
トップに収録されているアルバム・タイトル曲では、「辺野古」「泡瀬」「高江」といった言葉が含まれていて、本人の立ち位置を明確にしている。
かといって「社会派」な曲ばかりのゴリゴリの作品ではない。高校時代に書いたラブソングや、32歳になって書いたアンサーソングも入っていて、POPなアルバムになっている。
沖縄の音楽や楽器をはじめ、レゲエ、ラップ、ヒップホップ、ジャズ、ロック、ソウル……さまざまな音楽を吸収した多彩な曲が並ぶ。曲間のタイミングが絶妙で、全編を通してひとつの組曲のように聴ける。沖縄の若い世代が、悩み、楽しみ、考え、創りだした、緻密かつ自由な作品群だ。
DUTY FREE SHOPP.に比べると、今回のソロアルバムは、本人の真面目でやさしいキャラクターが、より身近に感じられる。

ジャケットも凝っていて、筋ジストロフィーを患いながらも地域で自立して活動し続けた沖縄の画家、新門登さんによる絵と裏側の写真の赤瓦が、デジパックの背中で微妙につながっているあたり、中身の音と同様、かなり凝って作られている。写真がいいなと思ったら、撮ったのは石川真生さんだった。そりゃあもう……。
そして、「目が怖い」に入っている子どもたちのコーラスが、めっちゃかわいいんですけど。