(画像は左側が宜野湾市のサイトより普天間基地。右側が防衛白書より辺野古の海)
この件に関して、鳩山首相が辺野古に「代替施設」を造るのではなく「新しい場所を探してほしい」と言ったとされ、大きく報道されました。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00167730.html
によると、
↓ここから引用
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鳩山首相は3日、首相官邸で岡田外相、北沢防衛相と会った際、外務省と防衛省で「新しい場所を探してください」と述べ、辺野古以外の移設先を検討するよう指示していたこともFNNの取材で明らかになった。
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↑引用ここまで
とされています。
危険な基地を他のどの場所に持っていくのかというと、
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091204-OYT1T00058.htm
↓ここから引用
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複数の関係者によると、首相の念頭にあるのは、米領グアムだという。
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↑引用ここまで
つまり、今の案のように沖縄の中でたらい回しをするのではなく、かといって本土の別の場所に負担を押し付けるわけでもなく、アメリカ領のグアム島を候補地にするということです。
(グアムでも基地の強化に反対している人達はいますが。)
ではなぜグアムなのでしょう?
実はその鍵は、普天間基地を抱える宜野湾市の伊波市長が11月26日に鳩山首相に渡した資料にありました。
ほぼ同じ内容が宜野湾市のサイトにあります。
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/2556/2581/2582/37840/37844.html
記者会見でプレゼンテーションした際の資料。(pdfファイルなので少し重いです。)
http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/091126_mayor_1.pdf
ごく簡単に説明します。この資料は、米海軍のグアム統合計画室(JGPO)が11月20日に公開した「環境影響評価書」が元になっています。
基地を造るなど大規模な工事をするためには、環境への影響がどの程度あるのかをあらかじめ検討する必要があります。この「環境影響評価書」には基地の実際の計画が細かく書かれています。
日米両政府による2006年の合意では、沖縄の米軍海兵隊の司令部がグアムに移転することになっていました。しかし、この「環境影響評価書」によると司令部だけでなく普天間基地のヘリコプター部隊などもグアムに移転することになっているというのです。
そしてそれは日本側には明らかにされてきませんでしたが、今回、伊波市長がアメリカでの「環境影響評価書」を調べて確認できました。
(画像は前述のプレゼンテーション資料より)
つまり、米軍の計画通りだとすると、普天間基地のヘリコプター部隊はグアムに移転するのですから、辺野古に基地を造る必要も、日本のどこかに基地を造る必要も無いのです。
それなのにアメリカ側は日米間の交渉でヘリコプター部隊がグアムに移転することを隠したままで「辺野古に基地を造れ!」と言い続けてきた疑いがあるわけです。
この件は充分に報道されているとはいえません。まだまだ知らない人が多いです。
『週刊朝日』が記事にしていて以下で読むことができます。
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20091202-02/1.htm
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20091202-02/4.htm
4日に行なわれた日米の作業部会では、「与党内で浮上している米グアム島などへの移設案は話題に上らなかった」そうです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091204/plc0912041948015-n1.htm
北澤防衛大臣は近々グアムに行くそうです。
http://www.mod.go.jp/j/kisha/2009/12/04.html
この問題は今後も要注目です。
【12月9日追記】
外務省によると、岡田外務大臣は5日の記者会見で以下のように話したとされています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_okada/okinawa0912_ga.html
↓ここから引用
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伊波宜野湾市長は、沖縄の海兵隊の殆どがグアムに行くと米国のグアム環境アセス文書に書いてあると述べていたが、自分の理解は8000人は行くが半分以上は残る。ヘリも、グアムに来るものがすべて沖縄から行くとは限らない。但し、市長のご発言であるから、どちらの読み方がより現実に近いか検証する。
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↑引用ここまで
インドネシア、マレーシアがイスラム原理主義国家になる危険性を予防するのも日本の国益だ。
多くの識者が同様の事実を記事として上げて下さっていて、ありがたいです。
そういえば最近、田中宇氏も取り上げましたね。
http://www.tanakanews.com/091210okinawa.htm
TVを見ていないのでわかりませんが、どうやらメディアは沈黙を守っているようですが、不思議ですね。
アメリカがネイティブピープルの土地を奪ったというようなことをいうのは、近代的な国家を全て否定する論理で、アナーキーでしょう。ロシアだってシベリア、極東の諸民族の土地を奪った侵略国家という論議、北海道はアイヌに返還すべきだという議論をする意味はあるのか?
侵略は大きな近代国家では全てやっている。また外国に侵略するばかりでなく、国内で内戦や弾圧も自国民に向けての帝国主義と考えれば、全ての大国は侵略国家だ。文革期の膨大な犠牲も、内戦や国内虐殺と考えれば中国政権の暴力主義的性格を表している。だが、だからどうなのか。中国は悪の帝国だなどいう規定は愚かしい。
「彼らの理想」といっても、ネオコンなどが主張する「アメリカの使命」が、アメリカの本質だという主張は、世界を共産化するのがソ連、中国の究極目的だという冷戦期の思考のちょうど裏返し。
少なくとも現在のアメリカは、かつての植民地帝国のような領土併合や属国化を目指していない。
しかもアメリカの新聞に「アフガン反戦」の広告を載せることは可能。中国の新聞や戦前の日本の新聞に、その政策に反対する広告を載せることは不可能でしょう。