●辺野古での新基地建設計画は、なぜいけないのか?
http://atsukoba.seesaa.net/article/39912507.html
●キャンプシュワブ沿岸案は、もともとダメな案
http://atsukoba.seesaa.net/article/40060271.html
などで、辺野古での新基地建設計画の問題点をごく簡単に書きましたが、きょうは連休明けにも始まろうとしている「事前調査」の問題点について書きます。
「基地を作るんじゃなくて、作る前の調査だからいいんじゃないか」と思う人もいるかもしれません。
ところが、この調査にもいろいろと問題があるんですね。
調査が行われた場合、それが適切に行われるかどうかというのが大きな問題です。
■環境のための「調査」が環境を破壊する
まず、「調査」自体によって環境に被害を与えてしまう恐れがあります。
以前、辺野古で行われた調査では、作業の足場によってさんご礁に傷が付けられたという事件が起きています。
(棚原盛秀さん撮影の画像)

QAB(琉球朝日放送)
「徹底取材 足場で傷ついたサンゴ」
http://www.qab.jp/01nw/04-12-08/index7.html
「サンゴやサンゴ礁(岩礁)を破壊したスパット台船」
http://homepage2.nifty.com/~jaga/dugong/material/kyogi.htm
■ご都合主義で短縮される調査期間
調査に費やす期間についても問題があります。
環境に対する影響の調査は、本来、非常に時間がかかるものだと言われています。
自然環境に対する調査は、季節による変化を知るために1年間がひとつの単位になります。そして、その年に限った特殊な傾向などもあるでしょうから、最低でも3年は調査し続けなければ調査をした事になりません。
市民参加による海草藻場調査「沖縄ジャングサウォッチ」によると、
http://www.nacsj.or.jp/old_database/henoko/henoko-040610-ikensyo.html
----------------------------------------
ジュゴンの妊娠期間が13〜15ヶ月、授乳期間を合わせると妊娠・育児期間は3年に及び、出産間隔は繁殖率の高いオーストラリアでさえ3〜7年といわれている。したがって、ジュゴンに関する調査は、1年限りの調査では不十分であり、方法書から評価書にいたるまでの期間のみならず、その後の追跡調査を含め、10年以上にわたる調査計画を立てるべきである。
----------------------------------------
とあります。
ところが、政府はアセス期間を2年半に短縮させるつもりです。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200702151300_03.html
これは米軍再編のロードマップで
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_aso/ubl_06/2plus2_map.html
辺野古での新基地建設計画のスケジュールを約束させられてしまったので、そのスケジュールに無理矢理、間に合わせようとしているためです。
とにかく「基地建設を認めさせる」という前提の環境アセスが行われる可能性があります。
■ジュゴンやウミガメの調査方法にも問題
今回の調査では、パッシブソナー(音波探知機)や水中ビデオカメラを使って、ウミガメやジュゴンなどの調査が行われる事になっています。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23353-storytopic-3.html
しかし、前述の「沖縄ジャングサウォッチ」によると
http://www.nacsj.or.jp/old_database/henoko/henoko-040610-ikensyo.html
----------------------------------------
パッシブソナーは、タイなどのジュゴンの個体数が多い地域で試験されているに過ぎず、沖縄のように極めてジュゴンの密度が低い地域では不確実性が高い。人工物の影響を受けやすいジュゴンが、水中ビデオカメラ、パッシブソナーの存在に気づいて、水路を利用しないおそれもあり、水中ビデオカメラに撮影されない、あるいはパッシブソナーで音を拾うことができないことをもって、ジュゴンが利用していないと判断される可能性があり極めて問題である。
----------------------------------------
こうした問題点があるにもかかわらず、パッシブソナーや水中ビデオカメラで短期間に調査を行おうとしているのです。
つまり「環境に対する調査をきちんとやった」というアリバイにされる危険性があるわけです。
■サンゴ礁の調査方法にも問題
サンゴ礁の調査方法については、QAB(琉球朝日放送)の
「環境アセスと基地建設」が参考になります。
http://www.qab.co.jp/01nw/07-03-07/index7.html
これによると、2006年の暮れに防衛省の守屋事務次官が「ミドリイシ類のサンゴの産卵にあわせ、前倒しで環境調査に入りたい」と発言しているそうです。
しかし、国際的な調査基準で1998年からサンゴ礁の定点観測をしている「リーフチェック」によると「辺野古周辺ではむしろそれ以外のサンゴが多く、その多様性こそ調査するべき」だそうです。
沖縄リーフチェック研究会による「意見書」は、こちら。
http://reefcheck.net/reefcheck/ikensho/ikensho01/
これらの事からも、那覇防衛施設局が進めようとしている調査が、環境に対する問題が無いかどうかを調査するためのものではなく、基地建設をしてもいいという事にするための調査である事がわかりますね。
という事で、こうした「環境に対する調査」自体に、いろいろと問題がある事を説明しました。
これだけで、結構な分量になってしまいましたので、今日はここまでにします。
明日は、今回の調査が環境アセス法にも違反しているという話を書きたいと思います。
http://atsukoba.seesaa.net/article/40423844.html
けど、安全保障や普天間周辺住民の安全
はもっと大事なんでないの??
結局反対するためだけの理論武装でしか
ないわけで、負けるのは目に見えている。
こんな運動では、結局基地を誘致している
のと大差ないんでないの??だって実効性
が全くないし、政府与党からすれば、簡単
に論破できてしまうからね。
オレは辺野古に海兵隊の恒久的な基地を
しっかり整備するべきだと思う。