたいですね。

沖縄タイムスでの沖縄国際大教授(政治学)佐藤学さんの談話から一部を紹介します。
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-01-28-M_1-026-1_001.html
↓ここから引用
--------------
SACO後の米軍再編で、沖縄の声は反映されなかった。新基地の形状が変わり、いつのまにか「普天間」とパッケージにされた。
--------------
↑引用ここまで



高江は米軍の北部訓練場(ジャングル戦闘訓練場)に取り囲まれています。広大な北部訓練場の北側約半分などを返還するというのは、1996年のSACO合意で決まっていました。
米軍再編の合意文書では、いつのまにか、辺野古での基地建設計画とパッケージであり、基地ができなければ返還しないという横暴な理屈に変わっていましたね。

この問題、今後も注目し続けたいと思っています。

【2月16日 追記】
仮処分申し立ての却下を求める署名が集められています。
「やんばる東村 高江の現状」をご参照ください。
http://takae.ti-da.net/e2525976.html
posted by あつこば at 12:55| Comment(0) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

「海賊は元漁民ではない」という主張

以前、「海賊」というのはどういう人達で、どのような背景で「海賊行為」を行なっているかについて書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113146297.html

その後、調べてみたところ「海賊は元漁民ではない」という主張をされている方もいましたので補足します。

政治学者 竹田いさみさんという方がTBSラジオに出演してインタビューで語っています。
竹田いさみさんという方は『国際テロネットワーク』という本を出していて、以下のページにその紹介があります。
http://www.yomiuri.co.jp/book/author/20060214bk01.htm

ラジオ番組はネットでも聞くことができます。3回に渡る特集ですが特に1回目のタイトルが刺激的です。

「海賊は元漁民にあらず〜その意外な正体」
番組紹介ページ
http://www.tbsradio.jp/st/2009/01/17_2.html
実際の音声
http://podcast.tbsradio.jp/st/files/sakasa20090107.mp3

大雑把に説明すると、「海賊」は内戦で対立してる氏族の中のひとつが海賊行為に出ているのであって「元漁民」ではない、という主張をされています。

著作権もありますので、ごく一部だけ紹介しましょう。

↓ここから引用
--------------
日本のテレビや新聞では、元漁民との報道が多いと思います。しかし、これを鵜呑みにしてはいけないと思います。
--------------
もともとソマリアでは、産業としての漁業は成立していませんでした。
まあ小さな船で一日の糧を得る程度の漁業がなされていたという程度のものなんですね。
--------------
↑引用ここまで

「産業としての漁業」がなくても「一日の糧を得る程度の漁業」で暮らしていたのであれば、乱獲で漁場を荒らされた漁民が海賊化するというのはありうる話だと思いましたが……。
もう少し紹介しましょう。

↓ここから引用
--------------
海賊達自身がですね、まあその外国メディアの取材に対して「外国船の乱獲で漁業ができなくなったんだあ!」「やむおえず海賊になったんだ」と発言しているんです。
--------------
つまり自分たちの置かれた哀れな境遇をアピールして、外国メディアから同情を引き出そうと。
--------------
↑引用ここまで

なるほど。たしかにテレビで流されている「海賊を名乗る人物へのインダビュー」は、海賊側からテレビ局にアピールしてきた可能性もあります。

海賊が活動をしている映像もテレビで流されていますが、竹田いさみさんによるとこれも「海賊」の側がPR活動のために提供したものだそうです。「海賊」に対する臨検の映像は取り締まりをしている側が撮った映像でしょうけど、「海賊」の行動にカメラがぴったりと付いて撮影している映像は、たしかに「海賊」側が提供した、あるいは「海賊」側があえて撮らせた可能性があると思います。

竹田いさみさんは、さらに「海賊」がさまざまなハイテク装備をしていることを紹介し、「ただの漁民とは思えませんね」と言っています。

軍事評論家の江畑謙介さんも、1月31日に放送されたNHK『週刊ニュース』でのインタビューで、「海賊」について以下のように話していました。

↓ここから引用
--------------
例えばアフガニスタンやイラクでなんかで行動している、非常に組織化された重武装の集団が洋上で活動していると。
--中略--------
(「海賊」が持っている)ロケット弾の発射機も、もともとは戦車を破壊するためのもの
--------------
↑引用ここまで

ということです。たしかに「元漁民」という言葉で、素朴な人達というようなイメージを持っていたとしたら、認識を誤る危険性はあります。

ただ、竹田さんに質問しているラジオのパーソナリティーは「元漁民……そんな簡単にできるわけないだろう」「日本のメディアは、あきらかにミスリーディングしている」などとオーバーなリアクションをしすぎだと思いました。

