2007年09月20日

日本政府がお願いして「謝意」を入れてもらった国連決議前文の効果は?

「テロ特措法」の延長が暗礁に乗り上げ、対米従属姿勢の日本政府は、なんとかして給油活動を継続させようと必死です。

国連安保理は前文に日本が給油活動で参加している海上阻止活動などの各国の貢献に対して「謝意」を入れる形で決議を採択しました。

外務省は先月以来、国連決議に自衛隊の給油活動についての「お墨付き」をもらえるように、米、英、仏を中心に働き掛けを続けてきたそうです。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2007091900387

■「安保理議長声明でもいいし、国連事務総長談話でもいい」

自民党の山崎拓前副総裁は18日にこんなことを言っていました。
----------------------------------------------------ここから引用----
山崎氏は、給油活動について「政府は『国連決議を踏まえて』と説明しているが、『国連決議に基づく』という説明はしていない。そこは弱点だ」と指摘。
-------------------------------------------------------中略---------
国連決議を改めて取るべきだ。決議が無理であれば安保理議長声明でもいいし、国連事務総長談話でも(いい)」
----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007091800740

「弱点だ」と言っているところは正直ですね。しかし、日本が給油活動を続けるためにわざわざ国連を動かして決議に入れてもらうという発想は本末転倒だと思います。

しかも、ダメならば○○でもいい、△△でもいい、などとあらゆる手段を使って給油活動を続けたいというのは、下心丸出しで恥ずかしいです。

■感謝を強要するのは茶番

こうした動きについて、民主党の鳩山幹事長は、
----------------------------------------------------ここから引用----
「感謝を(各国に)強要するのは茶番だ。そのことによって民主党の考え方が変わるわけがない。国民の失笑を買う話だ」
-----------------------------------------------------引用ここまで---
と語ったそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070919ia02.htm

■日本というある特定の国の国内事情のための決議案

決議は採択されましたが、賛成14ヶ国でロシアだけは棄権しました。

----------------------------------------------------ここから引用----
ロシアのチュルキン大使は
-------------------------------------------------------中略---------
「不朽の自由」作戦に基づく活動は「国連の枠外で遂行されている」と主張するとともに、決議が日本政府の意向を踏まえて作成されたことを批判した。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007092000087

----------------------------------------------------ここから引用----
「今回の決議案は日本というある特定の国の国内事情のためである。国際社会全体の課題を協議する安保理の性格にそぐわない」などと強い不満を表明しました。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/09/20/d20070920000032.html

日本のお家事情による要請で決議案が変えられたということで、不純な動機に基づくものであるという批判したのですね。

heiwa_main_400.jpg

■これで民主党への切り崩しになるのか?

こうした結果についての見方としては、

----------------------------------------------------ここから引用----
全会一致が得られなかった事実は、国連の場でも海上阻止行動をめぐる見解が分かれていることを逆に浮き彫りにした。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
(上記と同じ記事)http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007092000087

----------------------------------------------------ここから引用----
決定事項を記す本文ではなく前文での言及であることや、ロシアの棄権で全会一致の採択にならなかったことなどから、この決議が給油継続に反対する民主党を切り崩す材料になるかは不透明です。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://news.tbs.co.jp/part_news/part_news3661833.html

という具合です。「前文」は決定事項を記すものではなかったんですね。
結果的にそれでも全会一致できなかったので、日本政府は苦労して根回ししたわりには大きな効果は得られなかったようです。

この状況では、民主党は当然、反対姿勢を崩しません。

----------------------------------------------------ここから引用----
海自の給油活動そのものに理解を示していた前原誠司前代表も「こそくな感じがする」と反発を強めている。
-------------------------------------------------------中略---------
小沢氏は(中略)
「本質的な話ではない。憲法や日米安全保障条約違反を『謝意』でごまかすようなことはあり得ない」
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070920AT3S1901Z19092007.html

----------------------------------------------------ここから引用----
「謝意だけで憲法とか(日米)安保条約とかを乗り越えるという話ではないだろう。国民をだましている」。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/50436.html

