2009年12月12日

鳩山首相はブレているか?

鳩山首相が、辺野古(へのこ)での米軍基地建設計画(いわゆる普天間移設)について、日米合意のまま進める状況ではないと発言しました。

昨日の発言をNHKのニュースから正確に起こしました。
↓ここから引用
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「日米合意をそのまま”YES”ということで済ますことができればそれは簡単ですよ。現在、そのような状況ではないことはおわかりのとおりであって、だからこそ、今日本の新しい政権として、どういう道があるか、それを模索している。沖縄県民の皆さん方のお気持ちも理解していくなかで、アメリカにも理解してもらえるような、そういう道筋というものを考えていきたいと」
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↑引用ここまで

「そのような状況ではないことはおわかりのとおりであって」
「どういう道があるか、それを模索している」
「アメリカにも理解してもらえるような、そういう道筋というものを考えていきたい」

という表現は、まだ「断言」「明言」とまでは言えない発言ですが、現在の「キャンプシュワブ沿岸のV字滑走路案」では進められないという方向性は示したと言えます。

辺野古テント村 辺野古テント村

鳩山首相の発言はブレているという批判が見られます。
しかし、実際には、マスコミが鳩山首相や閣僚の一言一言に過剰反応して大きく取り上げすぎるから「ブレ」のように感じてしまうという側面もあります。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091211k0000m010095000c.html
↓ここから引用
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首相周辺は「首相は一貫している。幅を持たせて発言するから質問に応じニュアンスが変わる」と解説する。
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↑引用ここまで

たとえば、鳩山首相は野党時代の2004年10月13日には衆議院本会議で以下の発言などを読むと、基本的な考え方はわりと一貫しているとも言えます。

↓ここから引用
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私は以前から、独立国に外国の軍隊が駐留し続けることは世界の常識ではないことを再認識した上で、例えば普天間基地の国外移転を実現するとともに、海兵隊を沖縄からハワイ、グアムなどに移し、緊急派遣の際には我が国が何がしかの費用を負担するなどの方策を模索すべきであると主張してまいりました。
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↑引用ここまで

主権国家なのですから、外国の軍隊が駐留していること自体がおかしいわけです。
さらに日本の場合は、もともと戦争に負けた後に駐留していた占領軍が継続して在日米軍になって居座っているのです。

先日惜しくも無くなった軍事評論家の江畑謙介さんも、外国の軍隊が駐留することに関して以下のように書かれています。
↓ここから引用
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基本的には、どんな国でも国内に外国軍隊とその基地があるのは好ましくない。必ず何らかのトラブルの元になるからである。
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↑引用ここまで
『米軍再編』(P375)より

辺野古での米軍基地建設計画に話を戻します。
防衛省のスポークスマンのような発言が目立っていた北澤防衛大臣ですらも、キャンプシュワブ沿岸を埋め立てる現在の案については否定的な発言をしだしました。

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-12-12-M_1-001-1_003.html
↓ここから引用
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北沢俊美防衛相は11日、TBSのインタビューで、日米が合意している名護市辺野古沿岸部埋め立てによる米軍普天間飛行場移設について「私はあまり賛成はしていない。沖縄の皆さんの思いを考えると、新たにあそこへ埋め立てて滑走路を造ることは合意が得られないのではないか」との見解を示した。
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政府内では、埋め立て工事への反発が根強いとして、キャンプ・シュワブ陸上部分にヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を造り、普天間のヘリ機能を移す案が検討されている。
--中略--------
北沢氏は今年10月8日、社民党議員から辺野古移設を断念するよう要請を受けた際、「普天間を返還させて、辺野古に造らせないというのが基本だ」と述べ、埋め立てに否定的とも取れる発言をしていた。
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↑引用ここまで

上記の記事で「政府内で検討している案」とされているのは、沖縄タイムスが8日に報道したものです。(他社での報道は見つけていませんし、以下の案が本当に有力なのかどうかはわかりません。)

http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-12-08-M_1-001-1_002.html
↓ここから引用
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政府が、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ施設内の陸上部分にヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を造り、同飛行場のヘリ部隊を移転させ、嘉手納基地と関西国際空港(関空)に同飛行場の固定翼機の訓練をそれぞれ移すなど、普天間の機能の分散移転を検討していることが7日分かった。
--中略--------
一方、沖縄の基地負担軽減策については、嘉手納基地所属のF15戦闘機や外来機の一部訓練を関空で行うことを検討。
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同基地のF15部隊の一部が米軍三沢基地(青森県)に移転する可能性も併せて、与党関係者は「普天間の機能移転とは別に嘉手納の負担を先行して減らすことを考えている」と述べた。
--中略--------
沖縄の負担軽減をめぐり、グアムにある米軍施設に嘉手納基地の一部機能を移す可能性を模索する動きが日本側にある。
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↑引用ここまで

つまり、これまでに出てきている案を複合させた解決策のようです。

キャンプシュワブの陸上にヘリパッドを造るという案は、日米両政府が辺野古沖案をあきらめて沿岸案に変える時に出たさまざまな案の中にもありました。

キャンプシュワブも地域としては「辺野古」ですから、辺野古じゃなくなるわけではありません。

埋め立てるわけではありませんので、現在の「キャンプシュワブ沿岸V字滑走路案」に比べると、ジュゴンやサンゴ礁をはじめとした環境が比較的守れるという観点ではマシかもしれませんが、陸上にヘリパッドを造ると周辺地域への事故の危険性や騒音が増える可能性があります。

そして、海外に対する殴り込み部隊として海兵隊が沖縄で訓練をして出撃していくという構図は変わりません。

ですので、「キャンプシュワブ陸上ヘリパッド案」についても、「キャンプシュワブ沿岸V字滑走路案」よりはマシかもしれませんが、簡単に容認してよいものではありませんね。

iraq+logo.jpg
(DVD『基地はいらない、どこにも』より)

今後、与党内の話し合いでどうなるのか、アメリカの反応がどうなのか、まだまだわかりません。検討するには時間もかなりかかるでしょう。

鳩山首相は、
「独立国に外国の軍隊が駐留し続けることは世界の常識ではない」
「海兵隊を沖縄からハワイ、グアムなどに移し」
という当時の主張を、ぜひ現実のものにしていただきたいです。

(本当はグアムにも基地はいらないと思うのですが……)
posted by あつこば at 12:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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