2006年05月13日

そもそも米軍再編は、なんで始まったの?

壊れたノートパソコンのデータが復旧しました。
新しく買ったパソコンにデータを移す作業が、また面倒くさいです。

それはともかく、きょうは基本的な事を考えてみたいと思います。

そもそも米軍再編は、なんで始まったの?

アメリカが日本に3兆円負担しろと言ったとか、全国各地の基地があるところで「反対」「反対」とえらいさわぎになってるとか、国会でもめていたりとか(まあ国会は共謀罪のほうが激しくもめているみたいですが)、一体こんな事になってしまった米軍再編ってのは、どうして始まったんでしょうか?


本などを読んでみて整理してみました。かなり大雑把だと思いますが……

「冷戦」が終わって大きな「敵」がいなくなった

その反面、地域紛争などが増えた

アメリカの財政赤字が増えて軍事費を削減する必要が出て
クリントン政権の時に予算が削られた

軍事革命(RMA)を公約に掲げたブッシュが当選した

ラムズフェルドが中心になってIT技術を取り込んだTransformation(改革)が始まった

ちょうどその時期に9.11が起きて「新たな脅威」を理由にできた

(リストラされそうになった軍部にとっては、
新たな「脅威」があったほうが都合がいい)

というのが米軍のトランスフォーメーションの背景なのだと思います。

で、そのTransformation(改革)と同時に
Global Posture Review(米軍の再配置)が行われています。

日本で「米軍再編」と言うと「あっちの基地をこっちに移して……」
という話だけのように聞こえますが、
「再編」は、実は大きな軍改革の中のほんの一部の現象なんですね。


で、そのGlobal Posture Review(米軍の再配置)ですが、

2004年6月23日にダグラス・J・ファイス国防次官という人が
議会で「米軍再配置の五原則」のうちのひとつ目として、

「我々は同盟国の役割を拡大し、新しいパートナーシップを築きたい」
と発言しています。

アメリカは徴兵制もやめ、財政状態も厳しいですから、
軍事面・費用面の両方で同盟国にできるだけ負担を押しつけたい
んですね。

という事で、反米意識があまり無くて政治的な安定度も高く
オマケに「思いやり予算」やインフラの整備のされ具合など、
気持よく駐留できる日本の米軍が強化される事になりました。

今回の在日米軍再編で、グアムへの移転費用7100億円を始め、
全体で3兆円とも言われている費用を日本に払わせようとしているのも
その現れです。

そして、自衛隊の役割分担を増やし、
自衛隊ができる事はできるだけ自衛隊にやらせよう、
さらに海外での活動も自衛隊にもっとやらせよう
というのが今回の合意文書を読むとわかりますね。

その反面、冷戦後、大きな「敵」がいなくなったという事もあり、
ドイツでも韓国でも米軍の数は減っています。


と、大雑把に書いてみましたが、いかがでしょう?

「それは違う!」と思う方がいたら、ぜひ、ご意見をくださいね。


P.S.
ちなみにこの文章は、Mixiというコミュニティスペースhttp://mixi.jp/に書いた文章を修正したものです。

posted by あつこば at 18:52| Comment(5) | TrackBack(2) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!
アメリカ側からは「3兆円を日本に負担してもらう。」という発言がありました。
しかし地元振興策など、トータルで見ると日本側の負担は3兆円では済まないとオレは考えています。

