2007年05月19日

自衛隊が米軍基地建設を手伝う法律的な根拠は?

今回、新しい米軍基地を作るための作業を自衛隊員が行いました。
各紙で報道されましたが、自衛隊員がこんな事をするのは初めてだそうです。

そもそも自衛隊は、日本が他国から責められてきた時に守るための最低限の「防衛」をするための組織です。

それでは、自衛隊が米軍基地の建設を手伝う法律的な根拠はあるのでしょうか?

■「治安活動?」「警護出動?」

今回、沖縄での基地建設に自衛隊を動員するという計画を最初に報道したのは日テレでした。

その報道では「地元反対派の抗議行動を阻止するため」と書かれていたために、「地元で反対している人達に対して自衛隊が出動して鎮圧するのか!」と大騒ぎになりました。

私は5月10日に、http://atsukoba.seesaa.net/article/41342078.htmlに書きましたが、自衛隊法の第81条の2という法律を元に「警護出動」をするのではないかという予測をしました。

自衛隊法
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxrefer.cgi?H_FILE=%8f%ba%93%f1%8b%e3%96%40%88%ea%98%5a%8c%dc&REF_NAME=%8e%a9%89%71%91%e0%96%40&ANCHOR_F=&ANCHOR_T=

その後、他の人からいろいろな指摘をいただきました。
「第81条の2だと県知事の意見を聴かないといけない」(これだと沖縄県知事は反対するでしょう。)
「第82条(海上における警備行動)でやるのではないか?」
「第93条(海上における警備行動時の権限)によると……」
などいろいろな意見が出て、法律に詳しくない私はだんだんわからなくなってきました。

そのうちに、海上自衛隊員のダイバーが機器の設置作業の一部をする、という事が、だんだん報道されてきました。

■「国家行政組織法」だってえ?

さて、さきほどの文章で書いたように
http://atsukoba.seesaa.net/article/42212863.html
昨日(といっても夜中)、自衛隊員のダイバーが作業をしたらしいのですが、今回の作業の法律的な根拠は何なのでしょう?

朝日新聞によると
http://www.asahi.com/national/update/0518/TKY200705180041.html
------------------------------------------ここから引用----
 久間防衛相は同日の閣議後会見で、海自隊員が加わって調査を始めたことを認めたうえで、「短時間に器具の設置を行うために防衛施設庁から依頼があり、海上自衛隊として協力した」と述べ、国家行政組織法に基づく官庁間協力の一環と説明した。ただ、両省庁とも統合が予定されている「身内」だ。
------------------------------------------引用ここまで----

「国家行政組織法」なんて法律があるんですか?
知りませんでした。……というか法律ってたくさんありすぎなので、興味がある法律以外はほとんど知りません。

とりあえず検索して出てきたのがこれ。
http://www.houko.com/00/01/S23/120.HTM

第2条の2に「国の行政機関は(中略)相互の連絡を採り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない」と書いてありますが、これの事でしょうか?

しかし、他の省庁からの依頼さえあれば自衛隊は、何をやってもいいのでしょうか?
よくわかりません。今回の作業は「さっぽろ雪まつり」に協力するようなものなんでしょうか?

■「理屈付けはいくらでもある」だってえ?

ところが、東京新聞によると
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007051802017127.html
------------------------------------------ここから引用----
久間氏は自衛隊が調査に参加する法的根拠について「調査活動、情報収集など具体的に断定できない。理屈付けはいくらでもある」などと述べ、根拠があいまいであることを認めた。
------------------------------------------引用ここまで----

防衛大臣が自衛隊の出動について「理屈付けはいくらでもある」ってのは、いくらなんでもめちゃめちゃじゃないでしょうか?

これでは働かされる自衛隊員の方も、たまったものではありません。
posted by あつこば at 10:04| Comment(5) | TrackBack(4) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その上、海中で丸腰で、非暴力で阻止行動をしているダイバーたちに対して、暴力も振るわれています。なんてこと。こっちのTVでこの異常さをどうしてトップニュースで取り上げないのでしょうか?ともかく、ブログで伝えていきます。7月7日にあつこばさんの映画『軍事工場は今』をオリンピックセンターでやります。ありがとうございます。お会いするのを楽しみにしています。
Posted by きくちゆみ at 2007年05月19日 10:40
きくちゆみさん、コメントありがとうございます。

マスメディア(特にテレビ)だけの情報だと肝心な部分が抜けていたりしますね。
辺野古の関連ではブログやメールなど、さまざまな形で情報が来ます。
昨日の状況については、とりあえず新聞社等のサイトを読んで指摘できる点から書き始めています。

市民メディアでの情報発信とマスメディアとの比較などもしていきたいと思っています。

書かなければならない事がたくさんあるうえに、事態が進行中ですので、追いつくのが難しいところですが……。

Posted by あつこば at 2007年05月19日 11:18
【読売】普天間移設、海自支援で調査機器設置…名護沿岸海域
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okinawa/news001.htm
> この日午後、海中で作業をしていたダイバーが、タンクからの空気を吸うため口にくわえたレギュレーターを
反対派とみられるダイバーから外されたことが分かり、第11管区海上保安本部(那覇)が捜査している。けがはなかった。

平和の為でも殺人はだめだよ。未遂だからよかったものの。
こういうのは仲間内でしっかり自制させないと沖縄運動は世間からずれていく一方だよ。
Posted by noyoi at 2007年05月20日 00:41
noyoiさん

以下に私の意見を書きました。http://atsukoba.seesaa.net/article/42430949.html
Posted by あつこば at 2007年05月21日 14:38
久間防衛相が「さっぽろ雪まつりと同様」と発言しました!http://atsukoba.seesaa.net/article/42946158.html
Posted by あつこば at 2007年05月26日 13:06
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

読売新聞の特集「憲法改正への道」で9条を変える理由がないことが明白に!
Excerpt:  読売新聞が、「憲法改正への道」と題した連載をしているが、そのうちの「国民投票法成立」の「下」(5月17日付朝刊)で書いてあることから、9条改訂の必要がないことがはっきりした。  同紙は、9条改..
Weblog: 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士
Tracked: 2007-05-20 12:20

違法な設置作業が始まった
Excerpt: 夜明けと共に★違法な★設置作業が始まったそうです。 辺野古のメンバーに携帯がつながらない状況です。 下記ライブ情報も滞りがちですが、実況です。 http://blog.livedoor.jp/k..
Weblog: 沖縄・辺野古海上基地の問題を中心に maxi's_page
Tracked: 2007-05-20 14:02

自衛隊が国民を監視 共産党が内部文書を入手、公表
Excerpt: 共産党の志位和夫委員長は6日午後、国会内で記者会見
Weblog: ネット社会、その光と闇を追うー
Tracked: 2007-06-06 17:02

会社法補正版
Excerpt:  コンパクトで分かりやすい図示もgoodやっぱりシケタイは良くまとまっています。同氏の「行政法」と一緒に購入しました。行政法の書籍と同じでレイアウトがすばらしく、初心者の私でもとても読みやす..
Weblog: 法律の感想
Tracked: 2007-08-15 20:14
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。