2009年01月29日

「海賊対策」の見切り発車は自衛隊も懸念している!

政府は、いわゆる「海賊対策」として、自衛隊をソマリア沖に派遣(派兵)することを決めました。

samidare.jpg
画像は護衛艦「さみだれ」。中国新聞によると「さざなみ」と「さみだれ」が派遣の準備をしているとされています。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200901150063.html

現在、「海賊処罰取締法(仮称)」の法案が検討されていますが、今回はその法案の成立を待たずに、とりあえず見切り発車的な派遣(派兵)をすることになります。

今回は自衛隊法の自衛隊法82条に書かれている「海上警備行動」を発令して派遣(派兵)しようとしています。この「海上警備行動」が発令されたのは過去に二回ありますが、いずれも日本の領海内です。

これまで自衛隊が海外に行く際には、PKO法、テロ特措法、イラク特措法などでおこなっていました。それが今回は、そもそも日本の領海内を想定していた現行法の「海上警備行動」で派遣(派兵)してしまうのです。

特措法の法案を作って国会審議するのではありませんから、十分な議論はされません。
にもかかわらず、これまで訓練以外では一発の銃弾も撃ってこなかった自衛隊が、今回の派遣(派兵)により初めて交戦をする可能性が出てきました。

自衛隊を派遣(派兵)するべきだと主張している人達の間でも、こうした拙速なやり方には批判が出ています。
そして……、

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901280307.html
↓ここから引用
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防衛省内部ですら「緊急避難的な脱法行為」(幹部)との指摘があり、将来に禍根を残しかねない。
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海上警備行動は領海内の事案を想定している。政府は海外派遣について法的に問題ないとしているものの、制服組幹部は「強い違和感を感じる」と本音を漏らす。今回の拙速な対応は、政治による自衛隊の無原則な派遣を助長しかねない。
--中略--------
浜田靖一防衛相は麻生太郎首相から自衛隊派遣を検討するよう指示を受けた昨年末以来、海上警備行動発令に終始慎重な考えを示してきた。
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↑引用ここまで

防衛大臣自身が今回の派遣(派兵)の仕方に疑問をもっています。
1月22日に放送された『NEWS23』では防衛大臣の以下の見解が報道されていました。
↓ここから引用
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今の法律の枠内では、どの場合にどこまで武器が使えるのかの基準が明確でなく、現場で急な判断を迫られる部隊の負担が大きい
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新しい法律で権限を与えてから派遣すべき
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↑引用ここまで

同番組では、赤星慶治 海上幕僚長の以下の発言も紹介しています。
↓ここから引用
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海上自衛隊の発足以来、海賊というものに対しての議論・検討・あるいは教育というものは、ほとんどやっておりません。
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したがいまして、どういう状況になるのかということにつきましては、ほとんど想像がつかないのが現時点での状況です。
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↑引用ここまで

実際に、現行法のままで派遣(派兵)し、「海賊」と対峙した時には、どうなるのでしょう?

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090129/plc0901290102002-n1.htm
↓ここから引用
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海自艦は現行の海警行動で派遣されるため、武器使用基準は現行法の枠内となる。警察官職務執行法7条に基づき正当防衛と緊急避難の場合に限られ、海賊側が撃ってくるまで危害射撃は不能だ。
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海賊はロケット砲などで重武装しており、最初の一撃で海自側に甚大な被害が出ることも予想される。逆に海賊が発砲しなければ、民間船舶に海賊が乗り移るのを待つという事態にもなりかねない。
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↑引用ここまで

装備やオペレーションの面からの不安もあるようです。
自衛隊の準機関紙とも言われている『朝雲』でも、問題点が指摘されています。
http://www.asagumo-news.com/news/200901/090122/09012204.html

自衛隊の内部からも懸念の声が強い今回の派遣(派兵)。これを決めた政治家の人達の意識はどうなんでしょうか?

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090117k0000m010113000c.html
↓ここから引用
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「とにかく護衛艦を出せばいい。難しいことを考える必要はない」。海賊対策を検討する与党プロジェクトチーム(PT)のある議員は、派遣に前のめりな姿勢を隠さなかった。9日始まったPTは、海上警備行動発令に慎重な浜田靖一防衛相らを与党側から説得する色合いが強く、結論は当初から「派遣ありき」だった。
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↑引用ここまで

こんなやり方で海外に行かされる自衛隊の人達が気の毒です。

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【訂正】
『朝雲』を『朝霧』と書き間違えていましたので訂正しました。
ご指摘くださった方に感謝します。

【追記】
政府が「海賊対策」を急いだ理由について、以下に書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113517003.html
ラベル:自衛隊 海賊
posted by あつこば at 12:41| Comment(0) | TrackBack(1) | 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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海賊対策のため、ソマリア沖へ海上自衛隊を派遣
Excerpt: 政府は、ソマリア沖などでの海賊対策のため『海上自衛隊』の護衛艦2隻を海上警備行動
Weblog: 本質
Tracked: 2009-01-29 21:20