2009年02月17日

辺野古とグアムの基地建設について約束する異常な日米協定

クリントン国務長官が日本にやってきました。

明治神宮を訪れた時、「なぜ最初の訪問国に日本を?」という質問に対して、「日本はとても重要な国だからです。世界でもっとも重要な関係にあります」と答えていました。
(NHKの昼ニュース)

たしかにアメリカにとって日本は重要でしょう。
軍事アナリスト 小川和久さんの『日本の防衛力』によると日本は「アメリカが世界のリーダーであり続けるために必要不可欠な戦略的根拠地」だそうです。
日本には米軍基地が133ヶ所もあります。それだけではありません。前述の『日本の防衛力』によると、在日米軍基地は、
■米軍が日本に置いている燃料
■ミサイルや爆弾を貯蔵する弾薬庫
■アメリカの外交や軍事を支える情報機能
という点からも、アメリカの世界戦略上無くてはならないものだそうです。
以下のようにも書かれています。
↓ここから引用
--------------
日本に代わって戦略的根拠地を提供できる同盟国は世界中どこにもないからです。
万一、日本が「日米安保解消」という最悪の方向に向かい、日本から出ていかざるをえなくなったら、アメリカは世界のリーダーの地位から滑り落ちるかもしれない。
それほどまでに日米同盟は重いのです。
--------------
↑引用ここまで
(『日本の防衛力』P123より)

henoko_kusatsu.jpg

そんなアメリカが軍事的に非常に重要視しているのが、沖縄 辺野古(へのこ)での米軍基地建設計画です。
サンゴ礁の拡がる海に基地を造るなどという計画に対して反対の声が強く、2014年に完成するという計画は遅れそうです。

さらには民主党の中から、計画に反対する意見が出てきています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/113187935.html

こうした背景を踏まえ、来日したクリントン国務大臣は新しい日米協定を結ぶことにしてサインしました。

この協定では辺野古での基地建設について以下のように書かれています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/shomei_43.pdf
↓ここから引用
--------------
日本国政府は、アメリカ合衆国政府との緊密な協力により、ロードマップに記載された普天間飛行場の代替施設を完成する意図を有する。
--------------
↑引用ここまで

「普天間飛行場の代替施設」というのが辺野古で造られようとしている米軍基地です。
http://atsukoba.seesaa.net/article/67855417.html

民主党がこの計画に反対しそうなので、アメリカは仮に民主党が政権を取っても基地を造らせることができるように、自民党に政権があるうちに協定を結ぶことにしたのです。

clinton-naka02.jpg

ところで、この協定は「在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定」とされています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/21/2/1188021_1092.html

辺野古での基地建設を日本政府に確実にやらせたいという思惑が見えるものの、表向きは沖縄のアメリカ軍海兵隊の一部をグアムに移転する件に関する協定となっています。

これは、沖縄で凶悪犯罪などを犯す海兵隊を移転させることで、沖縄の負担を軽減しようという名目で行なわれるものです。前述の辺野古での米軍基地建設も、海兵隊のグアム移転も「沖縄の負担軽減のために」やるのだから、日本の税金のなかからお金を出すことになっています。
しかし、実はアメリカの本音は「沖縄の負担軽減」という名目とは別のところにあるようです。

この協定にも、
↓ここから引用
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グアムが合衆国海兵隊部隊の前方での駐留のために重要であって
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↑引用ここまで
と書かれています。つまりアメリカ側から見て世界中に「前方展開」するための拠点だからグアムの基地を強化するのが重要なのですね。

さらには、こんな本音も出ています。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009012800139
↓ここから引用
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ゲーツ米国防長官は27日の上院軍事委員会で、中国の脅威に対処するためにも、在沖縄米軍再編を達成しなければならないとの考えを示した。
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中国が軍事力を増大させる中で、在沖米海兵隊8000人をグアムに移転することで、有事の際に中国の弾道ミサイルや戦闘機による攻撃の被害を最小限にすることや、グアムの基地機能強化により、中国の脅威に対処するとの見解を示したものとみられる。
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↑引用ここまで

つまり、将来的に中国との対立が深まり、万が一、中国から在日米軍基地に対してミサイルを撃たれたとしても、グアムに移転しておけばミサイルは届かない、というわけです。

日本は、沖縄の海兵隊が移転するのだからという理由で、多額の費用負担を約束させられました。
ところが、その費用は海兵隊の基地ではなく、アメリカの海軍や空軍の基地を増強するために使われることがわかりました。

andersen.jpg
(DVD『基地はいらない、どこにも』で使用させていただいた「joeのスタジオ日記」からの画像)

http://www.asahi.com/politics/update/0216/TKY200902150152.html
↓ここから引用
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米軍再編で日米合意された沖縄の米海兵隊のグアム移転を巡り、09年度の政府予算案に計上された日本側の経費負担346億円のうち202億円が、グアム島の米海・空軍の施設の基盤整備にあてられることが分かった。
--中略--------
政府は09年度予算案で、グアム移転の日本側の経費負担として346億円を計上している。このうち174億円がグアムの海軍基地内にあるアプラ港の基盤整備事業に、28億円は同島のアンダーセン空軍基地の土地造成や上下水道管の埋設などの基盤整備事業にあてられることが、防衛省への取材で判明した。
--中略--------
米軍の世界戦略の中で、グアムには、米本土などから陸・海・空・海兵隊の様々な戦力が移転する計画がある。沖縄の海兵隊移転は一部に過ぎず、「どの部分が沖縄から移る部隊の施設、インフラなのかは厳密には区別できない」との指摘もある。
--------------
↑引用ここまで

さまざまな問題点を抱える今回の日米協定は、国会での承認が必要になります。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-140762-storytopic-3.html
↓ここから引用
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国会審議では、普天間飛行場の県外・国外移転を政策に掲げる民主党の対応が注目されている。自民党内からはすでに「本国会の最大の対決法案」との声が上がり、今後、協定の内容をめぐって国会で激しい議論が交わされそうだ。
--------------
↑引用ここまで
posted by あつこば at 18:03| Comment(0) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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