2007年06月17日

辺野古ってどこにあるの?

沖縄の辺野古(へのこ)で米軍の新基地建設計画が強行されようとしています。

人にその話をしたり、『基地はいらない、どこにも』の上映をしたりすると、たまに「辺野古って沖縄のどこにあんですか?」と聞かれます。
そこで今回は沖縄の中での地理的な場所について説明します。

簡単に言うと沖縄(本)島の北部、東海岸にあります。

沖縄にはさまざまな島がありそれぞれの文化や複雑な歴史背景がありますので「沖縄本島」という呼び方が適切と言えるかどうかという問題がありますが、それはおいておきます。

■なぜ北部なのか?

naha-henoko.jpg

沖縄県の首都である那覇市は沖縄(本)島の南部にあります。

沖縄(本)島の中でも中南部に比べて北部は開発が進んでいないと言われています。
しかし「開発が進んでいない」という表現もあまり正しいとは言えないようです。

1972年に沖縄が日本に「復帰」し、その後、沖縄の「開発」が始まりました。多額の税金が投入され、乱開発で沖縄の自然はことごとく破壊されてきました。
しかし、北部はまだあまり「開発」されていないため珊瑚礁が拡がる美しい海やヤンバルの森などが残っています。
日米両政府は、その北部に新しい米軍基地を作ろうとしているのです。

これは原子力発電所が作られる構図とよく似ています。
人が大勢住んでいるところは危険で反対の声も大きいという事で、人口が少ない場所に巨額の税金を投入して地元の人達を黙らせ、「めいわく施設」を押しつけようというやり方です。

■北部で起きた事件の結果、北部に負担を押しつけ

ここで辺野古での新基地建設計画のきっかけとなった事件の事も説明しなければなりません。

1995年9月、3人の米海兵隊が小学生の子を暴行した事件が起きました。これにより沖縄中の怒りが爆発し、日米両政府は普天間基地の返還を発表したのです。そして、普天間基地を返還する替わりに北部の辺野古に新しい基地を作らせろと言い始めたのです。

futenma-henoko.jpg

そもそも米兵による女性への暴行は、この事件に限らずたくさんあると言われています。そして被害者が声を出して訴えられないために誰にも知られずに終わってしまうケースも少ないないようです。しかし、この事件の場合は被害を受けた子と両親が訴えた事と、小学生だったという事で、大きな問題となりました。

時々、この少女暴行事件が起きたのが普天間基地周辺だと誤解をしている人がいます。きっかけとなった事件なのだから普天間基地の米兵が起こした事件に違いないと思いこんでしまいがちなようです。
しかし、3人の犯人は普天間基地に所属しているわけではなく、中部のキャンプ・コートニー、北部のキャンプ・ハンセン、中部のキャンプ・キンザーの所属でした。そして、事件が起きたのは沖縄(本)島の北部です。

しかし、返還されるとされたのは中部にある普天間基地だったのです。これは普天間基地が人口密集地にあって危険なために沖縄の基地反対運動の中でも象徴的な存在だったためです。

日本政府が普天間基地の替わりに作ると言い出した新基地は、沖縄(本)島の東海岸沖とされました。
一時期、中部にあるホワイトビーチ水域も候補にあがったそうですが、地元と県の反対で断念せざるを得なかったそうです。
http://www.okinawatimes.co.jp/spe/dai961202_2.html#no_3

結局、新基地は沖縄(本)島北部の名護市辺野古に作るという計画になったのですが、人口が少ない場所に決まった事に対しては「住んでいる人が少なければ被害があってもいいのか?」という怒りを感じます。

これは沖縄だけの問題ではありません。そもそも日本(ヤマト)が沖縄に米軍基地を押しつけ続け、今、沖縄の中でも北部で米軍基地が強化されようとしているのです。

辺野古での新基地建設計画に比べて知られていませんが、北部の東村(ひがしそん)高江(たかえ)には米軍のヘリパッドが作られようとしています。
http://blogs.yahoo.co.jp/okinawa_maxi/archive/2006/04/16