以下に参考になる記事を出しておきます。


============================
米軍再編 名護・岩国に別枠振興策 特措法全容

返還後も雇用継続
 在日米軍再編を推進するための特別措置法案の全容が十四日、明らかになった。(1)地域振興(2)基地返還に伴う基地従業員の雇用と跡地利用対策(3)国際協力銀行業務の特例−の三本柱で、地域振興では沖縄県名護市や山口県岩国市を念頭に「特別地域」を指定し、別枠の振興策も設ける。沖縄県の基地返還で、配置転換による従業員の雇用継続も明記する。
 名称は「駐留軍等の再編の円滑化に関する特別措置法案」で、十年間の時限立法。首相が議長を務め、関係閣僚で構成する「再編関連会議」を内閣府に設置することも盛り込む。
 振興策は二段構え。在日米軍再編の最終報告に盛り込まれた再編計画のうち、負担増となる基地を「再編関連特定防衛施設」に指定、周辺市町村に交付金を支出する。現行の「防衛施設周辺の生活環境整備法」で、ジェット機が離着陸する基地などを特定防衛施設に指定する制度を援用し、交付金の使途を産業振興などにも拡大する。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる名護市や、厚木基地(神奈川県)から空母艦載機の移駐する岩国基地など負担増の大きい自治体は、「再編関連特別地域」に追加指定。ここでの交付金は、原子力発電施設を受け入れた自治体に支出する制度をモデルにし、福祉サービスなどにも充当できる手厚い振興策を規定する。
 これらの指定は、首相や、内閣府に置く再編関連会議で調整する。再編計画の実効性を担保するため、自治体の受け入れ表明など計画の進展状況を踏まえて判断する。
 沖縄県では普天間飛行場をはじめ六基地・施設の全部または一部が返還されるが、配置転換による日本人従業員の雇用継続を明記する。
 返還された土地の跡地利用は、自治体の財政負担が生じることに配慮し、自治体などに土地を無償や低価格で譲渡したり、貸し付けたりできる措置を設ける。
 在沖縄米海兵隊のグアム移転では、政府は家族住宅の建設に国際協力銀行を通じた出資や融資を担う。国際協力銀行法は発展途上国への援助を原則としているため、グアム向けの出資などを可能にする特例措置の根拠として、「特別勘定」を設置。出資などを無利子とすることも盛り込む。
 特措法案について、小泉純一郎首相は先月末に今国会提出を見送る方針を示唆した。だが、来年の参院選への影響を懸念する参院自民党が今国会での処理を強く求めていることもあり、首相は今月十一日、「段取りを踏んで考える」と提出に含みを持たせた。
 政府は法案提出の前段として、米軍再編の基本方針を定める閣議決定に向け、十五日にも関係省庁の事務レベル協議を開く。その後、沖縄県などと閣議決定の内容の協議に入る方針だ。
     ◇
≪米軍再編円滑化特別措置法案のポイント≫
 (1)10年間の時限立法
 (2)首相を議長とする再編関連会議を内閣府に設置
 (3)再編関連特定防衛施設を指定し、周辺市町村に交付金を支出
 (4)負担増の著しい地域は再編関連特別地域として振興計画を策定
 (5)返還基地の労働者は可能な範囲で配置転換により雇用を継続
 (6)返還される土地は無償または低価格で自治体などに譲渡や貸し付け
 (7)国際協力銀行の業務にグアム向けの出資、融資を特例として規定
(産経新聞) - 5月15日3時14分更新
==============================

あとですね、米軍再編だけでなくミサイル防衛にも目を向けると、指揮系統が自衛隊と米軍が共同運用されることがわかります。
(どちらが指揮権を握るかは明白ですね。)
あとミサイル防衛計画の日本側の負担は数兆円かかるようで、今後10年間で日米同盟は大きく変容すると言われています。
では、また!
Posted by コウタ at 2006年05月15日 10:24
コウタさん、コメントありがとうございます。

MD(ミサイル)計画の事は、このブログでも書かなきゃなと思っているんですが、他にも書く必要がある事がいろいろあってなかなか追いついていません。

たしかに、3兆円と言われている米軍再編に関する費用負担だけじゃなくて、ミサイル防衛に関する費用負担も大幅に追加される可能性はありますね。

ちなみに「3兆円」に関してですが、アメリカ側からの公式な発言は、いまのところ無いと思います。
http://atsukoba.seesaa.net/article/17498148.html

このあたりに書きましたが、今は日本政府がやっきになって否定しているという段階です。

僕としては、ミサイル防衛も含め、3兆円ではすまないと思っています。
しかも、結果的には、グアム移転費は金だけ払わされて、沖縄の海兵隊は減ってないし基地の返還もされていない、という事になりかねない取り決めになっています。


P.S.
今後ともよろしくお願いします。
Posted by あつこば at 2006年05月15日 15:32
空軍での日米一体化の概要が産経新聞に載ってました。

「空自改編案 総隊司令部を強化 MD統括、24時間体制」
http://www.sankei.co.jp/news/060508/morning/08iti002.htm
 
Posted by あつこば at 2006年05月15日 18:13
どうも、こんにちは!

