2009年09月23日

沖縄に来てます。

沖縄で取材中です。まだ夏です。今月上旬に来た時も日焼けしましたが、さらに焼けました。

僕はきょうは一日、辺野古にいましたが、昨日は『Peace Music Festa! '09 from 宜野湾』に来て「きょうは辺野古」という若い数人連れの人達が次々と辺野古を訪れ、おじいやおばあも来て辺野古テント村は活気にあふれていました。

加藤登紀子さんも辺野古に来ました。高江にも行って来たそうです。

取材中は画像やレポートをブログに掲載する余裕がありませんが、近日中に小出しに(笑)しますので、たまにチェックしてください。


posted by あつこば at 03:50| Comment(4) | TrackBack(0) | ブログについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月16日

「普天間移設」は、二度もダメ出しをされている

9月21日に『Peace Music Festa! '09 from 宜野湾』
http://peace-music.org/
が行なわれる宜野湾(ぎのわん)市にある普天間基地については、前に書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/126373072.html

今回は『Peace Music Festa!』の直接のきっかけとなった名護市辺野古(へのこ)での米軍基地建設計画についてもう一度書きます。

henoko_title_320_230.jpg

テレビや新聞などで報道している「普天間移設」「普天間代替施設」、つまり辺野古での米軍基地建設計画については、このブログでなんども書いてきました。
オススメの文章は以下にまとめてあります。
http://atsukoba.seesaa.net/article/70417549.html

今回は辺野古の計画が、二度もダメ出しをされているという点について書いてみます。民主主義の国としては、二度もダメだと言われたのですからこの計画はやってはいけないのです。このことは何度でも言う必要があります。


■一度目のダメ出し……名護市民投票

vote.jpg
(『市民投票報告集『名護市民燃ゆ』より』)

1997年12月21日に地元名護市で市民投票が行なわれました。これについては、
http://atsukoba.seesaa.net/article/40515325.html
に詳しく書いています。

基地建設の計画が浮上してきた時に、賛成か反対かを地元の市民投票で決めたのです。政府や那覇防衛施設局(当時)の工作にもかかわらず、基地建設に反対の票が過半数を取りました。

■二度目のダメだし……辺野古沖案

名護市民投票で「反対」という結果が出たにもかかわらず、日本政府は辺野古沖でサンゴ礁の広がる海に基地を造るという計画を強行しようとしてきました。
henoko_kusatsu.jpg
1999年12月28日には閣議決定までしています。

しかし、数多くの人達が辺野古に集まり、座り込みや阻止行動を連日続けました。多くの人達がさまざまな違いを越えて協力した結果、閣議決定までした辺野古沖案は事実上撤回されました。

これについては政府はなかなか「撤回した」とは認めたがりません。具体的には2005年10月29日、米軍再編のいわゆる中間報告の日米合意文書で、辺野古の浜のすぐ隣にあるキャンプシュワブの沿岸に基地を造ると発表しました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/henkaku_saihen.html

その後、米軍再編に関する閣議決定の文章の中で、1999年12月28日の閣議決定について「廃止する」としました。
http://www.mod.go.jp/j/news/2006/05/30.html

辺野古沖案を「廃止」せざるを得なかった理由については、当時の防衛庁副長官が「反対の方々の妨害等もあって」と言っています。(沖縄タイムス、2006年12月14日)


■現在の案は「反対運動をできなくした」

なぜ、現在のキャンプ・シュワブ沿岸案になったのでしょう?

henoko-hensen.jpg
(DVD『基地はいらない、どこにも』より、※右側の図は現在の計画では若干変更になっています。)

辺野古沖案は海の上での計画だったので、非暴力の行動によって撤回に追いやられました。

そこで、日本政府と防衛省は「米軍基地の中から海にはみ出すように造ってしまえば妨害されない」と思ったんですね。

これについては、
沖縄の自民党、西銘恒三郎議員が「反対派も妨害活動が困難だ」(東京新聞、2006年5月31日)、
那覇防衛施設局の佐藤勉局長(当時)が「陸上に近くなれば(立ち入りが)常時制限されている水域であるということも要素の一つ」(沖縄タイムス、2006年2月24日)、
と語っています。

海上阻止行動ができないようにするために現在の案にしたのは汚職で逮捕された防衛省の守屋元事務次官だとされています。
↓ここから引用
--------------
守屋の脳裏に、ある首長が漏らした言葉が浮かんだ。
--中略--------
「反対派も基地の中にまでは入れない」
--------------
↑引用ここまで
(春原 剛『同盟変貌 日米一体化の光と影』より)

