http://peacemusic.ti-da.net/
去年は、普天間基地がある宜野湾市で行われた『Peace Music Festa!'09 from 宜野湾』を取材し、一部の映像と関係者へのインタビューをDVD『どうするアンポ』に収録させてもらった。
DVDに収録できなかった映像もたくさんあるので、せめてこのブログで紹介しようと思っていたが、滞っているうちに1年たってしまった。去年紹介した記事は以下。
http://atsukoba.seesaa.net/article/129938420.html
http://atsukoba.seesaa.net/article/129565326.html
今年は辺野古ビーチで行われる。米軍のキャンプ・シュワブが見えるあの場所だ。

『どうするアンポ』や『基地はいらない、どこにも』の中でも紹介したが、あそこから見えるキャンプ・シュワブからもイラクのファルージャなどに兵士が派遣されている。平和を願うリボンが結ばれている有刺鉄線のすぐ向こう側がイラクにつながっている。
Peace Misic Festa!は、ソウル・フラワー・ユニオンの伊丹英子とDUTY FREE SHOPP.の知花竜海が中心になって毎年行っているイベントだ。
昨年は、沖縄のミュージシャンはもちろん、アイヌ、アイリッシュ、ラテン・ミクスチャーといった、世界のさまざまな音楽がミックスされたイベントだった。ハワイアンも披露された。ハワイは先住民が迫害されたという点でアイヌなどとの共通点を持つ。
ソウル・フラワー・ユニオンも、DUTY FREE SHOPP.も、そうしたさまざまな世界の音楽を取り入れたミクスチャーのバンドだ。そして、そこには抑圧や支配をされてきた弱者の側の視点がある。
昨年、撮影するにあたっては、ソウル・フラワー・ユニオンのレパートリーの中から、「この曲をやるのかな」と事前に予想を立てて、曲のどの部分でズームしようかなどと考えていたのだが、前日のリハーサルでチェックしたら見事に予想は外れた。考えてみたらもう歴史の長いバンドになるので、かなりの曲がある。「平和に生きる権利」といった、かなり渋めの曲もやってくれた。

最後に演奏したのは「満月の夕(ゆうべ)」、阪神大震災の時に避難所や仮設住宅で演奏していた頃に創られた曲だ。この頃から、ソウル・フラワーはライヴハウスやホールではなく、さまざまな現場でも演奏するようになった。「満月の夕」を演奏したのは、そうした活動の集大成といった意味を感じている。
辺野古で米軍基地の建設を止めるために海上阻止行動が行われた時にも、終わった後などにそこにいた人たちで「満月の夕」が歌われることがあったという。
『どうするアンポ』を編集している時に、いろいろ試行錯誤した結局、作品のクライマックスには「満月の夕」を入れることにした。ソウル・フラワーをよく知っている関係者から、これは震災の歌なので安保条約とは関係が無いのでは、といった意見も出たが、「これでいい」と答えた。
大切なのは何かを伝えたいという気持ちで、それがあればテーマは違っても究極的にはつながっていると思う。別に米軍基地や安保条約に反対じゃなくてもいい。歌はそこで歌われることで、共有されるべきものなのだろう。
DVD『どうするアンポ』の収録曲は、こちら。
http://anpo50.seesaa.net/article/167482000.html