■名護市の中でも東西格差

辺野古はかつて久志村という村にありましたが、久志村は1970年に名護町や他の村と合併して名護市になりました。

nago-henoko.jpg

現在、名護市の市街地は西側にあります。下の画像で『基地はいらない、どこにも』の文字の下にビルが建ち並んでいるのが見えると思います。海岸はリゾート地として発展しています。
nago+logo.jpg

辺野古周辺の東側は農業と漁業が中心で人口が少ないところです。
henoko-road+logo.jpg

新基地建設計画が始まってから、日本政府は基地建設を認めさせるために多額の税金を投入してきました。
名護市に払われた交付金も莫大な金額です。市街地に住む多くの人達は東側にある辺野古に基地ができてもあまり被害は受けません。それなのに名護市全体でお金をもらっています。

1997年に行われた名護市民投票では、那覇防衛施設局の役人が各戸にチラシを配るなど、住民投票に介入してきました。
基地建設の推進派もお金目当てで大がかりな運動をしました。それでも市民投票では反対の票が過半数を超えたのです。
http://atsukoba.seesaa.net/article/40515325.html

その後、人口が少ない辺野古周辺にも、大きな箱モノ施設がいくつも建設されました。

kousen+logo.jpg

しかし、名護市も辺野古もこうしたお金で街が活性化したとは言えません。
そのうえ、名護市の財政は米軍基地に頼らなければ成り立たない状況になってしまっているのです。
 
posted by あつこば at 20:08| Comment(21) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
辺野古の米軍基地建設は1966年の米軍マスタープランの焼き直しである、という視点の記事も書いてくださいね。
Posted by 宮坂亨 at 2007年06月17日 23:07
宮坂亨さん、コメントありがとうございます。

1966年の計画については、辺野古での基地建設計画の問題点について極めて簡単に書いた文章で少しだけ触れています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/39912507.html

この件に関して最も詳しく書かれているのは、ご存じかと思いますが以下ですね。
http://blogs.yahoo.co.jp/okinawa_maxi/folder/95014.html?m=lc&p=4

私なりにまとめて書こうと思いつつ、延び延びになっております。

Posted by あつこば at 2007年06月18日 08:55
そもそも、日本(ヤマト)が沖縄に米軍基地を押しつけ続けている、という事をおさえておく必要性を感じたのと、辺野古に限らず沖縄(本)島の北部が特に強化されているという事実を書いておくべきだと思いましたので、以下の部分追加しました。

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これは沖縄だけの問題ではありません。そもそも日本(ヤマト)が沖縄に米軍基地を押しつけ続け、今、沖縄の中でも北部で米軍基地が強化されようとしているのです。

辺野古での新基地建設計画に比べて知られていませんが、北部の東村(ひがしそん)高江(たかえ)には米軍のヘリパッドが作られようとしています。
http://blogs.yahoo.co.jp/okinawa_maxi/archive/2006/04/16
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Posted by あつこば at 2007年06月18日 11:20
福井の原発の位置関係とも似ているような気がします。私は その原発銀座で生活しています。
Posted by ikeo at 2007年06月19日 07:02
ikeoさん、コメントありがとうございます。

やはり原発と似ているんでしょうね。
米軍再編特措法による受け入れ自治体への交付金も原発の方式を採用したそうです。
Posted by at 2007年06月19日 09:13
そもそも、沖縄が戦略の要衝なのですから
しょうがないでしょう。

