2008年12月12日

事故を起こした戦闘攻撃機 F/A-18とは?

(2009年1月8日改訂)

今月8日(現地時間9日)カリフォルニア州サンディエゴ近郊の住宅地に米軍の戦闘機が墜落しました。この事故で2棟の住宅が破壊され炎上し、幼い2人の子供を含め4名の方が亡くなりました。事故の原因はエンジンの異常だとされています。

米軍機によって子供の命を奪った大きな事故は、日本でも起きています。

1959年の沖縄の事故ではジェット機が民家35棟を破壊した後、小学校に激突、炎上し、児童11名を含む17名の方が亡くなりました。

1977年の横浜の事故では、2人の幼い子が亡くなり、その母親も4年後に亡くなりました。事故直後に焼け跡でピースサインをする米軍関係者の写真が残っています。
002-trim200.jpg 004-trim200.jpg
(DVD『黙っていると100年先も基地の街』より) http://kichidoko.exblog.jp/6644818/

今回、事故を起こしたのは戦闘攻撃機 F/A-18です。(FA-18、F-18と表記されることもあります。)
日本にも配備されています。『報道STATION』でのインタビューでの情報によると全部で96機です。

戦闘機というのは、敵の航空機と空で戦うことが主な目的とされています。F/A-18の場合は、それに加えて地上や海上を攻撃する能力があるので戦闘攻撃機と呼ばれています。他の戦闘機と比べて特に騒音が激しいとも言われています。

そしてF/A-18は「空母艦載機」でもあります。

george-fa18-1b.jpggeorge-fa18-2b.jpg
(米軍のサイトより)

空母に着艦するためには専用の装備などが必要になります。ちなみに、青森県 三沢(みさわ)基地に配備されているF-16、沖縄県 嘉手納(かでな)基地に配備されているF-15などは空母艦載機ではありません。

アメリカ本土以外で米空母の母港になっているのは世界でも横須賀だけです。横須賀を母港にしている空母に搭載されるF/A-18をはじめとした第5空母航空団は、神奈川県の厚木基地を拠点にしています。

FA-18_atsugi.jpg
画像は厚木基地でのF/A-18。「正月三ヶ日は騒音を撒き散らして飛ぶのをやめてほしい」という地元の要請にもかかわらず1月3日に初飛行を行なった時のものです。

横須賀の空母と厚木基地の戦闘機はセットになっています。
今年9月に原子力空母「ジョージ・ワシントン」と交代するまで横須賀を事実上の母港にしていた「キティホーク」は、2003年に自衛隊から間接給油を受け、イラクへの攻撃に参加しています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/58797668.html
http://atsukoba.seesaa.net/article/62329553.html

F/A-18は山口県の岩国基地にも配備されています。厚木基地のF/A-18は海軍ですが、岩国基地のF/A-18は海兵隊に所属しています。

そして米軍再編では厚木基地のF/A-18をはじめとする空母艦載機が岩国基地に移駐することになっています。岩国市ではこの問題を巡って2006年3月12日に住民投票が行なわれました。
http://jp.youtube.com/watch?v=-CN1gfnk1GM

戦闘攻撃機 F/A-18には、A型からF型までがあります。

一人乗りが、
F/A-18AからF/A-18C、そしてF/A-18Eに強化され、

二人乗りが、
F/A-18BからF/A-18D、そしてF/A-18Fに強化されています。

F/A-18EとF/A-18Fに関しては、前の方とは別物というぐらい変わっています。
愛称も、A型からD型までのF/A-18が「ホーネット(スズメバチ)」だったのに対して、F/A-18E/Fは「スーパーホーネット」(またはライノ)と呼ばれています。

2006年に発売された『全国エアベースウォッチングガイド』によると、
厚木基地(米海軍)に配備されている機体は、F/A-18C、F/A-18E、F/A-18Fで、
岩国基地(米海兵隊)に配備されている機体は、F/A-18A+/C、F/A-18C、F/A-18Dとなっています。(ただし外来機として他の型の機体が来ていることも多いようです。)
今回、事故を起こしたのはF/A-18Dで、岩国基地にも同型の機体が所属しているわけです。

iwakuni.jpg
画像は岩国基地を飛び立つF/A-18。この画像からは型名まではわかりませんが。

実は、岩国基地のF/A-18はD型も含め、今回の事故が起きた前後も沖縄の嘉手納基地に飛来し沖縄周辺で米空軍と合同訓練をしています。

F/A-18のA〜D型は、先月「欠陥の可能性がある」とされ、一部が飛行停止措置になっていたそうです。
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2008-12-09-E_1-005-2_001.html?PSID=bb998178708262c1bda1cc6d0fe75721

米空軍との合同訓練は今回が初めてだそうですが、実は沖縄には以前から米海兵隊や米海軍のF/A-18が頻繁に飛来していました。普天間基地にもF/A-18は来ています。