『ローレス「3兆円発言」をめぐるドタバタとホントの内訳』の記事、読みました。

ところでローレス国防副次官が言った発言内容の原文を以下のサイトから読むことができるのは、ご存知ですか?
http://www.defenselink.mil/transcripts/2006/tr20060425-12886.html

特に重要な部分だけ、貼り付けますね。
「〜 makes the total about $26 billion.」が「〜で総額約3兆円になる。」という発言部分です。
これはアメリカ側の『公式な発言場所での発言』なので、オレは『アメリカ政府側の公式な発言』と考えていますし、日本の記者団を呼んで発言したのですから、アメリカ国内向けの発言でもありません。



Q That's not the number I'm looking for. I'm looking for a big number. You keep saying this is just a small piece of the big agreement. You characterized the cost of the Japanese of the big realignment, the overall effort, and I'm looking for the, you know, attendant or related U.S. figure.

MR. LAWLESS: On the home islands of Japan including Okinawa, it's -- let us say, it's approximately $20 billion; add to that their costs on Guam, which are $6 billion, makes the total about $26 billion. That's the bigger context I'm talking about.

Q: It would be shared by the U.S.?

MR. GRONE: No. No.

MR. LAWLESS: Japan sharing Japan? It's their responsibility.

MR. GRONE: It's full.

MR. LAWLESS: It's -- (inaudible). That's what I'm saying.

Q: I know. But I'm asking what it's going to cost the U.S.

MR. LAWLESS: I just said the only cost is the $4 billion in Guam.

Q: (Off mike.)

MR. LAWLESS: I'm sorry.

MR. GRONE: Yes, the only -- the only piece of ours is the Guam piece. That's correct.

MR. LAWLESS: Okay.



もし何かわからない所があれば、どうぞ質問してください。

それから、もし良かったらオレのブログにも遊びに来てください。

あと、オレはミサイル防衛に反対するブロガー同盟のようなインターネット上で活動するボランティアグループである『No MDチーム』のキャプテンをやっているのですが、もし良かったらあつこばさんも参加しませんか?
それと、オレへの連絡は、ブログでもmixiでもメールでもいいので直接、オレにメッセージをください。

それでは、また!
Posted by コウタ at 2006年05月17日 04:14
コウタさん

私は英語が読めないので、説明していただいて助かりました。

日本の記者団もいたのですね。

おそらく日米の交渉過程でお金の話は出ていたのでしょう。
http://atsukoba.seesaa.net/article/17255258.html

このページに書きましたが、昨年の10月に大野前防衛庁長官が『自分の名前は「オーノ」だが「オー・イエス」という立場で対処していきたい』などと発言しているぐらいですから。

で、「日本側が、国民の反対の声が高まると困るから総額は言わないでくれ」と頼んでいた可能性がありますね。

ローレスはアメリカの議会を意識して「日本側に総額で3兆円払わせる」と、ついポロッと言ってしまった。

それが日本で報道されて、あわてた与党議員団がアメリカに出かけた。

http://atsukoba.seesaa.net/article/17498148.html
にも書きましたが、
ここからは想像。

久間「ローレスさん、困りますよ。国民が反対しちゃうじゃないですか」
ローレス「そりゃあ悪かった。じゃあ釈明するよ」

という事で、ローレス氏はTBSやテレ朝のインタビューにも出演。
しかし、ウソは言えないので、日本側からある程度、数字が出ていた事はバレてしまった(笑)。


守谷事務次官は4月24日に行った講演で「グアム移転費を除き8年間で2兆円と試算している」としゃべったそうです。

おそらくこの数字をアメリカにも伝えていたはずなのですが、額賀長官はのらりくらりと逃げています。

額賀長官の言う事は、どうも信用できそうにないです。

沖縄でのV字型滑走路案も「寝てる時に思いついて飛び起きた」などと言っているらしいですが、ウソくさいですね。
Posted by あつこば at 2006年05月17日 16:54
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/17765869

この記事へのトラックバック

与党再度の修正案の問題点〜メディアにも適用ある…
Excerpt: 犯罪の企てを話しあっただけで罪となる「共謀罪」の創設を盛り込んだ組織的犯罪処罰法などの改正案が,来週早々にも衆院法務委で採決されると噂されている。その採決に向けて,与党側が,再度(これで何度目?)の修..
Weblog: 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
Tracked: 2006-05-13 23:30

ん…徴兵?
Excerpt: 沖縄の米軍基地負担軽減を隠れ蓑に駐留米海兵隊8000人のグアム島移転、それに伴なう我日本国の金銭的負担は直接費だけで総費用の59%、7100億円拠出が合意された。 日米安全保障条約が今までの日本を守..
Weblog: 明日の風は…
Tracked: 2006-05-14 17:24