2013年12月30日

仲井真知事、埋め立て承認の裏側

沖縄県北部の辺野古(へのこ)の海を埋め立てて、オスプレイを運用する米軍基地を造る計画について、沖縄県の仲井真知事が12月27日に埋め立てを承認しました。

この計画は、沖縄島中部の宜野湾市にある米軍普天間基地が市街地のど真ん中にあって事故の危険性があるために移設しようというものですが、仲井真知事は、沖縄県内に移設するのではなく「県外移設」を主張してきました。

それなのに、どういう経緯で辺野古での埋め立てを認めたのか、報道されている情報のなかから、埋め立て承認に至る裏側での動きをまとめてみます。

■唐突に出された「要請書」

12月17日、安倍首相と仲井真知事、そして全閣僚が出席して首相官邸で開かれた沖縄政策協議会」のなかで、仲井真知事は安倍首相に直接「要請書」を手渡しました。

今年1月に沖縄県内全41市町村長が署名し安倍首相に手渡された「建白書」では、普天間基地の「県内移設を断念すること」としていました。
http://kenmintaikai2012.ti-da.net/e4331515.html

しかし、12月17日に仲井真知事が出した「要請書」では、仲井真知事の選挙公約でもあった「県外移設」については一切触れていませんでした。
県議会でも、「県外移設」からの方針転換については一切、議論されておらず、「要請書」は仲井真知事が県民になんの説明もないまま唐突に出したものでした。

仲井真知事は17日から東京都内の病院に検査入院し続けます。

仲井眞知事と面談する安倍首相(首相官邸).jpg
(首相官邸 Webサイトより http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/201312/25mendan.html

12月25日には安倍首相と会談。会談は約25分という短さで、短時間で終わったのは「周到に準備されていたから」、菅官房長官が夏から仲井真知事との水面下の接触を続け、12月21日から23日までの3連休では菅官房長官と仲井真知事が都内で会談したとされています。
http://mainichi.jp/shimen/news/20131226ddm003010084000c.html

ほぼすべて記者団に公開された安倍首相との会談は「政治ショー」そのものとも指摘されました。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59553

そして12月27日に仲井真知事は埋め立てを承認しました。その日の記者会見では、辺野古(つまり県内)での基地建設のための埋め立てを承認したにもかかわらず「公約を変えたつもりはない」と強弁しました。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013122700734

沖縄県のWebサイトに掲載された「知事コメント」(pdf)
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/chian/futenma/documents/20121227_tijikomento.pdf

■準備されていた「要請書」

報道によると、仲井真知事が唐突に出した「要請書」は、周到に準備されていたものでした。

12月17日に提出されるよりも1ヶ月以上前の11月上旬には、仲井真知事が提出する「要請書」とまったく同じ内容の文書を、菅官房長官は入手していたそうです。
同じ時期に要請書を入手した政府高官は、要請書に「県外移設」の要求がなかったので、この時点で埋め立て承認を前提にしていると確信したそうです。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131228/plc13122810400010-n1.htm

要請書の内容は、経済界の中心人物らによる経済振興への要望、そして自民党県連による基地負担の軽減への要望を取り入れて作成したとされています。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59415

11月末には、ある米有力議員から「沖縄県知事が年内の埋め立て承認を約束したそうだ」という情報が伝わりました。
そして、27日にヘーゲル米国防長官が発表した談話は、25日の安倍首相と仲井真知事との会談が開かれる前に用意されていたそうです。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59744

ハイサイ、仲井眞です。496.jpg
(沖縄県のWebサイトより http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/koho/kense/chiji/index.html

■仲井真知事の大芝居

仲井真知事は20日、県幹部に「不承認も含めて想定して、色々なスケジュールを作ってほしい」と指示しています。
http://www.asahi.com/articles/ASF0SEB201312200006.html

そして12月23日に県幹部と約2時間協議しましたが、埋め立ての可否の結論や方向性は出なかったとされていました。
http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/politics/787045.html

16日に上京してから東京に閉じこもり、当初県庁で行われる予定だった27日の記者会見も、県庁が抗議の市民に取り囲まれた段階で「知事の体調不良」などを理由に急遽、知事公舎に変更しました。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59684

周到に「要請書」を準備し、埋め立ての承認を決めていたのにもかかわらず、27日ギリギリまで公表しなかったしなかったのは仲井真知事の大芝居だったようです。

※以下に、この間の一連の報道等をまとめています。
●9月17日以降の動き
http://togetter.com/li/571993
●12月23日以降の動き
http://togetter.com/li/606752
●12月28日以降の動き
http://togetter.com/li/609266

★1月1日付記:その後の報道で、日本政府は水面下で沖縄側「5年以内の運用停止」の要望を受け、11月中旬の段階で米政府に対して、運用停止の在り方をめぐって打診し、協力を求めていたことがわかりました。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59858
 


posted by あつこば at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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