ちなみに、キャンプ・シュワブがある場所も、地名としては「辺野古」です。
そしてキャンプ・シュワブ沿岸案などという案は、もともとやってはいけない案でした。それについては以下に書いています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/40060271.html


■三度目のダメ出し

これまで書いてきたように、辺野古での基地建設に関しては二度のダメ出しがされています。

一度目のダメ出しをしたのは、市民投票で反対票を投じた地元名護市の人達でした。

そして二度目のダメ出しをしたのは、座り込みや海上阻止行動をしていた多くの市民でした。沖縄の人達をはじめ、全国から来た反戦・平和運動や環境運動をしている人達、そして労働組合などの団体の力と個人の力がまとまったのが大きかったと思います。

三度目は、さらに幅広い人達がダメ出しをする必要があります。
新しい政権になり、世論の力によってアメリカと交渉させて辺野古での基地建設を撤回させる必要があります。
PMF09F.jpg
『Peace Music Festa! '09 from 宜野湾』をはじめ、さまざまな人達がさまざまな取り組みをすることで、これまで以上に幅広い層に訴えることが、三度目のダメ出しにつながります。
posted by あつこば at 06:14| Comment(1) | TrackBack(2) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月09日

連立合意で社民党がこだわった理由

久しぶりに辺野古に行ってきました。『基地はいらない、どこにも』に続くDVDを創るための取材です。

那覇から辺野古に近づいていくだけで自分の中でなにかが盛り上がっていくのを感じます。
辺野古の現場にいちばん近いのは宜野座インターですが、その手前の金武インターで降りて、まさしくエメラルドグリーンに輝く海が見えた時は興奮しました。この海と多くの生命を守るために自分ができることはなんだろう……。

honoko-beach-2logo500.jpg

このところ「普天間移設」という言葉がテレビや新聞で取り上げられています。民主党と社民党、国民新党が連立政権の合意をする際の文章についての調整が難航しています。きょう昼の時点ではまだ合意しておらず、今日中の合意をめざすとされています。

詳しく書かれている琉球新報の報道によると、
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-149619-storytopic-53.html
↓ここから引用
--------------
民主党が社民党の要望を受け「沖縄の基地のあり方について見直す」との文言を合意文書に盛り込むことを提案
--中略--------
(社民党の)会合では「辺野古の新基地建設は認めないとはっきり書かかなければ、かえって誤解を与える」との意見が挙がり、提案通りの内容に変更がなければ削除を求めることを確認した。
--------------
再開した政策責任者の協議では「沖縄の基地のあり方について見直す」との文言を削除。
--中略--------
(社民党の)重野氏は「辺野古の新基地建設の見直し」を求める内容の覚書や念書で明文化することを重ねて要望したが、民主党が再提示した内容には明確に盛り込まれなかった。
--------------
↑引用ここまで

わかりやすくまとめると、民主党が「沖縄の基地のあり方について見直す」と提案したのですが、「沖縄の」という表現だと大雑把すぎますし、見直した結果、やっぱり辺野古に新しい基地を造るとか、辺野古に造るけど場所を50メートルずらす、などという結論になってしまいかねません。
そこで社民党は「辺野古の新基地建設は反対」と書かなければダメだと主張。民主党としては今後のアメリカとの関係も配慮して今の段階では「反対」とは言いづらいわけです。そこで社民党も「反対」という表現は(おそらく)あきらめて、せめて「沖縄の」ではなく「辺野古の新基地建設の見直し」という言葉にするという主張をしてきたのですね。

「反対」ではなくても「辺野古での計画の見直し」であれば、計画を中止させる可能性があるという表現になります。そこまで譲歩してきたわけですね。

沖縄タイムスには、民主党、菅直人代表代行の
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-09-09-M_1-003-1_003.html
↓ここから引用
--------------
「(辺野古移設中止を)文言として盛り込むのは難しい」との見解を示した。一方で、「鳩山代表はこれまで県外、国外と言っており、責任を持って交渉するだろう」とし、党の姿勢に変更がないことを強調した。
--中略--------
菅代表代行は今月下旬に鳩山由紀夫代表が訪米し、オバマ米大統領と会談することに触れ、「トップ会談を控えている。(普天間問題は)フレンドシップを築いた上で、現状維持や県外、国外、沖合修正なのか一つ一つ検討していく必要がある」と述べたという。
--------------
↑引用ここまで

