2008年01月26日

「ジュゴン裁判」米連邦地裁で勝訴!!

沖縄 辺野古(へのこ)での米軍基地の建設計画を巡り、アメリカの国防総省を訴えていた「ジュゴン裁判」で、原告側が勝訴しました!

この裁判は、日本環境法律家連盟、ジュゴンネットワーク沖縄、アメリカにある生物多様性センターなどに加え、ジュゴンも原告団に加えられたことが話題になっていました。


(「おもしろ三重版」http://www.h4.dion.ne.jp/~mieban より、鳥羽水族館のジュゴン)

原告側は、日本の天然記念物であるジュゴンの保護を訴え、基地建設の中止を主張しました。その根拠となったのはアメリカの「文化財保護法法(NHPA)」です。

被告となった米国防総省は「辺野古での基地建設は日本政府がやっていることだ」「辺野古沖案から沿岸案に変更になったからこの訴訟は却下するべきだ」などと主張していました。

現地時間の24日に出された判決では、米国防総省による「不合理な遅滞と違法な保留」があったと、被告側に対して厳しく指摘しました。
そして、ジュゴンへの影響を評価するために「どのような追加情報が必要か」を示した文章を90日以内に提出するように命じています。

読売新聞の九州版では、防衛省内の強気なコメントを紹介しています。
↓ここから引用
--------------
防衛省内では「普天間移設はあくまで日本国内の事業であり、米連邦地裁の命令が直接影響を及ぼすことはないだろう」(幹部)との見方が強い。
--------------
↑引用ここまで
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_08012552.htm

たしかに「判決には、代替施設建設を差し止める強制力はない」そうです。
http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-11.html

しかし、前回も書いたように、日本での環境アセスの調査はずさんなものです。
http://atsukoba.seesaa.net/article/80096114.html

以下のような指摘もあります。
↓ここから引用
--------------
日本環境法律家連盟事務局長の籠橋隆明弁護士は「国防総省は日本政府のアセス結果を地裁に提出するだろうが、その内容は米国で求められる水準には到底達しない。地裁が審査し、さらなる決定を出す可能性もある」と指摘した。
--------------
↑引用ここまで
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200801251700_01.html

今回の判決がでたことで、日本の環境アセスのやり方が海外で注目されます。
沖縄大学の桜井学長(環境学)は、
「米国防総省は日本側にアセスをちゃんとやるように言ってきた」(琉球新報)
「判決で米国民に対する説明責任を負わされた米政府が、日本政府に圧力を強めるのは必至だ」(沖縄タイムス)
と語ってるそうです。

この裁判の課程では、米国防総省が提出した資料により、陸上も飛行ルートになることや、爆弾を積む施設を作る計画があること、214メートルの長さの岸壁や航空機の洗浄する場所をアメリカ側が求めていることなど、日本政府が隠していた計画も明るみに出ました。


(画像は「沖縄・辺野古海上基地の問題を中心に maxi's_page」http://blogs.yahoo.co.jp/okinawa_maxi/archive/2007/10/24 より)

今回の裁判で、仮に米国防総省が控訴したとしてもジュゴンに影響がないことを証明するのは難しいでしょう。
↓ここから引用
--------------
国防総省がこの訴訟を通して裁判所に提出した自らの調査結果を含めて、「基地建設は沖縄のジュゴンに影響を与えない」と明言した調査結果は今まで一つもない。
--------------
↑引用ここまで (沖縄タイムス『吉川秀樹「ジュゴン訴訟」のゆくえ』より)

防衛省が強行している、環境アセスに基づかない「事前調査」のずさんさも含め、こうした問題を広めていくことで、辺野古での基地建設は止められるかもしれません。

【1月27日 追記】
正確には、今回は「審理停止」であって「最終判決」ではないとのことです。
メディアによって表現は「判決」「命令」「決定」など、さまざまです。
以下、沖縄タイムスに掲載された判決要旨より、審理停止の部分です。
↓ここから引用
--------------
国防総省に対して、文化財保護法に従うよう命じる。普天間代替施設がジュゴンに与える影響を評価するために必要な情報が得られ、国防総省がこれらの情報を考慮するまでの間、この審理は停止される。
--------------
↑引用ここまで