押しつけるわけではない。
重要だから自然と集中するだけ。
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月20日 00:19
やっぱりしょうがないでしょう。
沖縄は戦略の要衝。
バイパス沿いに郊外型点が林立するのと同じ。
必要だから設置されるのです。
Posted by 帰ってきた左翼撲滅 at 2007年06月20日 00:32
↑あららダブっちゃった。
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月20日 00:34
アメリカの世界戦略と一体になって、日米同盟関係を強化しようというのは一つの考え方です。それならば、当然アメリカ民主主義が戦後日本を形作ったことにひとこと感謝するのがスジだと思う。日本は戦前、悪の枢軸国家でした。(わたしが言っているのではない。アメリカの常識です)それがアメリカに民主主義を教えてもらった。日本の成功例はアメリカにとってイラクに武力介入する最大の論拠でしょう。「独裁国家も民主化できる」
それを日本自身がはっきり言うことが、思いやり予算より数倍、日米同盟を強固にする。
というわけで以下のエントリーを書きました。これに反発するのはよっぽどのカルト右翼でそうね。このブログにはきていないはず…。
ふふふ。


http://ameblo.jp/kandanoumare/entry-10037073355.html
Posted by at 2007年06月21日 01:10
意味不明。

そもそも、戦前の日本は独裁国家などでは
ない。立派に帝国議会があった。

現在の方が良い面もあるし、悪い面もある。
米国だって同じ。よい面は受け入れ、悪い面は批判すればよい。
それを理解できないから、米軍に好意的
な者は等しく従軍慰安婦決議に賛成すべきだ
などという、おおよそ論理のかけらもない
主張に結びつくのだ。
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月22日 00:58
よそ様のコメント欄で暴れる気はないので、そのうち自分のところでエントリーをあげます。
例えばブッシュ大統領は第二次大戦勝利60周年の年の8月31日、演説して、日本の真珠湾攻撃を9,11テロになぞらえて、アメリカは民主主義の敵を打ち負かした、と言っていますね。(読売新聞他の報道)
ブッシュ氏のこの意見は批判すべきか、と問われたら答えられずに、誰も語っていない、米軍に好意的なものは従軍慰安婦決議に賛成すべきだ、などと話をそらせてごまかすしかないだろう人と議論する気はないから。
Posted by kuroneko at 2007年06月22日 22:47
↑日本語になっていない。
何を言いたいのか丸でわからん。
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月24日 00:10
ふふ。どこでも捨て台詞ってワンパターンだね。
Posted by kuroneko at 2007年06月24日 15:24
違う。主語がないから、誰のことを
言っているのか、丸でわからない。

よって、誰からも理解されない。
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月24日 18:08
 >米国だって同じ。よい面は受け入れ、悪い面は
批判すればよい。

 よって米軍に好意的な者も好意的でない者も従軍慰安婦決議には賛成すべきである。
Posted by 下等遊民 at 2007年06月25日 21:38
ウソばっかの従軍慰安婦決議なんて、
賛成する方がおかしい。

悔しかったら事実を突きつけてみな
ま、あんたには無理だろうがな。

ギャハハハハハハハ!!!!
ギャハハハハハハハ!!!!
ギャハハハハハハハ!!!!
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月29日 01:12
ふふふ。アメリカを含めた国際社会は日本の「歴史修正主義」を容認しません。悔しかったら、東京裁判否定声明を安倍首相に発表させてみればいい。

(さすがに馬鹿笑いは自粛)
Posted by kuroneko at 2007年06月29日 16:46

東京裁判と従軍慰安婦は別の命題。
関係ないお話は他所で願う。
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月30日 09:22
どうして別の命題か説明を願う。
Posted by kuroneko at 2007年06月30日 14:16
そもそも東京裁判の時代には
従軍慰安婦という言葉自体がなかった。

全く独立した命題。
Posted by 左翼撲滅 at 2007年06月30日 18:04
言葉がなかったというのは、実態がなかったということではない。

海外のBC級戦犯裁判が東京裁判と同じ法理で審理をしていて、そこ(BC級戦犯裁判)で慰安所の設置や運営に関する罪が問われていたならば、「従軍慰安婦」を問題視する今回の米議会の決議と、東京裁判を成り立たせている論理とは通じていると考えるのは自然であろう。

だが、慰安婦問題と関係ないと言い張るなら、議論の簡略化のために、慰安婦問題とは別個に問うことにする。
「東京裁判は正当な裁判と認めるのか?」
Posted by kuroneko at 2007年06月30日 23:22
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