2010年06月11日

「いかなる場合でも8月末日までに」とは?

普天間基地の「移設」先を辺野古と明記した日米の共同声明が5月28日に出されました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/151492102.html

そして、その直後の6月2日に鳩山首相が辞意を表明しました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/151876095.html

このブログでは、菅首相になってからの重要な動きをフォローしていきます。以下のURLをクリックしていただけると、菅首相の就任演説から時系列で見ることができます。
http://atsukoba.seesaa.net/category/8339156-1.html

私が忙しかったり気が付かなかったりして紹介しきれていない情報等がありましたら、コメント欄でフォローしていただけると幸いです。

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さて、菅首相は、就任後はじめての記者会見(6月8日)で以下のように発言しました。

kan100608.jpg
(画像は首相官邸のサイトより)

↓ここから引用
--------------
私は、政治の役割というのは、国民が不幸になる要素、あるいは世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくのか、最小不幸の社会をつくることにあると考えております。
--中略--------
貧困、あるいは戦争、そういったことをなくすることにこそ政治が力を尽くすべきだと、このように考えているからであります。
--------------
↑引用ここまで
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201006/08kaiken.html

これはそのとおりだと思います。

戦争を無くすには近隣の国との緊張関係をなくしていく必要があります。
アメリカ軍普天間基地の「移設先」とされている沖縄、辺野古での新しい基地が造られてしまうと、近隣の国からはたいへんな「脅威」となります。

その辺野古での基地建設計画について、同じ記者会見で菅首相は以下のように述べています。

↓ここから引用
--------------
8月の専門家による1つの方向性を出すということは、それは一つの日米間の日程上の約束になっているわけですけれども、そのことと沖縄の皆さんの理解を求めるということは、やはり並行的に進めていかなければならない。
--------------
↑引用ここまで
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201006/08kaiken.html

つまり、5月28日に出された日米の外交・防衛担当の閣僚による共同声明で、辺野古での新基地の位置や工法の検討を「いかなる場合でも8月末日までに」完了させるとしているのは、沖縄の人たちの合意とは別に行うということです。

参考:日米の外交・防衛担当の閣僚による共同声明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/joint_1005.html

アメリカ側は、鳩山首相が退陣する可能性や7月に行われる選挙なども視野に入れたうえで、上記の「いかなる場合でも8月末日までに」という文言を共同声明に入れさせたのでしょう。


岡田外務大臣も6月4日の記者会見で以下のように話しています。

okada-clinton.jpg
(画像は外務省のサイトより)

↓ここから引用
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8月末というのはすぐですから、早々に決めなければいけない問題だと思います。沖縄との対話は必要ですから、それが全くないまま、日米だけで、場所や工法を決めるということは考えにくい訳ですが、
--中略--------
8月末までに完全に沖縄側の理解がないと前に進めないかというと、それはそういうことではないだろうと思います。
--------------
↑引用ここまで
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_1006.html#3-F


そして北澤防衛大臣(6月9日)

kitazawa-roos.jpg
(画像は防衛省のサイトより)

↓ここから引用
--------------
8月末には少なくとも場所と工法というものは日米で合意をしなければなりません。私は日米で合意をするプロセスを沖縄の皆さんにできる限り透明性を確保しながら、お伝えをしていくと。
--中略--------
8月末に地元、沖縄の合意を取り付けるということは、必ずしもきちんとできるとは思っておりません。
--------------
↑引用ここまで

そして、日米合同訓練と米軍単独での訓練を、沖縄から全国に拡散させることについては……

↓ここから引用
--------------
訓練移転をするメニューみたいなものが、米側から「こういうものができますよ」と、我々の方から「この程度のことはどうですか」とういうようなことを持ち出して、両方で協議をしてというようなメニューは、8月末までにはできれば作り上げたい。
--------------
↑引用ここまで

