2006年06月21日

再編協議でアメリカ側から提示してきたもの

ちょっと日数がたってしまいましたが、指摘しておきます。

6月10日にNHKが放送した『日本の、これから』の番組中に「アメリカの要求は米陸軍第一軍団の移転だけだった」という発言が出ていました。

この発言をしたのは森本 敏さんですが、これは、今回の米軍再編が
米軍の要求は小さくて、
あとは日本側の「負担軽減」の要求にそって
行われているかのように印象づけようという意図を感じます。

米軍再編の協議は、実質的には2003年11月20日だそうです。

久江 雅彦さんの『米軍再編』(講談社現代新書)と、半田 滋さんの『週刊金曜日(2006.5.19 606号)』『世界(2005.12)』に書かれているものを総合すると、米軍再編の協議が始まった当初、米国から提示してきたのは、以下だそうです。

zama.jpg

「2008年までの実現を目指す項目」
○米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間への移転
○横田基地にある米第五空軍司令部のグアムへの移転
  ↑この案は航空自衛隊が「行かないで」とお願いして(笑)、無くなりました。

シュワブMixi用.jpg

「2008年より先の実現を目指す項目」
○在日米軍司令部を横田基地からキャンプ座間に移転
  ↑この案も、協議の結果、無くなりました。
○反対されていて進んでいない普天間基地の辺野古沖への移設を見直して実現する
○厚木基地 空母艦載機の岩国基地への移転

他にも細かい点で提示されたものがあったかもしれません。
当時の日米協議の中身は、徹底した非公開の姿勢だったそうです。
すくなくとも前述の文章に書かれている事を合わせると、これだけの中身がすでにあったんですね。

それに対して、日本側にとっては
「負担軽減のチャンス」であった事は事実です。
しかし、日本政府は
まともな対応をせずにだらだらと先延ばししてしまい、きちんと交渉しませんでした。
その結果、「負担軽減」は実質的には、ほとんど実現しません。

以下にも書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/17883097.html
http://atsukoba.seesaa.net/article/18114150.html

今回の米軍再編では、「返還する」とされている土地もあります。

しかし、もともと日米地位協定には
「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない」と書かれています。
使っていなくて当然返還されるはずの土地をいつまでも返さないでいて、新しい基地を作りたい時に代わりに少しだけ返す、というのは米軍のいつものやり方です。

しかも、今回「返還」される事になった土地も、実際にいつ返還されるのか不透明な部分が多いのが実情です。

F-18×2.jpg

戦闘機の訓練を各地の自衛隊の基地に移転する件など「負担軽減」を口実にしていますが、
実体は「負担地域の拡大」であり、
各地域では今後さらなる「負担強化」が予想されます。

アメリカ側の本当の狙いは、上記のような基地の移転だけではなく、
日本の費用負担と自衛隊の役割強化
です。
http://atsukoba.seesaa.net/article/19265503.html

そして、最終的には、日本に集団的自衛権を行使させようとしているわけです。
posted by あつこば at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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