2010年07月11日

沖縄に司令部を残し日本の費用負担はさらに増額要求

忙しくて紹介するのが遅くなりましたが、7月2日の報道で、沖縄から移転する予定の海兵隊の編成をアメリカ側が変更すると伝えてきたことがわかりました。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100702-OYT1T00744.htm
↓ここから引用
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沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転について、米側が移転部隊の構成を見直す、と日本政府に伝えてきたことが1日、わかった。
--中略--------
グアムに移転予定だった司令部の一部を沖縄に残し、同規模の戦闘部隊を代わりにグアムに移す内容で、不透明さを増している朝鮮半島情勢や中国の動向への即応性を高める狙いがある。
--中略--------
司令部機能すべてをグアムに移転すると、将官級が沖縄にいなくなり、運用に支障が生じる恐れがあるとの見方が米政府内で強まったという。
--中略--------
米側が今回まとめた見直しの素案の柱は、ヘリコプター部隊などを指揮する「第1海兵航空団司令部」を沖縄に残すというものだ。その代わり、同規模の歩兵部隊をグアムに移転する。
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この歩兵部隊は、海兵隊が海外展開する際に組織される「海兵空陸任務部隊(MAGTF)」には含まれない部隊だという。
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米側は、戦闘部隊が移転すれば沖縄での訓練が減るほか、事件や事故の可能性も減るとし、地元の負担軽減につながるとしている。
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戦闘部隊の具体的な移転規模は現時点で不明だが、米海軍が昨年11月に公表したグアムの基地建設に関する環境影響評価書によると、第1海兵航空団司令部関連の移転人数は1856人と見積もられており、ほぼ同規模の戦闘部隊が移る可能性がある。
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詳細は、米国防総省が今年末をめどにまとめる「在外米軍の配置見直し」で決定される。
--中略--------
今年5月末の日米共同声明は、海兵隊のグアム移転に関連し、「米側は、地元の懸念に配慮しつつ、抑止力を含む地域の安全保障全般の文脈において、沖縄に残る海兵隊要員の部隊構成を検討する」として見直しを示唆していた。
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↑引用ここまで

今回、残すことになった「第1海兵航空団司令部」は、普天間基地のヘリ部隊などの司令部です。

日米合意を一方的に変更し司令部を残すということは、その配下にある普天間基地のヘリ部隊を沖縄に置いておくというアメリカ側の意志を示したのかもしれません。

アメリカ側は米軍再編での日米合意を勝手に変更しています。
ちなみに神奈川県、キャンプ座間への米陸軍第一軍団の移転も頓挫したと言われています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2009120902000087.html

グアム島空撮 防衛省『わが国の防衛と予算』より
画像は防衛省『わが国の防衛と予算』よりグアム島の空撮

沖縄にいる海兵隊の人数は、そもそも日本側はきちんと把握できていません。
http://atsukoba.seesaa.net/article/18114150.html

そのうえで、どの部隊が移転をするのかについて、日本側は蚊帳の外でアメリカ側の都合だけで変更しようとしています。

そのうえさらに、日本が負担するグアムでの基地関連費用の額を増やせという要求が来ました。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100704/plc1007040022000-n1.htm
↓ここから引用
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ゲーツ米国防長官が在沖縄米海兵隊のグアム移転に関し、日本政府に対し日本側経費負担の増額を要望する書簡を先月中旬に送ってきたことが3日分かった。
--中略--------
海兵隊の司令部要員を中心に約8千人と家族約9千人が26年までにグアムに移転する。移転経費は総額102億7千万ドル(約9千億円)のうち日本側は融資32億9千万ドルと財政支出28億ドルの計60億9千万ドル、米側は約41億8千万ドルを分担する。
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↑引用ここまで

そもそもアメリカの領土であるグアムでの基地関連費用を、なんで日本が負担しなければならないかというと、日本政府が決まり文句にしている「沖縄の負担軽減」のためだからという理屈です。

しかし……

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201007040095.html
↓ここから引用
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海兵隊グアム移転の日米協定は、その経費を日本側も提供すると明記。
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だが米側はグアムをアジア太平洋地域の軍事拠点として拡充しており、移転と無関係のインフラ整備に日本の資金が転用される懸念が付きまとう。
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日本政府内には移転経費と一線を画すため日米協定とは別枠で、国際協力銀行(JBIC)を通じてグアム開発全般への融資を模索する動きも浮上。
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しかし、これが具体化すれば、海兵隊移転に端を発した資金協力が野放図になりかねない。
--中略--------
2006年の日米合意は在沖縄海兵隊のグアム移転とそのための資金協力、普天間の沖縄県名護市への移設をワンセットと規定している。
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普天間移設が現実化しない限り、海兵隊グアム移転には応じないとの趣旨だ。
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しかし米側は在沖縄海兵隊だけでなく、各地の米軍をグアムに集約する計画で、普天間移設のめどが立たない現状でもグアムのインフラ整備を進めている。
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↑引用ここまで

2005年の10月に米軍再編のいわゆる中間報告「日米同盟:未来のための変革と再編」が出た時から指摘していましたが、日米合意では辺野古での基地建設が終わる前に日本がグアムでの基地関連費用を出す手順になっています。
つまり、グアムでの基地関連費用をタダ取りされる可能性があるわけです。

日米間で交渉をすればするほど、月日がたてばたつほど、日本側の負担は増えていきます。

posted by あつこば at 18:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
つまり「日米合意」には重いものがあるけど、アメリカは日米合意の内容で決まったことを、自分都合でころころ変更するということですね。

 でも、「普天間移設」の遅れは、実は日本政府の罠なのだというネタを前に書きました。
Posted by kuroneko at 2010年07月11日 20:41
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