そして「徳之島が訓練移転を受け入れるということは確定されておりません」としたうえで、

↓ここから引用
--------------
いずれどこかでやっていただくことになるということになれば、沖縄の負担の軽減には繋がるということで沖縄のご理解も深まるのではないかと思っております。
--------------
↑引用ここまで
と言ってます。
http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2010/06/09.html


日米の外交・防衛担当の閣僚による共同声明で「いかなる場合でも8月末日までに」という文章を入れさせたのはアメリカ側だとされています。

↓ここから引用
--------------
米側は共同声明の作成にあたって、代替施設の位置、工法などに関して「検討を速やかに完了させる」とした文案に対し、「いかなる場合でも8月末日までに」との文言を盛り込むよう求め、最後まで引かなかった。
--------------
↑引用ここまで
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100602/plc1006022100035-n1.htm

「いかなる場合でも8月末日までに」という文言の「効力」が早くも現れてきてしまいました。

このままだと、地元の合意がないまま、8月末には辺野古での基地建設計画が立てられ、全国各地への訓練拡散も地元合意なしで決まりそうです。

posted by あつこば at 07:34| Comment(0) | TrackBack(2) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月13日

自民党と酷似していく民主党が、辺野古での基地建設を進め、米軍の訓練を全国に拡散

菅首相は今月11日に行った所信表明演説で、23日の慰霊の日に沖縄を訪問すると発表しました。そして、
「沖縄を襲った悲惨な過去に想いを致すとともに、長年の過重な負担に対する感謝の念を深めることから始めたい」
としました。
(所信表明演説より http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201006/11syosin.html

「長年の過重な負担に対」して「感謝」はするものの、その沖縄の辺野古(へのこ)に新しい米軍基地を造るつもりです。

所信表明演説と同じ11日、民主党は次の参議院選挙用の政権公約(マニフェスト)を決定しました。

↓ここから引用
--------------
米軍普天間飛行場移設問題では、名護市辺野古への移設を明記した5月末の日米共同声明に基づき対応する方針を明記する。
--中略--------
会議後に会見した細野豪志幹事長代理は、米軍再編について2009年の衆院選時のマニフェストでは「見直しの方向で臨む」としていた表現から、日米合意を踏まえる表現に「修正する」(細野氏)とし、同移設問題は「日米合意を前提として、どう(沖縄の)軽減を図っていくのかという、次の段階に来ている」と述べた。
--------------
↑引用ここまで
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-163404-storytopic-3.html

「日米合意を踏まえる」つまり辺野古に基地を造りながらも、沖縄の負担を「軽減」するなどと言っています。

そして、12日に菅首相が東京都内で行った就任後はじめての街頭演説では、

「国民が多少の代償を払っても国を守り、育てようというのが外交の力だ。国民がどれだけ国の在り方に責任を持とうとしているのかで決まる。」
と発言しました。
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010061201000531.html

菅首相は「代償」「責任」「国を守り」といった言葉で、全国各地に米軍の訓練を押しつけようとしています。

5月28日の日米外交・防衛担当の閣僚による共同声明では、
日米合同訓練と米軍単独での訓練など「米軍の活動」を沖縄から全国に「拡充することを決意した」
とされています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/joint_1005.html

2006年の米軍再編で自民党政権が「沖縄の負担軽減」という名目で全国各地の自衛隊基地に米軍の訓練を拡散したのを、民主党がさらに拡げようとしているのです。

iten.gif
(画像は防衛省のサイトより「訓練移転及び緊急時使用」)
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/iten.html

(訓練の移転等について以前書いた文章は以下です。)
http://atsukoba.seesaa.net/article/54180345.html
http://atsukoba.seesaa.net/article/144244573.html

(DVD『基地はいらない、どこにも』では米軍再編による訓練移転についても描いています。)
http://kichidoko.exblog.jp/

米軍再編で、沖縄の嘉手納基地で行われていた訓練は全国に拡散しましたが、嘉手納基地にはその後、米本土などからやってくる外来機が訓練を続け、結局、嘉手納基地での爆音は減りませんでした。