民主党が主張しているように、日本政府が姑息な手段で騙そうとしていると思って国民が反発するか、それとも「国連で認められたんだって」と単純に思う人が多くて給油活動を容認する意見が増えるのか、分かれ目と言えます。

できるだけ正しい実態を伝えていくことが大切です。

今回は、日本政府が決議に「謝辞」を入れてほしいとお願いしました。
「感謝してくれ」と頼んでしまったわけですね。

他国からしてみれば
「日本はアメリカに脅されたからなんとか給油活動を続けたいんだろう。首相も辞めて国内の政治問題すら解決できず、国連決議をお願いしてきた程度の国だ。」
と思われているでしょう。

posted by あつこば at 16:08| Comment(9) | TrackBack(1) | 自衛隊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

海自はアメリカだけに給油をしている訳ではなく、フランスやパキスタンにも給油しています。

アメリカに脅されたから給油をしているのではなく、給油が日本の国益に繋がるから給油をしているんです。

それのどこに問題があるのでしょうか?

教えて頂ければ幸いです。
Posted by mukke at 2007年09月21日 00:27
この決議案、日本と言うよりはむしろドイツの国内対策用のものだそうですね。
決議を急いだ為ロシアが棄権しましたが、これもドイツの国会に間に合わせる為だったのだとか。日本の都合なら、総裁選中なのですから別に数日遅らせても全く問題無いですからね。

できるだけ正しい実態を伝えていくことが大切ですね。
Posted by 埼玉県民 at 2007年09月21日 15:14
「できるだけ正しい実態を伝えていくことが大切ですね」
あなたがコレを言いますか?それなら

ヘリポートとヘリパットの違いは?
オスプレイの機体そのものの信用度は?
イラストと写真の場所の関連は?
警備をしていた日本の警察が守っていたモノは?

どれもあなたの思い込みや主観のみで「正しい実態を伝える」ものではなかった
と思いますがね(しかも間違いを指摘されても訂正しないし)

もう少し自分のした発言には責任持った方がいいですよ
Posted by 我王 at 2007年09月21日 23:54
埼玉県民さん

ドイツの事情で急いで採決を強行したという報道もありますね。
----------------------------------------------------ここから引用----
ISAFの任期延長を急いだのには、同じく安保理外のドイツの事情もある。独連邦議会は20日からISAFへの派兵延長を議論する予定で、安保理決議が必要だった。結果として、欧州勢が採決を強行した。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www.asahi.com/international/update/0920/TKY200709200161.html

急がせたのはドイツのようですが、前文に文言を追加するように根回しをしたのは日本とアメリカです。日本は常任理事国ではありませんから根回しをしただけですね。

以下の記事では、アメリカが「最終段階で追加」となっています。
そしてロシアの提案は「無視された」となっています。

----------------------------------------------------ここから引用----
露外務省は「アフガンやほかの紛争に関する過去の国連決議で扱われたことがないまったく新しい要素だ。海上阻止活動を行う根拠について米国などの提案国に説明を求めたが、無視され、性急な採択が行われた」と批判した。
--------------------------------------------------------------------
 露外務省の声明文によると、ロシアは、これまでISAFを原則的に支持し、国連決議にも賛成してきた。だが、今回の決議案では、海上阻止活動に触れた文言を米国代表が議論の最終段階で追加。これに対しロシアは説明を求めたが、無視されたという。
 ロシア側は妥協案として、「いかなる海上阻止、臨検活動も国際法と国内法にのっとって行われなければならない」との文言を盛り込むよう提案したが、これも無視されたという。
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070921-00000089-mai-int

Posted by あつこば at 2007年09月22日 15:20
我王 さん

ヘリポートとヘリパットの違いについては、那覇防衛施設局の見解を紹介しました。
住民の方々に理解していただく立場の那覇防衛施設局としては、とても誠意がある説明とは言えませんね。

オスプレイの危険性については、開発段階での事故は普通のことであるというご指摘をいただきました。他の航空機と比べてオスプレイの事故の確率が高いか低いかなどのデータは持ち合わせておりません。

