2010年02月14日

テニアン島とは?

いわゆる「普天間移設」について、政府・与党3党でつくる「沖縄基地問題検討委員会」が11日にグアムを視察しました。

そして、その前の日の10日に社民党の阿部知子政審会長、服部良一衆院議員、国民新党の下地幹郎政調会長の3人が「独自調査」としてサイパンを訪れて、サイパン島、テニアン島などからなる米自治領・北マリアナ連邦のベニグノ・フィティアル知事と会談しました。

詳細は以下の琉球新報の記事で読めます。
(サイパン島、テニアン島についての解説や地図もあります。)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-157310-storytopic-53.html
↓ここから引用
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フィティアル知事は「外交、防衛問題は、米連邦政府と協議する必要がある」と日米両政府での交渉が基本との姿勢を示した上で「サイパン、テニアンにとって利益になることであれば、普天間飛行場の受け入れは歓迎する」と述べ、訓練の一部だけでなく、普天間飛行場そのものの移転受け入れも検討する可能性を示唆した。
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知事は受け入れる条件として、インフラ整備や環境、地域住民への影響などを配慮することを挙げた。
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↑引用ここまで

まず、私個人の意見を書いておきますと、テニアン島であっても基地強化には反対です。
上記の記事によるとテニアン島には「先住民(チャモロなど)を中心に、フィリピン人や中国人など」が暮らしているそうです。

Wikipediaをざっと見ただけでも、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%83%B3%E5%B3%B6
↓ここから引用
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テニアン島は、かつて先住民族のチャモロ人が自給自足の平和な暮らしを送っていた。
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↑引用ここまで

ところが、西洋人が「発見」し(もともと島があって人が暮らしていたのですから「発見」という発想自体が侵略者である西洋人の発想です)、支配するようになったのです。

私は2006年に『基地はいらない、どこにも』というDVDを創る際にグアム島に住むチャモロ人のデビー・キナタさんにインタビューしましたが、
「グアムはアメリカの植民地だということを忘れないでください」
と言ってました。

chamorro.jpg
http://www.ndn-news.co.jp/shop/pickup/kichidoko.html

もちろん、チャモロの人のなかにも、お金のために基地を誘致したいと思っている人はいるかもしれません。もともと住んでいた人達の権利を剥奪しておいて、基地を押し付け、お金で黙らせようという構造は沖縄と同じです。
立場の弱い人や、反対の声が少ないところに、基地を押し付けてはいけません。
そもそも人殺しの訓練をする基地など、どこにもいらないのです。

さて、上記の記事を読むと、北マリアナ連邦の知事は
「米連邦政府と協議する必要がある」
「利益になることであれば歓迎する」
と言っただけなのですが、突然、新たな候補地が浮上してきたために報道がちょっと加熱しました。

http://www.shikoku-np.co.jp/national/political/article.aspx?id=20100210000256
↓ここから引用
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沖縄基地問題検討委員会の阿部知子社民党政審会長、下地幹郎国民新党政調会長らは10日午後(日本時間同)、米自治領・北マリアナ諸島のフィティアル知事とサイパンで会談した。
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知事はサイパンと同諸島テニアンを念頭に、普天間飛行場の機能や米海兵隊受け入れに前向きな考えを示した。
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フィティアル知事は会談後、報道陣に対し、同諸島への普天間機能移転を「歓迎する」と表明。
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現行の米軍再編計画では海兵隊の訓練地となるテニアンのデラクルス市長も、普天間飛行場について「移設先になり得る」と受け入れに前向きな姿勢を示している。
--中略--------
米政府は難色を示す可能性が大きい。
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フィティアル知事は、米自治領である北マリアナ諸島は、防衛・外交に関して米国の意向を無視できないとしながらも、米国が認めるなら普天間機能移転を受け入れたいと表明。「雇用や土地の賃借といった経済的恩恵がもたらされる」と語った。米国にも受け入れについて打診するという。
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↑引用ここまで

