米海兵隊が沖縄からグアムに移転する費用について、24日の報道にもとづいて昨日「59%にあたる60億9000万ドル」と書いたが、きょうの読売新聞のWebサイトでは日本側の負担は57.6%にあたる56億7000万ドル(6294億円)になる、と報道されていた。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060426i201.htm?from=main2
上記の記事を読むと、額賀防衛長官とラムズフェルド米国防長官が会談した際、すでにこの数字も出ていたのだが、日本の負担割合が少しでも多いほうが米議会に説明しやすいという理由で高めの割合での発表になったらしい。
日本側にとっては、59%ならば6割を切っていてなんとなく「値頃感」があるし、さらに一度発表した金額から少し下げる事で「成果」のような印象を与えられるという読みもあったのだろう。
オプションとして、防衛庁や国防族議員などに好意的な記事を書いている読売新聞などに対してこうした情報をもらし、他社に先がけた報道をさせる事で、好意的なマスメディアとの友好関係を深められる、というメリットも想像できる。
■トータルでは3兆円以上?
昨日、グアム移転以外の負担も含めて日本側の米軍再編関連経費は「2兆円以上になりそうだ」と書いだが、「3兆円を越す」という試算があるという記事を、ある人に教えてもらった。
3月12日の日経新聞に掲載されていた記事だ。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060312AT3S1100P11032006.html
59%(あるいは57.6%)という合意がなされる前の記事だが、政府の試算として書かれていて、新聞に掲載されていた記事は上記のWebサイトの記事よりも詳しいので参考になる。
内訳はこうだ。普天間基地を沖縄県内のキャンプシュワブ沿岸に移設するのに1兆円超、このほか、米空母艦載機部隊を厚木基地から岩国基地に移設・普天間基地の空中給油機を鹿屋に移設・嘉手納基地のF15戦闘機の訓練を全国各地の自衛隊基地に移設、などの費用として1兆5000億円かかるというのだ。
これに今回のグアム移転費負担6294億円を加えると、3兆円を超える。
読売新聞の社説http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060424ig90.htmをはじめ、ここ数日の報道では「2兆円」という報道が目立つ。
だが、発表する側の「できるだけ低く報道させたい」という意図が入ってはいないだろうか。「3兆円」のほうが信憑性がある気がする。
しかも、アメリカはなにかあるたびにどんどん財政負担を押しつけてきている。「3兆円」ですむとは限らない。