番組の第2回目では、氏族の有力者が作った私設海軍(沿岸警備隊)が「国際的な密輸グループに変身した」という説が語られます。

番組紹介ページ
http://www.tbsradio.jp/st/2009/01/18_4.html
実際の音声
http://podcast.tbsradio.jp/st/files/sakasa20090108.mp3

私設海軍(沿岸警備隊)が「海賊」に変化していく過程として、驚くべき内容が語られます。「海賊」は、民間軍事会社であるハートセキュリティ社の研修を受けたというのです。

↓ここから引用
--------------
実は2000年前後、いまから8年前ですね、9年前にですね、イギリスの海洋安全保障の会社がありまして、民間のコンサルタント会社でハートセキュリティっていうんですが、ここと契約を結んだんですね。
--------------
ここで契約を結んで多額の契約金を払ってですね、イギリス人の専門家を派遣してもらいます。そして高速艇の操縦とか武器の使用、ま、武器にはRK47とかRPGロケット砲とかですね、それからあと、衛星電話の使い方ですとか小型レーダーの使い方、また、犯人の逮捕術とかですね、対外広報の仕方など、まあ幅広い分野で海洋安全保障の研修プログラムを導入したと言われています。
--------------
↑引用ここまで

ハートセキュリティ社は、イラクで勤務中に武装勢力に襲撃されて亡くなった斎藤昭彦さんが勤めていた会社です。民間軍事会社に雇われた日本人がイラクに行っていたという事実は日本で衝撃的なニュースとして伝えられました。

前述の竹田さんの説が本当かどうかはわかりません。ネットで検索すると、出てくるものはほとんどが竹田さんの説を元にして書かれているものです。
ですので、これが正しいのかどうかの検証はできませんが、興味深い話だとは思います。

「対外広報の仕方」もハートセキュリティ社から学んだということですから、「海賊」達がインタビューで「同情を引き出そうと」して「自分たちは元漁民だ」と宣伝するという説も、なるほどと思わせます。


では、実際に「海賊」達が元漁民なのかどうかですが……、おそらく元漁民なのか元私設海軍(沿岸警備隊)なのかという「どちらか」ということではないのだと思います。ソマリア沖の「海賊」と呼ばれる人達の中には、元漁民もいれば元沿岸警備隊員もいるのではないでしょうか?

そこを冷静に捉えておかないと、「元漁民」なのか「元沿岸警備隊員」なのかどっちなんだ!、という不毛な議論に陥ってしまいそうです。

以前も紹介した水島 朝穂さんのサイトで紹介されているチュービンゲン軍事化情報センターの文章でも「漁師もいれば、元沿岸警備隊員もいる」と書かれています。
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2008/1208.html

さらに、これだけ世界で話題になっているのですから、他国の武装戦力などがなんらかの形で関係している可能性もあるとは思います。


竹田さんはラジオで、私設海軍(沿岸警備隊)が変貌した「国際的な密輸グループ」が麻薬などを密輸しているとして、いかに「悪い組織」であるかを強調しています。

そして、ラジオのパーソナリティも「アルカイダを作ってしまったのと似たような話」「フランケンシュタインを作ってしまった」などとオーバーな表現をして、センセーショナルにしようとしています。

話としては面白くできていますが、そこまで決めつけられてしまうと本当なのかどうか疑問もわいてきます。

仮に、「海賊」が誕生した経緯が竹田さんの説の通りだとしても、300人ほどいると言われている「海賊」の中に、元は漁民として生計を立てていて現在では海賊をやっている人達がいる可能性も否定はできません。

物事にはさまざまな要素があり、組織にはさまざまなタイプの人が集まっています。

ですから、「海賊は全員、元漁民なんだから、ぜんぜん悪くないんだ〜」と言ったら、それは間違いだと思います。少なくとも犯罪行為をしているのは事実ですし。
しかし、「海賊は元漁民じゃない。極悪犯罪集団だ!」などと言い切ってしまうのも、正確とは言えないでしょうね。
ラベル:海賊 自衛隊
posted by あつこば at 11:52| Comment(9) | TrackBack(0) | 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

クリントン長官と小沢代表とが辺野古について会談!