一方、「沖縄基地問題検討委員会」としての一行は、10日の夜にグアムに入り、グアムのカマチョ知事と会談、そこでも北マリアナ諸島のフィティアル知事が同席していたそうです。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&rel=j7&k=2010021100308&j1
↓ここから引用
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政府・与党の沖縄基地問題検討委員会のメンバーは11日、米領グアムのカマチョ知事と知事公舎で会談した。
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カマチョ知事は、社民党が主張する米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)のグアム移設案について「(沖縄の海兵隊8000人がグアムに移駐する)現行計画を超えた兵力の移転は受け入れ難い」と述べ、受け入れは困難との考えを示した。
--中略--------
カマチョ知事は「(新たな負担は)われわれの許容量を超えてしまう。グアムは小さな島であり、限られた規模の経済しかない。土地にも限界がある」と強調した。
--------------
同席した米自治領北マリアナ諸島のフィティアル知事は、サイパン、テニアン両島などへの普天間移設受け入れに改めて前向きな姿勢を示した。
--中略--------
会談後、阿部氏は記者団に「(日米両政府が)もっと住民の声を聞き、必要なインフラを整えれば、まだ可能性はある。17日にはグアムのインフラ整備を含めて提案したい」と述べ、グアム移設案は取り下げない考えを示した。
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↑引用ここまで

グアム移設案は難しそうですが、社民党としては「国内移転」とは言えないのでしょうね。
しかし、テニアン島も候補にするのは難しそうです。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010021302000108.html
↓ここから引用
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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、社民、国民新両党が米自治領・北マリアナ諸島のテニアンへの移設を模索している。
--中略--------
テニアンが移設先の候補に浮上したのは、十日に両党幹部が北マリアナ諸島のサイパンを訪問した際、同諸島のフィティアル知事が飛行場機能のテニアン島への受け入れに前向きな姿勢を示したのがきっかけ。
--中略--------
テニアン島は原爆を投下した爆撃機の出撃地として知られ、現行の米軍再編計画で海兵隊の訓練予定地にもなっている。
--中略--------
社民党は普天間飛行場の移設先として米領グアムを提示しているが、グアムのカマチョ知事は十一日、視察に訪れた検討委メンバーに「受け入れがたい」と難色を示した。テニアン案は、国外移設を訴える社民党にとってグアム案がつぶれたときの代替案の候補となりつつある。
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しかし、平野博文官房長官は十二日の記者会見で「突然、それが検討案だと言われても分かりかねる」と疑問を示した。テニアン島は沖縄から二千キロ以上離れているため、北沢俊美防衛相は「本当に抑止力が維持できるか」と懸念を示し、政府筋も「移設に十年はかかる」と言い切る。
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↑引用ここまで

テニアン島については民主党内からも否定的な発言が続きました。

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-02-13_3237
↓ここから引用
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平野博文官房長官は12日の会見で、米軍普天間飛行場移設をめぐり、米自治領・北マリアナ諸島のフィティアル知事が受け入れに前向きな姿勢を示したことについて「突然降ってわいた話。(政府・与党の)検討委員会の議論の土俵に乗せていない」と述べ、移設候補地の選択肢として否定的な認識を示した。
--中略--------
北沢俊美防衛相は同日の閣議後会見で「5月中に解決するという首相の強い意向がある中、テニアンも含めて新しい問題が出てくるのは難しい」と述べた。
--中略--------
岡田克也外相は同日の会見で「良い悪いはコメントしない」とした上で、「(北マリアナ諸島の)知事は米政府のバックアップがあれば、と言った。自ら全面的に受け入れる趣旨ではないのではないか」との認識を示した。
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鳩山由紀夫首相は衆院予算委員会で、在沖米海兵隊のグアム移転に関して、地元側からインフラ面の懸念が指摘されたことについて「インフラ整備の必要性は頭にインプットした」と述べ、移転をスムーズに進めるために日本側の対応を検討するとした。下地幹郎氏(国民新)に答えた。
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↑引用ここまで

最後の鳩山首相の発言を読むと、グアムでインフラ整備をするための費用を日本が負担して、お金で解決するというのが落としどころになるのかもしれません。
しかし、そもそも普天間基地は殴り込み部隊の基地ですから日本にもどこにも必要がない基地です。

政府与党の今後の動きですが、17日には社民党と国民新党が「移設候補地」を提案するそうです。
しかし、民主党からはこの時点では具体的な案は出さないそうです!