イラストと写真の場所の関連に関しては、私が感じた印象ですから訂正のしようがありません。

横須賀基地の警備をしていたのが自衛官ではなかったという点については、すでに説明し、最初にご指摘をしてくださった方のご意見も紹介済みです。

いただいた指摘に関してましては、あきらかに事実関係が間違っている高江の人口等については修正してあります。
それ以外の、私の主観にもとづく部分に関しましては、今の時点では訂正する必要性は感じておりません。

仮に、オスプレイが他の航空機と比べて事故の確率が低いというデータなど、具体的に説得力のあるご指摘がありましたら、そこは訂正したいと思っております。
Posted by あつこば at 2007年09月22日 15:40
アセス法の条文に「ヘリポート」と名言されているのなら那覇防衛施設局の
「ヘリポートとヘリパッドは違うモノ」との説明でじゅうぶんでしょ
規制の対象外なんですから

「配備時点」でのオスプレイの信用度がわからないのにわざわざ開発段階での死者数まで出して
信用度の低い危険な機体であるかのような書き方は「正しい実態を伝えている」事になりますか?

イラストと写真の場所がそっくりだから同じ場所であるとしてあなたは話を進めていましたよね?
本当に同一場所なのかどうか確認しましたか?

「日本の警察は米軍基地を守っていますが」
↑これ、あなたの発言ですよ
正しくは基地の「周辺の治安」を守っているのですよね?
この発言は「正しい実態」ですか

で、最後はまた調べるのは人任せ
その他人の出したデータが間違っていたらどうするんですか?それを「正しいデータ」としてとりあげるんですか?
そんな考え方でよく「出来るだけ正しい実態を伝えていくことが大切」だなんて言えますね

これまでのあつこばさんの態度を見ていれば説得力ゼロですよ、そのセリフ
Posted by 我王 at 2007年09月22日 20:36
我王さんへ
 あつこばさんをかばう訳では有りませんが、「できるだけ正しい実態を伝えていくことが大切ですね」と書かれたのは、あつこばさんの偏向を指摘した埼玉県民さんですので、先に訂正しておきます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本題ですが、

 本ブログは、あつこばさんの主張を外に示すために開かれたもの。だから、恣意的に情報操作しようが世の愚民共を煽動しようがブログ主の「庭」ですからどの様に剪定しようが勝手だと言われそうですが・・・・・

 事実を知ってか知らずか。客観的な事実を基にすべきなのに、あつこばさんのされていることは「主観に基づく部分は訂正する必要性は無い」と言って、誤った情報を、さも事実かの様に流布して無知な愚民を騙して世論を都合良く誘導する、単なる煽動です。
 事実を歪めて自己の主張を押し付ける限り、誰も相手にはしてくれません。

 そもそも、あつこばさんは日本をどうしたいのか?基地を無くして軍隊を無くして人民中国に占領して欲しいのか、「日本沈没」させたいのか、逆に日本を良くするためには?・・・如何に思っているか全然見えない。細かい枝葉ばかりで、森全体を見渡していない様に思います。

(そうか、あつこばさんは、私達では無くて、無知な愚民しか相手にしていないから関係ないのかなぁ)
Posted by 久々の郷里に帰った沖縄県民 at 2007年09月23日 02:45
沖縄県民さん
記事の内容を最後まで読まれましたか?
あつこばさん自身がその一節を書いていますよ
Posted by 我王 at 2007年09月23日 08:50
ブログの更新はしてもこちらの指摘に関しては都合が悪いからダンマリですか
「出来るだけ正しい実態を伝えていくことが大切」なんじゃなかったんですか?
Posted by 我王 at 2007年10月02日 23:24
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/56275373

この記事へのトラックバック

日本の国内事情を反映した国連決議?
Excerpt: 今秋の再開国会ではテロ特措法関連について 民主党と自民党とで議論が始まろうとしています。 その最大の論点は、自衛隊の海上給油活動が アフガニスタンでの対テロ活動として国際的に認知され、 評..
Weblog: 自分なりの判断のご紹介
Tracked: 2007-09-29 16:02