「現状維持」では普天間基地の危険な状態を放置することになってしまいますから、政治家としてダメでしょう。
「沖合修正」は仲井真知事が苦し紛れで言っているだけで話になりません。
「県外移転」は負担を拡大することになりますから本来的な解決にはなりません。
「国外移転」であれば、日本が関与する問題ではないでしょう。本質的には「基地はいらない、どこにも」なのですが……。

特に普天間基地は「殴り込み部隊」、つまり人殺しのための基地ですから「移転」ではなく無くしてしまったほうが人々のためです。
http://atsukoba.seesaa.net/article/126373072.html
に書いています。

このブログでは、「普天間移設」「普天間代替施設」「辺野古」などについて何度か書いてきました。
「普天間代替施設」という呼び方の問題点については以下です。
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html

schwab-sunrise-02logo500.jpg

これからも、できるだけ正確な情報にもとづき、表現を工夫しながら、何度でも書こうと思っています。

今回沖縄に行って、何人もの大切な人に会えて、大切な人と遊んで、大切な人と電話で話ができました。今回会えなかった人達も含めて「俺たち、つながってる!」と思えた時間を過ごせました。

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追記;「宜野座インター」をつい間違って「宜野湾インター」と書いてしまいました。間違いに気が付いて教えてくださった方に感謝します。

posted by あつこば at 12:09| Comment(31) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月04日

『Peace Music Festa!』のプレ・イベント

9月21日に行なわれる野外フェス(音楽イベント)『Peace Music Festa! '09 from 宜野湾』のプレ・イベントが東京で行なわれたので3日間通しで行って来ました。

3日間の出演者は以下、(たぶん抜けたりしてないと思うけど……)

知花竜海(DUTY FREE SHOPP.)with石原タケシ VJ:快的【KAITEKI】
カクマクシャカ
七尾旅人
KEN子(すべりだい)
DJ:TUK TUK CAFE
ショピン
當山貴史(Shaolong To The Sky)
ノーズウォーターズ
山口洋(HEATWAVE)+リクオ
新良幸人 with サンデー
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット

山口洋とリクオは、別々に出ることになっていたけど、それぞれ会場に来て「一人でやるのはさみしいから一緒にやろう」ということになったらしい(笑)。この二人の共演がなかなか凄かった。
……と、それぞれのアーティストについて書き出すと仕事をする時間が無くなるのでやめておきますが、これだけ多彩な出演者を続けて観るとかなり圧倒されました。

個人的な趣味を細かく言い始めると、この演奏スタイルはあんまり好みじゃないとか、毎日聞きたい音楽じゃあないなとか、喋ってる内容にちょっと突っ込みを入れたくなったりとか、まあいろいろ出てくるわけですが、人それぞれ好みも感じ方も考え方も違うんだから多様性があっていいじゃん、という当たり前のことをあらためて感じさせてくれた3日間でした。

これだけいろいろな人が、それぞれの違いがありながらも、『Peace Music Festa!』というムーブメントに賛同し、それぞれが沖縄の基地問題について他の人達に伝えたいと思っているというのは凄いことだ!

当初、プレ・イベントの映像も撮らせてもらおうと思っていたのですが、この3日間は取材者・撮影者という立場じゃなくて、自分自身が音楽を体験して、出演者やスタッフの人達にあいさつして、9月21日の『Peace Music Festa! '09 from 宜野湾』につなげようと思いました。

というわけで、静止画も無いんですが、そのうち公式ブログかどこかに載るかなと期待してます。

やらなきゃいけないことがいろいろ溜まってしまって4日目のNeled Loftでのトークイベントには行けなかったけど、沖縄の若い人達が基地問題についてどんな気持を持っているのかにはとても関心を持っています。
ふだん自分は軍事評論家の本を読んだり報道をネタにしてわかったようなことをブログに書いているけど、雇用や生活も含めて実際に基地の重圧のなかで……いやそれだけではなく基地なんか関係のない日常も含めて、そこで生で生きている人達の感覚に接しないと「基地問題」をちゃんと捉えられないんじゃないかと思うわけです。

9月21日の『Peace Music Festa! '09 from 宜野湾』では、さらに多彩な人達がライヴをやります。
http://peace-music.org/
http://peacemusic.ti-da.net/

今、創っている新作DVDのために、『新宿夏まつり』や『横浜・寿町フリーコンサート』などを一緒に撮ってきた土屋トカチ君(『フツーの仕事がしたい』監督)と一緒に取材することにしました。

というわけで、気分はもう沖縄なのです。
posted by あつこば at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | メディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月03日

