ネット社会の中では「ネットに公開されているような情報を集めたようなもので、たいした事はない」などという意見を言う方もいるようすが、そんなに簡単な問題ではありません。
一部はネットなどで得られる情報も含まれていますが、
市民による集会やデモを撮影し、組織的な調査活動がされています。
■自衛隊が全国規模で国民を監視
今のところ自衛隊は政府解釈によると軍隊ではないようです。
ただし、与党第一党である自民党の改憲草案では「自衛軍」つまり「軍隊」とされています。
自衛隊は少なくとも一般市民とは違う圧倒的な武器・攻撃力を持っています。ですから、行動する際には政治が決めた内容に沿った節度のある行動をする必要があります。
そのためには、自衛隊自体が国民の中のある人達を最初から「敵」だと決めつけるような判断をしていてはならないはずです。
ところが、今回、内部告発によって流出したとされる資料では、自衛隊のイラク派遣に反対する人達を最初から敵視し「○○党系」「○○派」などと一方的に「分類」して、その動向を調査・監視しているのがわかります。
自衛隊のイラク派遣については、国民の間でも国会でも意見が分かれていました。ですから、派遣に反対する人達を最初から敵視して調査するのは明らかに問題です。
この地図でわかるように、調査は全国規模で行われていました。
共産党がWebサイトで公開した自衛隊の内部文書は以下で紹介されています。
http://www.jcp.or.jp/tokusyu-07/19-jieitai/index.html
内部文書そのものは以下です。
文書A全文(PDF形式/28.7MB)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_adoc.pdf
文書B全文(PDF形式/48.1MB)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_bdoc.pdf
情報保全隊監視団体一覧(PDF形式/98.8kB)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/20070606_shii_ichiran.pdf
■市民運動を明らかに敵視
この内部文書には、派兵に反対する集会やデモでの内容が「○○党系」「○○派」などと「分類」されたうえで、まとめられています。
略号の意味は、以下だそうです。
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「P」――日本共産党および「日本共産党系」と区分された労働運動・市民運動など。
「S」――社会民主党および「社会民主党系」と区分された労働運動・市民運動など。
「GL」――民主党および連合系労働組合、それに関連すると区分された市民運動など。
「CV」――上記に区分されない市民運動など。
「その他」――市民運動、個人、地方議会の動向など。
「NL」――「新左翼等」と区分された運動など。
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監視されている対象には
高校生もいました。
「平和を願う高校生です」という自己紹介まで記載されています。
大学のキャンパスにも侵入して
チラシを入手しています。
そしてそのチラシについて、その団体の活動が
「全く注目されていないにもかかわらず、極めて活動を誇張した内容」
だと蔑視しています。
まるで2ちゃんねるなどで市民運動や反戦運動を敵視して揶揄している人達のような表現です。
集会やデモの中には、礼儀正しく自衛隊員やその家族に語りかけようとする口調のものもあります。
「過激」な表現をする団体じゃなくても監視されているのです。
沖縄の辺野古(へのこ)での基地建設を非暴力の阻止行動で止めている人の名前も掲載されていました。
さらには、自衛隊とは関係がない、「消費税増税反対」「医療負担増反対」「国民春闘」なども対象になっています。
■軍事マニア、自衛隊員の身内、議員、報道機関も
市民運動だけかと思ったら、
軍事マニアも監視されています。
駐屯地内の売店で迷彩色のTシャツを購入した人の住所や車両を調査しているのがわかります。
自衛隊員にも矛先は向いていました。
イラク派兵に関して不平・不満を主張する電話をかけてきた女性を、隊員の身内が人選の方法等に対する不平・不満を主張してきたのだと「分析」しています。
国会議員もです。
自衛隊OBの新年会に出席した民主党議員の発言に対して「誹謗する発言」と決めつけ、今後、「名誉会員から外し公式行事には招待しない」と示唆したとしています。
報道機関の取材も対象です。
「隊員の県民性は?」などという地元の記者の質問内容まで調査されていました。
ジャーナリストとしては、
イラクで取材をしていた志葉 玲さんも監視されていました。
さらには、森住 卓さんの写真展までチェックされています。
迷彩色のTシャツを買いに来る軍事マニアや自衛隊員の身内までをもターゲットにしているのですから、
ここまでくると国民全体を監視していると言えます。
P.S.
あと、マズイのは、こういう文書が漏れちゃったって事ですよね。
そもそも「情報保全隊」って自衛隊の内部情報が漏れないようにするのが目的だったんじゃないでしょうか?
本来公表されている任務とは別の仕事をしていたのもさることながら、それがバレてしまったというのは、いかにもお粗末。
先日、YouTubeに自衛隊のマニュアルビデオが流出した事件は、1年以上前からYouTubeでは流れていたそうです。防衛省はこの件を発表して「調査する」などとして、YouTubeに削除させました。
「調査」するなどと言っても、その前からマニアの間では知られていたぐらいですから、防衛省はわかっていてあえて発表したのでしょう。
相次ぐ情報漏洩に対策をしなければならない防衛省が「綱紀粛正のために努力してます」とアピールするために、わざわざ発表してYouTubeに削除させたようです。
しかし、結果はさらに酷い情報漏れが明るみに出てしまったわけですね。
皆に見てもらいたいです。
今回の画像は、サイズがバラバラでちょっと読みづらいですが、ご勘弁という事で……。
今後ともよろしくお願いいたします。
国民を監視している情報保全隊の情報はなぜ漏れたの?
http://atsukoba.seesaa.net/article/44208951.html
自衛隊の国民監視についての情報が分かりやすく記載されていると思いましたので、http://blogri.jp/ns2007/entry/1200668475/に記事を貼らせて頂きました。御報告致します。
応援しています。頑張ってくださいね。
ご紹介くださったブログは、残念ながらパソコンでは見られないようでした。
さまざまなメディアが増えて複雑化していますが、いろいろな場所で広めていただけるとありがたいです。
今後ともよろしくお願いします。
貴ブログへの突然の書き込みの非礼をお許しください。
この度、私たちは「運動型新党・革命21」の準備会をスタートさせました。
この目的は、アメリカを中心とする世界の戦争と経済崩壊、そして日本の自公政権による軍事強化政策と福祉・労働者切り捨て・人権抑圧政策などに抗し、新しい政治潮流・集団を創りだしたいと願ってのことです。私たちは、この数十年の左翼間対立の原因を検証し「運動型新党」を多様な意見・異論が共存し、さまざまなグループ・政治集団が協同できるネットワーク型の「運動型の党」として推進していきたく思っています。
(既存の中央集権主義に替わる民主自治制を組織原理とする運動型党[構成員主権・民主自治制・ラジカル民主主義・公開制]の4原則の組織原理。)
この呼びかけは、日本の労働運動の再興・再建を願う、関西生コン・関西管理職ユニオンなどの労働者有志が軸に担っています。ぜひともこの歴史的試みにご賛同・ご参加いただきたく、お願いする次第です。なお「運動型新党準備会・呼びかけ」全文は、当サイトでご覧になれます。rev@com21.jp
情報保全隊が国民を監視するのは仕方ない結果でしょう。
地域によっては街中で自衛隊員と分かっただけでも扱いがガラッと変わる地域もあるようです。
意図的に自衛隊攻撃を続ける共産党・社民党とその息のある市民団体がある以上、多少なりとその手の集団を監視するのはやむを得ないでしょうね。
これを問題視する前に、むやみに自衛隊への誹謗中傷を繰り返す政党や各種団体を締め上げる方が先決かも知れません。