アメリカのヒラリー・クリントン国務長官から民主党に打診があり、小沢代表との会談が行なわれそうです。

「実現すれば米国務長官と日本の野党党首による個別会談は初めて」(産経新聞)だそうです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090211/stt0902110014000-n1.htm

hillary-ozawa.jpg
(画像は、Hillary Clinton campaign website、小沢一郎ウェブサイトより)

毎日新聞の記事では、沖縄 辺野古(へのこ)での基地建設についての意見交換だと強調しています。
http://mainichi.jp/select/world/news/20090211k0000m010130000c.html

朝日新聞によると、実際に会談をするかどうかは微妙なようです。
http://www.asahi.com/politics/update/0210/TKY200902100346.html
↓ここから引用
--------------
政権交代に備えて党の外交・安全保障政策を詰める前に、オバマ大統領ら米の新政権要人と面会することについて、小沢氏は慎重な姿勢。総選挙への準備にも忙しく、クリントン氏の日程との調整も見通しがつかないため、実際に会談が実現するかどうかは微妙だ。
--------------
↑引用ここまで

民主党としては、ここでクリントン国務長官から辺野古の問題などについて釘を刺されてしまうよりは、党内で意見調整をして自分たちで選択できる余地を残しておきたい……つまり、辺野古の問題についても、外交・政局のカードとしてその場その場で有利なほうに党の意見を変えられるようにしておきたい、ということなのかもしれません。
ちょっと穿った見方でしょうか?

いずれにしても、今回の打診により、アメリカが辺野古の問題をかなり重要視しているのがわかります。

報道では「普天間移設」などと書かれています。その呼び方の問題点について以下で書いています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html

辺野古での米軍の新基地建設については、1997年に行なわれた地元名護市での住民投票で反対票が過半数を超し、世界自然保護会議からはジュゴンの保全を求める勧告が3度も出ています。

henoko_kusatsu.jpg

こんな海に米軍基地を造るというのは、やはりとんでもない話です。 クリントン国務長官が小沢代表と会談すれば、これまで以上に世界にこの問題が広まるでしょう。

辺野古の問題にあまり関心がない人達にも、クリントン国務長官の来日に関連し、辺野古のことを説明するよい機会になりますね。

このブログでは、
クリントン国務長官が日本に来て辺野古での計画に関連する協定を結ぼうとしていること
http://atsukoba.seesaa.net/article/113553204.html
民主党が「辺野古の計画は白紙に」と主張していること、
http://atsukoba.seesaa.net/article/113187935.html
などを書いてきました。

他に辺野古について書いた文章は、以下でお読みいただけます。
http://atsukoba.seesaa.net/article/70417549.html
http://atsukoba.seesaa.net/tag/articles/%95%D3%96%EC%8C%C3
posted by あつこば at 14:10| Comment(0) | TrackBack(2) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月09日

ブログのタグについて

このブログには「タグ」という機能があります。
それぞれの文章の下に、
「タグ:自衛隊 海賊 麻生」などと書かれています。
この文章の下は、
「タグ:ブログ 自衛隊 海賊」です。

その中の「海賊」という文字をクリックすると、「海賊」についてこのブログに書いた文章のリストが出てきます。
http://atsukoba.seesaa.net/tag/%8AC%91%AF
海賊について書くようになったのは最近になってからですので、数は少ないですが全部出てきます。

ただし、「麻生」という文字をクリックしても、このブログに書いてきた文章の中で麻生首相に関連した文章がすべて出てくるかというと、そうはなっていません。
私が「タグ」を使い始めたのは、実は昨年末ぐらいからで、それまでこのブログでは「タグ」という機能を使っていなかったためです。
過去に書いた文章の中でも麻生首相が外務大臣だった頃に沖縄について差別的な発言をした時に書いた文章は、「タグ」で出てきたほうがいいなと思ったので、最近になってその文章にタグを入れました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/18017770.html

そのように、過去の文章すべてに「タグ」を入れるとなると膨大な作業になってしまうので、できません。どなたかボランティアでやってくださる方でもいればありがたいのですが、世の中、なかなかそんな人はいませんよね。

過去のすべての文章は「カテゴリー」では分類されています。これは「米軍」「自衛隊」など非常に大雑把なくくりでまとめたもので、一つの文章はかならずどこかのカテゴリーに入れなくてはなりません。

「タグ」はひとつの文章で、「タグ:辺野古 沖縄 グアム 米軍 中曽根」という具合に複数の「タグ」を設定できるのですが、「カテゴリー」は一つだけしか設定できません。
そこで、沖縄のことだけじゃなく全国の米軍基地のことにも触れている記事の場合、「沖縄」に登録するのか「米軍」に登録するのかがごっちゃにならないように、「カテゴリー」では「米軍」という大雑把なくくりにせざるを得ないのです。