辺野古の問題で民主党はアメリカと対等な立場で交渉するべき

3日未明、民主党の鳩山由紀夫代表がオバマ大統領と初めて電話で会談しました。2日朝にアメリカ側からの申し入れがあったそうです。会談の内容はすでにある程度、報道されていますが……、
↓ここから引用
--------------
詳細な発言内容については「先方から細かく報じてほしくないとのことなので、申し上げるつもりはない」と述べ、明らかにしなかった。
--中略--------
「日米同盟は基軸であり、建設的な未来志向の日米関係を築きたい」と述べたという。
--中略--------
2日は民主、社民、国民新3党の連立協議が始まったばかり。
--中略--------
民主党内には「このタイミングでの会談は、連立協議で社民党の主張に過度に配慮しないようけん制する狙いがあるのでは」(国際局関係者)との声も上がっている。
--------------
↑引用ここまで
http://mainichi.jp/select/today/news/20090903k0000m010132000c.html

今の時点で報道されている内容を細かく見てみました。
↓ここから引用
--------------
鳩山氏によると、オバマ大統領は同会談で、日米関係の強化を求めた。鳩山氏は「私どもも日米同盟が基軸」と明言し、「建設的な未来志向の日米関係を築き上げていきたい」と応じたという。
--------------
↑引用ここまで
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/20090903/40239.html

↓ここから引用
--------------
−日米同盟堅持で一致したのか。
当然だ。
−米軍再編の話はしたか。
していない。
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↑引用ここまで
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009090300044

米軍再編の話は「していない」とのことです。

↓ここから引用
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民主党幹部は「鳩山氏も過激なことは言わずにまずは信頼関係を築くべきだ」と、普天間移設問題などは大統領訪日が想定される11月以降に取り上げることを示唆。また、別の外務省幹部は「会談を重ねながら胸襟を開いて議論する関係ができればいい」としており
--------------
↑引用ここまで
という報道もあります。今回はお互いに辺野古の問題には触れなかったようです。

henoko_kusatsu.jpg

民主党は、辺野古での基地建設計画(普天間移設)について「沖縄ではなく県外に移設する」と主張してきましたが、政権が取れそうになった時期からマニフェストにも「県外移設」と書かなくなるなど態度が曖昧になってきていました。
その点について触れている琉球新報の記事では民主党幹部のそれまでの主な発言がまとめられています。
↓ここから引用
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「県外移設を目指すという考え方を変えるつもりはない。政権を取った後も基本的に県外移設を目指し、進めていきたい」(鳩山由紀夫代表)
--中略--------
「キャンプ・シュワブに移すという計画がそもそも無理だった。あのきれいな海を埋め立てるのは駄目だ。深さがあるので時間も金もかかるし、環境問題もある。われわれは(沖縄ビジョンで普天間の県外移設を)約束しているので米側としっかりと交渉する」(前原誠司副代表)
--中略--------
「きれいなサンゴの海とジュゴンの最北の生息地であるというあの湾に、何が何でも飛行場を造らなくてはならないかというと疑問だ。どうしても必要なら、ほかにもいくらでもあるだろうし、米国側としっかり協議すればいい」(小沢一郎党首=当時)
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↑引用ここまで
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-147668-storytopic-3.html

菅直人代表代行が県外移設を強く主張していたという報道もあります。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009083100395

前原副代表は「県外移設」ではなく「既存施設への統合を前提に、代替施設なき普天間返還を図るべきだ」と、辺野古での基地建設の白紙撤回を主張していました。
このブログでも以下で紹介しています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113187935.html

今回の衆議院選挙、沖縄では辺野古での基地建設の容認派がゼロになったそうです。
tamaki.jpg
辺野古がある名護市も含む選挙区で当選した民主党の玉城デニー議員は……、
↓ここから引用
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マニフェスト(政権公約)に明記のない同飛行場の県外移設について「党の鳩山(由紀夫)代表や小沢(一郎)前代表に、(代替施設を)県外に造ると確認した」と強調。
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↑引用ここまで
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-09-01-M_1-001-1_002.html

少なくとも「県外移設」については鳩山代表と小沢代表代行の言質を取ったようです。

30日に行なわれた衆議院議員選挙で自民党・公明党が大敗し、民主党が中心の連立政権ができることになりました。

アメリカ側からはさっそくこんな発言が出ています。

↓ここから引用
--------------
米国務省のケリー報道官は8月31日、(中略)
「米政府は普天間飛行場の移設計画や(在沖縄米海兵隊の)グアム移転計画について、日本政府と再交渉するつもりはない」と記者団に述べ、同飛行場の移設や海兵隊グアム移転を計画通り進める考えを示した。
--中略--------
米政府側は、いったん修正協議を始めれば計画が振り出しに戻りかねないことから、あくまで現在の合意を履行する姿勢を崩していない。米国務省としては、総選挙直後に米政府の立場を明確にしておくことで、民主党政権が、移設計画の修正を、日米間の協議の場にのせることを牽制(けんせい)する狙いがあると見られる。
--------------
↑引用ここまで
http://www.asahi.com/international/update/0901/TKY200909010043.html