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-157242-storytopic-1.html
↓ここから引用
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社民、国民新は移設候補地を提案する方針を明らかにしているが、民主党案に関しては提出されない方向だ。社民はグアムを有力な候補に挙げている。
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滝野欣弥官房副長官はこの日の検討委終了後「民主党案は官房長官預かりになっている。官房長官から案を出すということは今のところ想定していない」と述べた。
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↑引用ここまで

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100213k0000m010150000c.html
↓ここから引用
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政府は12日、政府・与党で構成する「沖縄基地問題検討委員会」(委員長=平野博文官房長官)で社民、国民新両党から移設候補地の提案を受けた後、政府内部で候補地を絞り込む方針で調整に入った。
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検討委は社国両党が17日に提案を示した後、月内にも終える方向だが、両党が検討プロセスから外れることになるため、反発も予想される。
--中略--------
政府は両党の提案内容を聴取後、実現可能性などの観点から両党案以外の選択肢も加えながら候補地を絞り込み、党首級閣僚で構成する基本政策閣僚委員会に報告する。
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検討委は当初、3月末までに候補地をまとめる方針だったが、各党の立場が異なることを考慮し、政府内部で絞り込むことにした。
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↑引用ここまで

このまま与党三党の意見が対立し紛糾すると結論がでません。
そこで、社民党と国民新党はカヤの外に置いて民主党の閣僚だけで決めてしまおうと思っているようです。
そうなった場合、社民党・国民新党としては、「検討プロセスから外された」と、たとえポーズでも怒ってみせておけば、海外移転の案を出したということでメンツは保てます。

結果的に民主党が、国内のどこかの案で強引に決めるということになるのでしょうか?

これまで「移設候補地」として取りざたされたさまざまな場所は、辺野古(へのこ)での案に比べればマシだとは思います。
しかし、だからと言って、どこかの「候補地」に移設すればよいということではありません。

つまり、

■辺野古は絶対にダメ

■沖縄の他の場所もダメ

■ヤマト(本土)でもダメ

■グアムでもダメ

■どこでもダメ

なのです。


P.S.
この文章を書き終わったら、社民党の中で「期限付き九州北部案」というのが出てきているという報道が、本日午後にされていることに気が付きました。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010021400108
しばらく迷走は続きそうです。

※以下もお読みいただけると幸いです。
「普天間移設」は、どこかが受け入れるべきなのか?
http://atsukoba.seesaa.net/article/137472130.html


posted by あつこば at 18:36| Comment(1) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ついこの前まで非武装中立とか真顔で言っていた社民党には安全保障について一切の知見はないと考えるべきでしょう。大体、5〜10年の期限付き基地を九州北部に作るなんて、いずれ移動させる基地に税金を投入する意味が全くないし、5〜10年後の極東の安全保障環境がどうなるか、なんて社民党の間抜け共には想像すらできない。

在沖海兵隊が日本有事の際に侵略国に対する強力なカウンターパンチとなることを考えれば、緊急展開が可能なF/A-18やKC-130以外は少なくとも沖縄か日本本土に置くべきでしょう。

全ては安全保障戦略の元に決定されるべきであり、ジュゴンがカワイイとかいう戯言や、沖縄の海が綺麗とかいう情緒的な感情は、その後で少しばかり考慮すればいい。

サヨクの政策とやらは、全てが物笑いの種、壮大なネタとしか言いようがない。「首相は自分をハトだと思っているようだが、アメリカから見ればチキン、中国から見ればカモ、EUから見ればアホウドリ」
Posted by at 2010年02月14日 20:53
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