
菅官房長官は4月2日の記者会見で、
「普天間基地危険除去という、まあ辺野古移設、それが原点でありますから」
と発言しました。
これは「原点」と言った当時のことをよく知らずに事実誤認しているか、もしくは知っているのに誤魔化している発言です。
1996年に普天間基地の「全面返還」が発表されましたが、当時の橋本首相が記者会見で発表したなかに「辺野古」という言葉は一切出てきません。
http://www.kantei.go.jp/jp/hasimotosouri/speech/1996/kisya-0515-1.html
外務省北米局の田中均審議官(当時)によると、普天間基地の代替施設は「ヘリパッドに毛が生えたような小さな施設」が想定されていたそうです。
http://www.47news.jp/47topics/dokohe/6.html
------------------------------------------------------ここから引用
しかしその後、既得権益を死守したい海兵隊や新規工事受注をもくろむ本土のゼネコン、下請けとなる地元業者の利権と思惑が錯綜(さくそう)。「途中から滑走路の距離を長くしようなどと(代替施設構想が)どんどん膨らんでいった」と田中は明かす。
-------------------------------------------------------引用ここまで
また、国土庁の下河辺淳事務次官(当時)は、のちに以下のように話しています。
「滑走路だってあんな長い滑走路はヘリコプターにはまったく必要としなくなっていて、滑走路は40メーターでいいなんていう状態だったわけですよね。」
http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/bitstream/123456789/11547/2/no4_p154-185.pdf

それがいつのまにか、辺野古に巨大な新基地を造る話にすり替わったわけです。
候補地が辺野古に決まる前には、「嘉手納弾薬庫内北西部の山林地帯」「中城湾のホワイトビーチ水域」など、他の候補地もあげられていました。
ですから、『「普天間基地危険除去」=「辺野古移設」が原点』という菅官房長官の発言は、まったく間違っています。