結果的にブログの右側の欄で「米軍」というカテゴリーをクリックすると、今の時点で314もの記事が出てくるようになってしまいました。
http://atsukoba.seesaa.net/category/1420547-1.html

これではちょっと不便なので、最近になって「タグ」も導入した次第です。前述のように「タグ」では最近の文章に加えて、私が特に入れたほうが良いと思って後から付け加えた過去の文章しか出てきません。

ですので、ある言葉について書かれた文章すべてを読むためには、ブログの右側の記事検索の枠に検索したい言葉を入力して検索していただければと思います。

P.S.
本日のニュースです。
「海賊」に乗っ取られ沖縄出身の船長が拘束されていた事件ですが、中国海軍が保護したそうです。もともと中国の船で乗組員も中国人の人が多く、たまたま船長だけが日本人だったとのことです。
「海賊」については辺野古や高江の米軍基地の問題と同様に、非常に大きな問題ですので、今後も取り上げていきたいと思います。
このブログの更新を知りたい方は、以下をご覧ください。
http://atsukoba.seesaa.net/article/18366739.html
posted by あつこば at 16:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月02日

辺野古での法的根拠となりかねない日米条約!

いま、日本とアメリカの政府が協定を結ぼうとしています。これは沖縄のアメリカ軍海兵隊を一部グアムに移転させるためのものです。
グアムでの基地建設などのために日本が多額の費用負担をするのですが、外務省によるとこの協定で「予算の適切な使用や目的外使用の禁止などを米政府に課すことにした」そうです。
(毎日新聞 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090128k0000m010029000c.html

具体的には以下の内容とされています。
↓ここから引用
--------------
(1)資金を目的以外に使用してはならない(2)工事入札の際、日本企業も平等・公正に扱わなければいけない−などの原則を定める。
--------------
↑引用ここまで
(時事通信 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200901/2009012700820

アメリカの基地を造るために日本の税金を使うのですから「資金を目的以外に使用してはならない」というのは重要ですね。抜け道の無いようにすることが大切です。そしてグアムでの工事については「日本の業者にも入札させろ」ということですね。

グアムでの基地建設に関する費用負担については、日本に返すことになっているはずのお金が返ってこないのではないかという問題もあります。
http://atsukoba.seesaa.net/article/34895090.html

しかし、今回日米政府が結ぼうとしている協定でさらに問題なのは、沖縄 辺野古(へのこ)での基地建設計画についてです。

これは協定の本文ではなく前文にさりげなく掲載されているそうです。

琉球新報の1月28日朝刊には、以下のように書かれています。
↓ここから引用
--------------
協定の前文では、「グアム移転」「普天間移設」「嘉手納以南の基地返還」の三つを盛り込み「パッケージ」であることを強調。
--------------
政府関係者は「協定の精神をうたう前文に盛り込むことで、普天間移設を政府方針通りに進めるんだという意思を表すことになる」と明かす。
--中略--------
政府がグアム移転で協定を締結するのは、在日米軍再編の実施に「法的拘束力」を与えたいから。
--------------
↑引用ここまで

表向きはグアム移転に関して「米政府に課す」内容になっています。グアム移転で日本が多額な費用負担をするという問題点はともかくとして、沖縄の「負担軽減」につながる可能性はありますので「それならいいことじゃないか」と思っていまいがちです。

ところが、その協定の前文には辺野古での基地建設が織り込まれているのです。

henoko_place.jpg

民主党の中から「辺野古の計画を白紙にするべきだ」という声が出ていることは、すでに書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113187935.html

今回の日米協定は、日本で民主党中心の政権が誕生しても辺野古での基地計画を実行させられるように、アメリカ側が要請してきたものだと考えられます。

この協定は、今月上旬に日米政府で署名され、その後、国会で承認を求めるそうです。そして国会では、たとえ野党が反対して参議院で否決されても衆議院通過後30日たてば成立してしまう恐れがあるのです。

沖縄タイムスの1月28日の記事にも書かれています。
↓ここから引用
--------------
日米外交筋は、国内で支持率を高める民主党が政権を取る可能性も視野に、「協定が発効すれば、政権が変わっても方針は変わらない。もう引き返せなくなる」と協定の重みを強調。
--------------
↑引用ここまで

nakasone.jpg
(外務省のサイトより)