調べてみたら、2005年11月
http://www.rimpeace.or.jp/jrp/okinawa/seriesmiru30.html
2008年1月
http://www.rimpeace.or.jp/jrp/okinawa/080115hornet.html
などが確認できました。

嘉手納町のサイトによると「FA-18戦闘攻撃機の半ば常駐化」と書かれていました。
http://www.town.kadena.okinawa.jp/mati2/base.html

恥ずかしながら私はこのことに気が付いていませんでした。
嘉手納基地といえばF-15戦闘機の深夜早朝の離陸による爆音、普天間基地といえば2004年のCH-53ヘリの墜落事故などをすぐに思い出しますが、外来機についてはほとんど知りませんでした。

なぜ自分はF/A-18が沖縄に飛来していたのに気が付いていなかったのか、今後の教訓とするために、ちょっと考えてみました。
それはおそらく、米軍再編の計画としては明らかにされていなかったから、だと思います。

米軍再編の日米両政府の合意文書によると、
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_aso/ubl_06/2plus2_map.html
↓ここから引用[m:151]
--------------
当分の間、嘉手納飛行場、三沢飛行場及び岩国飛行場の3つの米軍施設からの航空機が、千歳、三沢、百里、小松、築城及び新田原の自衛隊施設から行われる移転訓練に参加する。双方は、将来の共同訓練・演習のための自衛隊施設の使用拡大に向けて取り組む。
--------------
↑引用ここまで[m:140]
とされています。

日本政府は、米軍再編は「沖縄をはじめとして基地のあるところの負担軽減」のために行なうなどと言ってきました。

私は「負担軽減」などまやかしだと言ってきましたが、どうやらそれでもダマされていたようです。ヤマト(本土)の基地から沖縄の基地に訓練をしにいくというのはチェックできていませんでした。

上記の米軍再編の計画を図に表すと以下のようになります。このブログでも紹介してきました。
kunren_iten.jpg
これだと嘉手納基地には訓練は行かないように見えてしまいますね。

厚木基地から岩国基地にF/A-18などの空母艦載機が移駐してきた場合、空母が日本にいる間(年間200日)は岩国基地にもともといたF/A-18の部隊が「玉突き」のように沖縄に来るのではないかという懸念も持たれています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-29470-storytopic-9.html

これは米軍再編の計画では隠されていた可能性があります。

嘉手納基地や普天間基地に、もともとどの程度、F/A-18などが来ていたのか、その頻度はどのように変化しているかなど、ご存じの方がいらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。

今回事故が起きたのはカリフォルニア州のミラマー基地です。この基地についてもあらためて書きたいと思います。
posted by あつこば at 12:11| Comment(10) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、Mixiではどうも。
F/A−18のファミリーのうちA〜Dのホーネットと、E,Fのスーパーホーネットでは機体構造の共通点は10%ほどしかなく、機体事態の寸法もスパホの方が25%増しになっています。

なので、A〜D型からE/F型にアップグレードと言う事は不可能です。
Posted by 矢乃崎 at 2008年12月12日 19:39
あまりに恥ずかしいレポートですな。

要は、あつこばさんが、これまで
不勉強で、普天間にF/A-18が来ていた
ことに気付かなかった。今気付いた。

で米軍再編?そりゃムチャクチャですよ。
んなもんのずっと前からF/A-18は普天間
に来ている。嘉手納にも来ている。

RIMPEACEあたりに教わった方がいいですよ。
米軍に逆にナメられるだけ。
Posted by 通りすがり at 2008年12月14日 22:42
矢乃崎 さん、mixiのコミュではお世話になっています。

> A〜D型からE/F型にアップグレードと言う事は不可能です。

つまり、同一の機体を改造することことは不可能ということですね。
たしかに、C型からE型、D型からF型への改造はあり得ませんね。

私は、あくまでモデルチェンジといった感覚で書いていました。

たとえば、ラジカセ(死語?)だと、

studio1980
http://www.geocities.jp/yumesawanachi/radio/sony-cf1980.html
studio1980マークII
http://www.geocities.jp/yumesawanachi/radio/sony-cf1980-2.html
studio1980マークV
http://plaza.harmonix.ne.jp/~ita/1123/CF1980M5.htm
など、同じ「CF-1980」でも発展型があります。

他にはたとえば、車のことはよく知りませんが、型番がちょっとだけ違うマイナーチェンジはありますよね。

ウルトラマンや仮面ライダーにも、いろいろ「兄弟」とか「○代目」とかあります。
……と続けていくとどんどん脇道にそれるので話を戻します。

たしかに「アップグレード」という表現だと同一の機体を改造するのかと誤解を招く恐れはありますね。

アプリケーション・ソフトなどでは「アップグレード」というと、同一のライセンスで上位バージョンに更新できることを考えると、やはり「アップグレード」という言葉は適さないようです。