「負担軽減」の名目で全国で基地強をするという計画は、認めるべきではありません。

posted by あつこば at 11:12| Comment(23) | TrackBack(2) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

菅首相の沖縄訪問、まとめ

6月23日は沖縄の「慰霊の日」でした。そして現在の日米安保条約が発効した日でもあります。

菅首相は沖縄全戦没者追悼式に出席し挨拶しました。
所信表明演説で「長年の過重な負担に対」して「感謝」を表明した菅首相は、沖縄ではさすがに「謝罪」を先に言いましたが、やはり「感謝」も口にしました。

↓ここから引用
--------------
いまだに沖縄には、米軍基地が集中し、大きな負担をお願いし続けております。そのような負担を掛けてきたことに対し、全国民を代表して、おわびを申し上げます。
--------------
他方、この沖縄のご負担が、アジア・太平洋地域の平和と安定につながってきたことについて、率直にお礼の気持ちも表させていただきたいと思います。
--------------
今後、米軍基地にかかわる沖縄の負担の軽減と、危険性の除去に、一層、真剣に取り組んで参りますことをお約束させていただきます。
--------------
↑引用ここまで
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-06-24_7518/

沖縄全戦没者追悼式で挨拶する菅首相 沖縄全戦没者追悼式で献花する菅首相
(画像は首相官邸のサイトより)
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/actions/201006/23okinawa.html

菅首相が「感謝」したことについての沖縄での反応は以下のようなものです。

↓ここから引用
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「いやだと言っている基地負担をなぜ感謝されないといけないの」
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「米国の軍事植民地をこれ以上我慢しろということか」―。
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菅直人首相が、悲惨な戦争の犠牲者の冥福を祈る沖縄全戦没者追悼式で口にした場違いな基地負担への感謝発言に、参列者からは「冗談じゃない」との怒号も飛ぶなど県民との意識の落差が浮き彫りになった。
--------------
↑引用ここまで
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-06-24_7510/

そして、前述の挨拶で菅首相が語った「沖縄の負担の軽減」とは、前回このブログで書いたような普天間基地などで行われている米軍機の訓練を全国に拡散させることです。
http://atsukoba.seesaa.net/article/153100050.html

そして菅首相が語った「危険性の除去」とは普天間基地の「移設」、つまり辺野古に新しい基地を造ることです。

6月15日についで二度目となった仲井真知事との会談で、菅首相はにこやかな表情で語りかけていました。

仲井真沖縄県知事と会談する菅首相
(画像は首相官邸のサイトより)
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/actions/201006/23okinawa.html

↓ここから引用
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仲井真氏との会談には「かりゆしウエア」で臨み、「今日は泡盛でも飲みたいところですけど…」と切り出して沖縄の理解者を演出した。
--中略--------
名護市辺野古への移設を柱とする日米合意で8月中に検討を終えるとした代替施設の具体的な位置や工法に触れず、「負担軽減に全力を尽くしたい」と強調した
--------------
↑引用ここまで
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100623/plc1006231900008-n2.htm

こうした姿勢に沖縄での反応は冷ややかです。

↓ここから引用
--------------
具体的な提案がないまま、「沖縄の負担軽減」を繰り返す政府の姿勢に、県首脳は「足を踏み続けながら、具体的な方法は言わず、申し訳ない、痛みを和らげます、と繰り返しているようなもの。県としては足をよけてほしいのだが」と漏らした。
--------------
↑引用ここまで
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-163969-storytopic-9.html

会談相手の仲井真知事は、あいかわらず煮え切らない態度で、辺野古での基地建設に対して「反対」とは表明しません。

↓ここから引用
--------------
仲井真知事は、アメリカ軍普天間基地の移設問題で、名護市辺野古に滑走路を建設するとした先の日米合意について「沖縄県内の状況はなかなか厳しい」と述べ、現状では移設は困難だという認識を重ねて示しました。
--------------
↑引用ここまで
http://www.nhk.or.jp/news/html/20100623/k10015304641000.html

「なかなか厳しい」ということは、仲井真知事は本音は辺野古での基地建設を容認したいけれども「なかなか厳しい」ということなのでしょうか?