【1月28日 追記】
「判決」であることは間違いなく、判決は出たけれども「地裁が今後も関与する意向を表明した異例の措置」(27日 沖縄タイムス)だそうです。
上記で「サンフランシスコ連邦地裁の判決によると、45日以内に控訴ができるそうです」と書いたのは間違いでしたので削除しました。
正確には、米国防総省が90日以内に提出する文章に対して、原告側が「45日以内」に応答(反論)できる、という意味だそうです。
posted by あつこば at 15:53| Comment(5) | TrackBack(1) | 米軍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ジュゴンに影響があるかと言えば、確実に
「ある」でしょう。あれだけ綺麗な海です
からね。それはあつこばさんが見事に撮っ
てくださった映像からも明かでしょう。

しかし、それでも国家の安全保障は、
ジュゴンより上位に位置するのでは
ないかというのが論点です。

お門違いの米国国防総省を訴えても
意味がない。日本国内の建設許認可は
日本政府が握っているのですから、
日本政府が(仮に)建設を許可して、
米国が差し止めたら、これは内政干渉。
国家独立の原則の干犯であり、憲法9条
違反なんて真っ青の、日本国憲法に対する
挑戦状です。
Posted by 左翼撲滅 at 2008年01月27日 00:17
だから、あつこばさん。米国の「世論」
に訴えて援護射撃を得る、という戦略と
してこの裁判を位置づけるなら理解でき
ます。

でも、あくまで(辺野古建設阻止する気なら)
攻撃目標は日本政府ですよ。
Posted by 左翼撲滅 at 2008年01月27日 00:20
そうです。
最大の問題は日本のずさんな環境アセスの実態と、環境アセスにさえ基づかない「事前調査」です。

アメリカでの裁判を通して、それがより明確になるのです。
Posted by あつこば at 2008年01月27日 06:17
【1月28日 追記】
「判決」であることは間違いなく、判決は出たけれども「地裁が今後も関与する意向を表明した異例の措置」(27日 沖縄タイムス)だそうです。
上記で「サンフランシスコ連邦地裁の判決によると、45日以内に控訴ができるそうです」と書いたのは間違いでしたので削除しました。
正確には、米国防総省が90日以内に提出する文章に対して、原告側が「45日以内」に応答(反論)できる、という意味だそうです。
Posted by あつこば at 2008年01月28日 11:06
初めて、投稿します。

 今話題の辺野古沖への基地移設にあたり、サンフランシスコ地裁とジュゴンについて調べていたところ、あなたのブログに辿り着きました。その中で、日本での環境アセスの調査はずさんであるという項目を見つけ、飛びも読ませていただきました。
 しかし、残念ながら本質が抜け落ちていたので、少しだけ情報をと思い筆を執りました。

 かく言うわたくしは、数年ほど環境アセスの会社で働いたことがあります。一般的にいって調査は緻密に行っており、依頼された仕事に対しては、多くの蓄積データーがありました。多分、辺野古沖を調査された会社にも多くの蓄積されたデーターがあるはずだと思います。

 では、なぜ日本での環境アセスの調査は杜撰なのでしょうか?
 もしかしたら皆さんは、欧米のアセス会社のように政府からお金を貰って調査を行い、その結果を踏まえて、政府が計画を立案すると思われているかもしれません。
 でも日本では、調査した結果に金を支払うのです!!

 もっといえば、国交省や環境省が調査した結果が不満だと、お金を支払ってくれないのです。
 アセス会社にとって、政府の筋書き通りの文章を書くのは、本当は面白くなくても従業員を養うためには仕方がないことなのだと思います。従業員だって、どう故事つけようか悩まなければならないので、仕事に時間もかかるし、面白くないのです。ある意味、役所の下部組織です。

 したがって日本の環境アセスは、政府案の最初からダムや道路ありきの結論に「調査をしたから大丈夫です。」というお墨付きを与えるポジションに成り下がっているに過ぎません。
 丹頂鶴の生育地とか誰の目からみても明らかで、国民から反発を喰らうような事象でない限り、役人達は現場の自然ことなど興味がなく、自分達が造るダムや橋(いわゆる実績)のことしか考えてないように思われます。

 こうして出来上がってきた報告書類を、専門家や慧眼の人たちが読むと、「何かおかしいようなぁ」といわれるのは、当たり前のことかもしれません。

 つまりは、日本の環境アセスの調査は杜撰なのではなく、自分達の筋書き通りに計画を運ぼうとする発注側の政府機構に問題があるということです。
 役人達の思惑抜きの報告書が書ければ、役人を除いてみんなが納得するアセス調査報告書になると思います。
Posted by 雲谷斎 雪隠 at 2010年05月07日 10:44
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