「アップグレード」に変わる言葉を考えてみたのですが、「進化」とか「発展」という言葉は攻撃力や破壊力、殺傷力が増しているのを肯定しているようなので、あまり使いたくありません。
「強化」という言葉にしてみようかと思っています。
--------------------
一人乗りが、
F/A-18AからF/A-18C、そしてF/A-18Eに強化し、

二人乗りが、
F/A-18BからF/A-18D、そしてF/A-18Fに強化しています。

ただし、F/A-18EとF/A-18Fに関しては、前の方とは別物というぐらい変わっています。
--------------------
という具合に修正しようと思いますが、いかがですか?
Posted by あつこば at 2008年12月15日 18:40
通りすがり さん

ご指摘の通りお恥ずかしいかぎりです。ですが、それを隠すのではなく明らかにして、なぜ自分が気が付かなかったのかも検証してみました。

エントリーの本文でも紹介しているように、リムピースのサイトはたまに見ております。http://www.rimpeace.or.jp/index.shtml

おそらく、今年1月にF/A-18が来たというのも沖縄のメディアの報道で読んでいたと思います。気が付いていないというよりも記憶が曖昧でした。その問題点をきちんと認識できていなかったんですね。

私が軍事関係に首を突っ込みはじめたのは米軍再編が問題になる少し前からです。ですので、沖縄とF/A-18の問題についての認識は不足していたんです。そこは反省すべき点ですね。

米軍再編の「訓練移転」で、沖縄から行ったF-15がヤマト(本土)での訓練が行なわれたというのは、ヤマト(本土)でもそれなりに報道されています。

しかし、ヤマト(本土)から沖縄にF/A-18が来て訓練しているという報道は、ヤマト(本土)ではほとんどされていないようです。
つまり「以前から沖縄に来ていたのでニュースにならない」と、ヤマト(本土)のマスメディアでは判断したのでしょう。もしかすると気にもしていなかったのかもしれません。

私は、そこに問題があると思いました。

そして、「以前から来ていた」だけではなく、米空軍と米海兵隊との合同訓練は今回が初めてだそうです。
Posted by あつこば at 2008年12月16日 11:06
管理人様

揚げ足取りにいちいち反論することはないと思いますよ。
調子に乗るだけです。
Posted by 通りすがり at 2008年12月23日 05:33
揚げ足取り?ふざけるなタコ。

あつこばさん、そういうことではないよ。
在日米軍の戦闘機は、軍種にかかわらず
かなり自由に異機種戦闘訓練を行っていま
す。あまりに日常的なので、いちいち報道
のネタにはなっていないだけです。

米軍再編という題目で報道していないから
岩国のF/A-18が嘉手納に行っていなかった、
協同訓練は今回が初、なんて言ってると、
「あ、この人は我々米軍の動きを全く
しらない素人なんだ。シメシメ。」と、
米軍側をつけあがらせますよ。つまり、
報道発表だけで日本人を騙せると思わせて
しまう。

「あんたら報道発表なんかなしで、ず〜っ
と昔から頻繁に沖縄と岩国を行き来して
るでしょ?全てお見通しです。」と思い
知らせる位でないと骨のある平和団体とは
受け取られない。
Posted by 通りすがり at 2008年12月26日 23:46
エントリーの「アップグレード」の部分は「強化」に変更しました。
Posted by あつこば at 2009年01月04日 07:24
基地が無くなって喜ぶのは、日本国民ではなく中国国民だ。
侵略を開始する中国からどうやって日本を守るんだ?
このページを見ただけで、お前が脳なしだとわかる
Posted by jsdf at 2013年12月28日 00:57
このような記事を書く方々は何故、基地や訓練が必要なのかという前提を考えていないケースが多い。
日本の基地や根拠地は、中国や北朝鮮に対する抑止力、ないしは防衛力として必要なのです。

まず、日本や在日米軍の存在意義を歪めるより、中国など対象国の軍拡を非難するべきでは?

中朝のことは棚に上げて、在日米軍を口撃するのはお門違いもいいところです。
Posted by 鈴木 at 2014年03月16日 21:07
中国は軍拡すべきではないと思いますよ。
そして日本も、中国を口実に軍拡するべきではないと思います。日本が軍拡すると中国に軍拡する口実を与えたことになりかねません。
軍拡には膨大な費用がかかっていますから、その費用を、被災地の人たちに本当に役に立つ支援や、困っている人たちのために使うべきです。

私たちは日本で税金を払っています。日本は在日米軍のために年間約7000億円もの駐留経費をを負担しています。まずは納税者として、無駄な在日米軍に払っているお金を減らすべきだと思います。
Posted by あつこば at 2014年03月17日 05:43
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