日本で長く続いてきた自民党第一党の時代が終わって新しい政権ができるというのに、「再交渉するつもりはない」とはずいぶん傲慢な発言だと思います。

オバマ政権は、国務省の報道官にそうした発言をさせる一方で、鳩山代表にオバマ大統領との電話会談を申し入れ、「日米同盟堅持」を確認させたようです。

衆議院議員選挙後のアメリカ側の発言では、こんな発言もありました。

↓ここから引用
--------------
ルース駐日米大使は1日、米公共ラジオ(NPR)の番組で、日本の民主党が米軍再編計画の見直しを求めていることについて、「明白なことは、日米の政府間で(在沖縄海兵隊のグアム移転に関する)協定は署名されたということだ。(移転計画は)進められることになる」と述べ、現在の協定に沿って移転を進める米政府の立場に変更のないことを強調した。
--------------
↑引用ここまで
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090902/amr0909020933001-n1.htm

5月19日に発効した日米協定については、このブログでも紹介してきましたが、アメリカ側は民主党中心の政権になった場合に辺野古での計画をくつがえされないように自民党に政権があるうちに協定を結んでおいたのです。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113553204.html
http://atsukoba.seesaa.net/article/114396424.html

しかし、協定を結んだ当時、政府は沖縄の反発を恐れて「新たな法的な義務は課してはいない」としています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-140879-storytopic-3.html

アメリカ側は、あの手この手で辺野古での基地建設を押しつけてきます。しかし、民主党は弱気になってはいけません。

前回、ブログで書いたように普天間基地のヘリ部隊は日本を守っているわけではありませんので、日本にとって必要ありません。
http://atsukoba.seesaa.net/article/126373072.html

「県外移設」というと「どこに移設するんだ?」ということになって難航します。日本にとって必要の無い基地なのですから移設する必要はなく、危険防止のためには普天間基地を即時閉鎖するべきなのです。

futenma700.jpg

アメリカが強気になってくるのであれば、日本は日米安保条約の廃棄を盾に交渉することだってできます。
日米安保条約の第十条には以下のように書かれています。
↓ここから引用
--------------
(前略)いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。
--------------
↑引用ここまで

つまり、日本はいつでも「安保条約を廃棄する」と言えるのです。別にアメリカと戦争をしようということではありません。安保条約の変わりに「日米平和友好条約」を結んでもいいのです。

民主党はアメリカの従属国としてではなく、対等な立場としてアメリカと交渉するべきです。

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【追記】

書き終わった後で知った情報です。

国務省のメア日本部長も発言しました。かなり強硬姿勢を示していますね。
↓ここから引用
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米国務省のメア日本部長は2日、民主党が政権公約(マニフェスト)で見直すとした在日米軍再編について「国家間の合意であり、自民党と合意したわけではない」と述べて見直す余地はないことを強調、政権交代後も従来の合意に沿って推進するようけん制した。
--------------
↑引用ここまで
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009090301000144.html

一方、普天間基地の「移設先」については、こんな指摘もあります。
↓ここから引用
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米政府は本土移転に柔軟だった。米兵暴行事件があった1995年に当時の米国防次官補ジョセフ・ナイ氏は経費の日本負担を条件に兵力の本土移転を容認した。
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カート・キャンベル氏(現国務次官補)は2004年12月、那覇市内で本紙とのインタビューで、「普天間」の移設先として「日本本土などを含め、さまざまな選択肢が検討可能だ」と言明した。
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沖縄に固執したのはむしろ日本政府だった。
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↑引用ここまで
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-09-02-M_1-005-1_001.html

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【追記:2】
沖縄では18日に那覇の県民広場で、辺野古への移設中止などを求める集会を開くそうです。
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20090902rky00m040005000c.html
今回の選挙で、基地建設の容認派が全員落選したことを受けて、かなり力の入ったものになるでしょう。

21日に行なわれる野外フェス(音楽イベント)『Peace Music Festa! '09 from 宜野湾』と合わせて盛り上がりそうです。
http://peace-music.org/
http://peacemusic.ti-da.net/
posted by あつこば at 04:20| Comment(1) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする