2007年06月13日

在日米軍は安保条約に違反している

「在日米軍はイラクにこれだけ出撃している」
http://atsukoba.seesaa.net/article/44042952.html
という文章を書きましたが、実はこのように在日米軍がイラクに出撃したりしているのは、
日米安保条約にも違反しています。

■イラクへの出撃は「極東条項」に違反

日米安保条約は以下にあります。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku.html

この条約の第6条には、このように書かれています。
----------------------------------------------------ここから引用----
日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
-----------------------------------------------------引用ここまで---

つまり米軍は「日本と極東」の平和と安全のために日本にいる事になっているのです。
これが、いわゆる「極東条項」と呼ばれるものです。

つまり、かつてのベトナム戦争に始まり、現在のイラク戦争に至るまで、米軍は安保条約に違反し続けているのです。

安保条約には「交換公文」という、オマケみたいな文章があります。
http://www.mofa.jp/mofaj/area/usa/hosho/pdfs/jyoyaku_k_02.pdf

これについて、外務省のページ
「日米安全保障条約(主要規定の解説)」
http://www.mofa.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku_k.html
では、この第6条の解説のところに書いています。

----------------------------------------------------ここから引用----
以下の三つの事項に関しては、我が国の領域内にある米軍が、我が国の意思に反して一方的な行動をとることがないよう、米国政府が日本政府に事前に協議することを義務づけたものである。

●米軍の我が国への配置における重要な変更(陸上部隊の場合は一個師団程度、空軍の場合はこれに相当するもの、海軍の場合は、一機動部隊程度の配置をいう。)。

●我が国の領域内にある米軍の装備における重要な変更(核弾頭及び中・長距離ミサイルの持込み並びにそれらの基地の建設をいう。)。

●我が国から行なわれる戦闘作戦行動(第5条に基づいて行なわれるものを除く。)のための基地としての日本国内の施設・区域の使用。
-----------------------------------------------------引用ここまで---

いわゆる「事前協議」と呼ばれているものですね。
在日米軍がイラクなどに出撃するためには、本来、アメリカから日本に「事前協議」をしなければならないのです。
ところが、この「事前協議」は一度もされた事がありません。

この事に関して、小川和久さんの『日本の戦争力』には、以下の記述があります。(P95)
------------------------------------------------------ここから引用----
(前略)日本からおこなわれる戦闘作戦行動(第5条に基づく日本防衛の場合を除く)のための在日米軍の使用は、日米の事前協議の対象とされています。

しかし、事前協議の規定はあっても、実際に協議が開かれたことは過去1度もありません。ベトナム戦争でも湾岸戦争でもアフガン戦争でもイラク戦争でも、日本から直接出撃した米軍が戦っているのに、です。

日本政府は「事前協議が必要な事態は1度もなかった」というたわ事や「訓練で発進したものに出撃任務が与えられた」というごまかしに終始してきました。
-------------------------------------------------------引用ここまで---

「事前協議」をする事なく、海外に出撃しているのですから、本来、日本政府は文句を言うべきなんですよね。
ところが、政府は国会でもごまかしの答弁を続けてきたのです。

zama+title.jpg

■米軍再編も安保条約に違反している

現在、進められている米軍再編も、この極東条項から逸脱するものです。

神奈川県のキャンプ座間には、米陸軍第一軍団司令部を改編した「UEx」と呼ばれる新司令部が移転してくる事になっています。
この司令部は、アフリカ東海岸までの地球の半分をカバーするといわれています。
(小川和久さんの『日本の戦争力』P140)

これも完全に「極東条項」から逸脱していますね。

キャンプ座間については、以下に書いています。

「【座間】で、何が問題なの?」
http://atsukoba.seesaa.net/article/18408139.html



posted by あつこば at 18:41| Comment(3) | TrackBack(0) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
安倍総理が朝鮮半島有事の際に在日米軍は韓国軍の支援が行えないとの主旨の発言をされています。
あつこばさんのこの文章を読んで安倍総理が正しいということがわかりました。
Posted by T.K at 2014年07月17日 09:20
朝鮮半島は「極東」でしょうから、在日米軍が朝鮮半島に行くというのは「極東条項」には、違反しない気がします。
ただし「事前協議」はしなければいけないことになっいます。安倍首相はこの点を言ったわけですね。ことろが、これに関しては私のエントリーで紹介しているように、事実上、ごまかされ続けていて、「事前協議」などしたことが無いのが実態です。
あと、在日米軍基地には国連軍の旗が立っている基地もあります。朝鮮戦争は国連軍として戦っていて、現在は「休戦状態」ですので、この戦争が再開されれば、日本との事前協議なしに国連軍の基地として機能すると言われています。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/imaginenosekai/yokota-kokurenngunn.html
Posted by あつこば at 2014年07月17日 12:28
国連軍とは国連安保理事会で決定された時のみに組織される軍隊です。
もちろん拒否権を持つ常任理事国が一カ国でも国連軍を組織することに反対した場合は国連軍は組織されませんし、実際に国連軍は一度も組織されたことがありません。
ですので俗に「国連軍」と言われているのは国連安保理事会で満場一致で組織された国連軍ではなく、国連平和維持軍ということになります。
また、民主党政権時代に当時の岡田外務大臣が日米安保の密約に含まれる国連軍としての在日米軍に対する協力の効力は失効しているとの公式見解を述べているため、国連平和維持軍を国連軍だと拡大した場合でも在日米軍基地からの出動は日米安保違反になります。
これらのハードルを乗り越えるには集団的自衛権の行使しかないのが現状ですね。
また、日米安保の場合、有事には自衛隊基地や日本の民間の空港や港湾を協議の上で在日米軍が借用できるとの項目があるので、朝鮮半島有事に集団的自衛権の行使として日米安保が利用できるのなら対馬などの朝鮮半島に近い自衛隊基地や民間の空港や港湾で在日米軍が補給や修理や傷病兵の治療を受けることができますが、集団的自衛権が行使できないと在日米軍は朝鮮半島から遠い長崎の佐世保や沖縄の在日米軍基地まで戻って補給や修理や傷病兵の治療を行わなくてはならなくなります。
Posted by T.K at 2014年07月17日 18:09
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