麻生首相と同様の世襲政治家、中曽根弘文 外務大臣が沖縄を訪問し、1日に仲井真知事と意見交換をしました。その中で仲井真知事は中曽根外務大臣に対し、以下のように言ったそうです。

http://www.asahi.com/politics/update/0201/TKY200902010100.html
↓ここから引用[m:151]
--------------
仲井真氏は「(協定の内容を)差し支えない範囲で県民にもいろいろ話して頂きたい。我々は報道で知るだけだ」と、地元への丁寧な説明を求めた。
--------------
↑引用ここまで[m:140]

今回の協定が辺野古での基地建設につながるという問題点は、琉球新報などごく一部のメディアでしか指摘されていません。

地元へのきちんとした説明もなしに、日米間の協定の「前文」によって辺野古での基地建設の法的根拠を作ろうなどという姑息な手段は、改めさせるべきですね。
posted by あつこば at 11:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月01日

政府が「海賊対策」を急ぐ理由は?

今回は、日本政府が法整備もせずに自衛隊の派遣(派兵)を急いでいる理由を考えてみます。

■豪華客船を護衛

共同通信が以下の記事を配信しています。
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009011601001036.html
↓ここから引用
--------------
4月下旬から5月初めにかけて日本の豪華客船2隻がソマリア沖を通過予定になっており、この護衛を当面の大きな課題と位置付けている。
--中略--------
ソマリア沖を通過するのは乗客乗員約1100人が乗るとみられる郵船クルーズの「飛鳥2」と、同じく500−600人が乗船する見込みの日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」。2隻とも世界一周クルーズの客船。
--------------
↑引用ここまで

産経新聞でも報道されていました。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090129/plc0901290102002-n1.htm
↓ここから引用
--------------
指示が遅れた分だけ派遣は突貫工事となる。4月任務開始は政府にとってのデッドラインだったからだ。
--------------
護衛艦派遣の検討は、4月下旬から5月上旬にかけ、2隻の日本の豪華客船がソマリア沖を通過するのが発端だった。昨年も護衛の是非が問題となった両船には約1600人の日本人乗客が乗船する。
--------------
↑引用ここまで

「昨年も護衛の是非が問題となった」と書かれていましたので、昨年の報道を調べてみました。

http://www.zakzak.co.jp/top/200810/t2008100352_all.html
↓ここから引用
--------------
政府が4月、日本人計1600人余りが乗る豪華客船2隻がアフリカ・ソマリア沖を通過する際、海賊に襲撃される危険性が高いとして、インド洋での給油活動で展開していた海上自衛隊の護衛艦に「海上警備行動」の発令を検討していたことが3日、複数の関係者の話で分かった。
--------------
最終的には首相官邸側の「民間客船の護衛は、給油活動が目的の新テロ対策特別措置法の想定外」との判断で見送られ、政府は米英海軍に支援を要請、客船は無事通過した。
--------------
↑引用ここまで

昨年も同様に豪華客船を護衛する話が出ていたのですね。

■中国への対抗意識

自衛隊の派遣(派兵)を急いでいる理由として、もうひとつ指摘されているのが中国に対する対抗意識です。

昨年12月21日の読売新聞の報道です。
↓ここから引用
--------------
アフリカ・ソマリア沖での海賊対策で、米英仏など十数か国に加え、中国も軍艦派遣を正式発表し、日本政府内には焦燥感が出ている。米国は中国と、情報共有などで協力する考えで、来月のオバマ政権発足時までに日本の貢献策を示せなければ、新政権との関係構築で中国に後れをとるとの見方も出ている。
--------------
↑引用ここまで

続いて1月25日の毎日新聞。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090125ddm001010085000c.html
↓ここから引用
--------------
中国の動きは、政府をあわてさせた。
--中略--------
内閣官房の政府高官はそのころ、麻生太郎首相に「中国に負けるわけにはいきません」と進言している。首相は「そりゃそうだ」と答えたという。
--------------
↑引用ここまで

そして、1月28日のNEWS23でも報道されました。
↓ここから引用
--------------
政府はなぜ自衛隊の派遣を急ぐのか?
自衛隊派遣の検討を表明したのは去年12月、中国海軍のソマリアへの派遣前夜。
防衛省幹部は「中国の船が出るその日の朝刊に載せる意味があったのだろう」と指摘する。
--------------
↑引用ここまで

日本の政治家の中国に対する対抗意識やメンツのために、拙速な派遣(派兵)をされる自衛隊。政府の人達は自衛隊員を単なるコマとしか思っていないのでしょうか?

asou-jmsdf.jpg
画像は「麻生太郎オフィシャルサイト」より、海上自衛隊の行事にて
ラベル:自衛隊 海賊 麻生
posted by あつこば at 18:25| Comment(4) | TrackBack(0) | 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする