Q:辺野古で反対をすると普天間基地が返らない?
というテーマでQ&A形式で書きました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/42880774.html
今回もQ&A形式で書いてみたいと思います。
Q:米軍は日本を守ってくれているから基地があるのは仕方がない?
日本はアメリカに守ってもらっています。ですから、沖縄 辺野古に普天間基地の代わりの基地を作る事や全国の米軍基地があるのは仕方がないのではないでしょうか?
沖縄の人や米軍基地の近くに住んでいる人にはかわいそうですが、誰かがガマンするしかないと思います。
A:
上記のように「米軍に日本を守ってもらっているから仕方がない」という意見をたまに聞きます。
では本当にそうなのでしょうか?
■普天間基地は日本を守るため?
沖縄県宜野湾市にある普天間基地は、米軍の海兵隊が使っている基地です。
今年の1月、普天間基地に所属しているヘリ中隊がイラクに派遣されました。
その後、普天間基地からヘリが全機、いなくなっていた事が確認されています。
普天間ヘリ全機姿消す イラク派遣など影響
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200702061300_04.html
(ヘリが一機もいない状態の普天間基地の画像も見られます。)

都市のど真ん中にあるために騒音の被害や事故の危険性が高い普天間基地ですが、その時期、普天間基地の騒音は軽減されました。
仲井真沖縄県知事が選挙の際に掲げた「3年以内に普天間基地を閉鎖状態にする」という公約は、久間防衛大臣によって「事実上、できない」と否定されましたが、
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200611281700_01.html
日本からの要請ではなく米軍の勝手な都合で、一時的にせよ実現してしまった事になります。
http://atsukoba.seesaa.net/article/42880774.html
上記のページでは、軍事アナリスト 小川和久さんの意見、「私が総理大臣であれば、1週間以内というように期限を切って移駐させるでしょう。」を紹介しました。
普天間基地の危険の除去はやる気になればできるのです。
そして、普天間基地からヘリがいなくなっている間も日本の安全は守られていました。
普天間基地は、日本の安全を守るためのものではないのです。
イラクに派遣された事に関しては、2月25日に西日本新聞が記事で批判しています。
----------------------------------------------------ここから引用----
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の騒音被害が今、軽減されている。同市によると、同飛行場所属ヘリ36機のうち10機がイラクに派遣され、残りも沖縄近海での訓練で留守状態が続いているという。
沖縄の米軍基地は、日本政府が日米安保条約に基づき米側に提供している。安保条約は「日本と極東の平和と安全」を守ることが目的だが、沖縄で訓練した米軍は「極東」の枠を大きく逸脱し、はるかなイラクの地に派兵されているのだ。
その米軍が2003年のイラク戦争の開戦後、何をしてきたのか。彼らが殺害したのはテロ組織ばかりではない。がれきの下では、大勢の罪なき子や民間人が犠牲になった。日米安保を認める(黙認を含む)私たちは、イラク人の犠牲に対し「加害者側」にあることを自覚する必要がある。沖縄在住の作家、目取真俊さんはそう指摘する。その通りだと思う。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
■キャンプシュワブからもイラクに行っている。
さて、日米両政府の合意では、その普天間基地の「代わり」となる新しい基地を、2014年までに沖縄 辺野古(キャンプシュワブ沿岸)に建設するという話になっています。
これについては以下に問題点を書いています。
辺野古での新基地建設計画は、なぜいけないのか?
http://atsukoba.seesaa.net/article/39912507.html
キャンプシュワブ沿岸案は、もともとダメな案
http://atsukoba.seesaa.net/article/40060271.html
そのキャンプシュワブからもイラクに行っています。
米軍再編ドキュメンタリー『基地はいらない、どこにも』
http://kichidoko.exblog.jp/
に収録していますが、不運にも亡くなった橋田信介さんがイラクで米兵にインタビューをしています。

米兵は「(自分たちは)沖縄のキャンプシュワブ(にいたんだよ。)」と答えています。
キャンプシュワブやキャンプハンセンの米兵は、住民が大量に虐殺されたといわれるファルージャにも派遣されています。
沖縄の海兵隊は日本を守るためではなく、海外に出撃するために日本にいるのです。
少し長くなりましたので、続きは明日にします。
明日は、そもそも米軍はなぜ日本にいるのかについて書きたいと思います。
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※追記
続きを以下に書きました。
「そもそも米軍はなぜ日本にいるの?」
http://atsukoba.seesaa.net/article/43671906.html
米軍が太平洋軍から兵力を引き抜くのは
極東に差し迫った危機が訪れていない
ためです。
一方で、戦闘機や空母、原潜、イージス艦
などは一定数を堅持しています。
つまり米軍は、日本のみならず極東全体
の軍事バランスを詳細に検討して部隊を
動かしているのです。
ちょっと調べればわかるようなことを
曲げて書かないで欲しい。
アメリカってもともとスウィング戦略で極東の兵力を中東に移動させるのは良く知られたこと。中国、北朝鮮の軍事圧力への対抗のためだけなら、沖縄に海兵隊部隊を置く必要はないはず。
形式論理で考えれば、日本駐留兵力を「一定数に維持している戦闘機や空母、原潜、イージス艦」だけにして、今のイラク派遣分は沖縄に駐留させなくてもいいはずだ。純粋に日本を守るためにいるのなら。オーストラリアかどこかに基地を置いたっていいはず。タイならもっと近い。それを日本に置く理由は日本にいるのが財政的にも補給の面でもメリットがあるからでしょう。
戦闘機・空母・原潜・イージス艦……米軍はそんなに日本に置いているのですから、まずは日本を守るのとは関係が無い海兵隊の実働部隊を引き上げてもらいましょう。
米軍は、日本に駐留したいのです。黙っていると必要以上に日本に居座ります。
それについては、
http://atsukoba.seesaa.net/article/43671906.html
で書きました。
日本は基地を提供する代わりに世界最強の打撃力を味方に付けているんだから。
互いにとって利益になるから同盟という形になっているんでしょ。
それに海兵隊は機動兵力であるから周辺で何が起きても柔軟に対応できる兵力。
状況によって中東に送る事もできるし、アジアのどこかに迅速に展開させる事も出来る。
それを中東に送られたからと言って「日本の防衛に必要ない」というのは極論のような気がする。
ついでに重箱の隅を叩けば。
今のところ日本を事実上の母港としている原潜は存在しない筈。
アメリカではどういう名前で報道されているのか、どなたか教えて。
あるいは、せっかく出しているなら、日本の広報予算で、日本はアメリカの駐留経費をこれだけ負担しているよ、という広告を米メディアに出すというのはどうかな。「思いやり予算」も直訳して。
能だ歌舞伎だをPRするより国益にかなう気がするけどね。
それをなぜ、「普天間」だけをクローズアップするのですか?
もちろん現在の日本周辺は危険ではありますが、
それより現在進行形で戦闘が行われているところにシフトするのは、
全く問題がないように思うのですが、
沖縄から全く戦力がゼロになったわけではないですし。
かつ、海兵隊であるのなら、世界中どこにいてもすぐに呼び戻せます。
それが海兵隊の存在意義でしょうが。
結論として、海兵隊は日本「だけ」を
守るわけではない。しかし、これを
もって、日本を守らないとは言えない。
単純な論理のすり替えは、簡単に
破綻しましたね。
「日本を守るため」ではないという米議会での証言
http://atsukoba.seesaa.net/article/44586289.html
海兵隊は、「日本だけを守っている」と主張しているエントリーでない以上は。
土地の広いオーストラリアに移動させればみんなハッピーという結論だって合理性がある。
「対テロ戦争」に自衛隊を投入
http://atsukoba.seesaa.net/article/44789997.html
一度許可を出し知事が替わると許可取り消しが出来るなら長期計画のモノは出来なく成ってしまいます。
許可を出す以前なら沖縄側にも言い分が有ったでしょうが今更何を勝手なことを言うんだと感じる者が大部分でしょうね。
米軍基地は江戸幕府が行った江戸妻みたいなモノでは無いでしょうか?基地の将兵や家族は人質みたいなモノ。
他国が彼らを攻撃すれば米本土国民も復讐心に駆られるでしょう。
日本国は憲法九条に縛られ反撃もままならぬのが現実です。
ずいぶん古いエントリーへのコメントですが、ありがとうございます。
仲井真知事が埋め立てを許可した件に関しては、当時、沖縄の多くの人たちにとって「晴天の霹靂」であり「裏切り」と激しく批判されました。
その結果が次の沖縄県知事選挙での仲井真知事の落選と翁長知事の当選につながっていますから、民意が示されたと言っていいと思います。
在日米軍基地を他国が攻撃した場合、在日米軍基地を守る義務は日本の自衛隊にあります。
現実的に、沖縄をはじめとする日本の米軍基地を守っているのは自衛隊です。
在日米軍の兵士が他国からの攻撃によって死んだ場合、アメリカ人たちは起こるでしょうから、米軍が他国に対して復讐をする可能性はあります。
ただし、仮に、他国から日本への攻撃があったとして、日本人が死んだ時に、米軍が他国を攻撃するかどうかは、アメリカ政府がその状況に対するその後の損得勘定をして決めます。