会見後の仲井真知事の記者会見の一部がNHKの昨夜7時のニュースで放送されていました。
↓ここから引用
--------------
「県内移設はきわめて難しいというボルテージはむしろ高まっているんであって、県民が納得いく解決策を責任もって政府が出さないとですよ、進まないと私は思うんですよね。」
--------------
↑引用ここまで

「県民が納得いく解決策」は県外移設です。辺野古での基地建設に対して「反対」と示さない仲井真知事も困ったものです。

posted by あつこば at 16:42| Comment(31) | TrackBack(2) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月29日

菅首相とオバマ大統領が公式初会談

6月27日の夜(日本時間だと28日午前)、菅首相とオバマ大統領が会談しました。
普天間「移設」に関して踏み込んだ話し合いはなく、日米関係を対外的にアピールする場にすぎなかったようです。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100628-OYT1T00684.htm
↓ここから引用
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菅首相とオバマ米大統領の初の日米首脳会談は、約35分の会談後、両首脳が記者団を会談場に招き入れ、約15分にわたって日米同盟や経済問題での認識の共有を強調するなど、米軍普天間飛行場移設問題でぎくしゃくした日米関係の修復を強くアピールするものとなった。
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会談後半、両首脳が話し合う現場を記者団に約15分も取材させたのは、極めて異例の対応だった。首相同行筋によると、「充実した会談を行うと同時に、日米が協力していく、との姿勢を内外に強く訴えたいという両首脳の意向で設けられた」という。
--------------
↑引用ここまで

今年4月の核安全サミットの際には、鳩山首相との正式な首脳会談は行われず、夕食会時の10分間の会話だけでした。
首相が替わったので、とりあえず関係修復したことにしたのでしょう。

http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010062801000206.html
↓ここから引用
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首相は普天間問題で「日米合意に基づき、実現に向け真剣に取り組みたい。沖縄の負担軽減について米国の協力をお願いしたい」と要請。
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オバマ氏は移設に関し「日本政府にとって簡単な問題ではないと理解している。米軍が地域で受け入れられる存在であるよう努力したい」と述べた。
--------------
↑引用ここまで

「日本政府にとって簡単な問題ではないと理解している」というのは、かなり日本側に配慮する姿勢を示したと思います。
実は、オバマ大統領も14年間できなかった辺野古への「移設」はできそうもないと思っているのではないでしょうか? 立場上、「ムリそうだからやらなくてもいいよ」とは言いづらいでしょうけど……。

「米軍が地域で受け入れられる存在であるよう努力」するというのは、「良き隣人」政策でも進めたいのでしょうか?
※「良き隣人」政策については以下に書いています。
http://atsukoba.seesaa.net/article/85154491.html

今回の日米会談について、沖縄県の仲井真知事は、
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-06-29_7637/
↓ここから引用
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「県への説明がないまま、(日米)合意と称するものをどう実行するのか。二人で沖縄に地図を描いても簡単にいかないのではないか。基本的には頭越しの延長だ」
--------------
↑引用ここまで
と批判しました。

菅首相とオバマ大統領、公式初会談菅首相とオバマ大統領、公式初会談
(画像は首相官邸のサイトより)

辺野古での基地建設計画(普天間「移設」)以外に、日米安保条約が改訂されてから50年になる「日米同盟」についても話し合われました。

http://www.asahi.com/politics/update/0628/TKY201006280156.html
↓ここから引用
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日米同盟について、首相は会談で「アジア太平洋地域の平和と安定の基になったことを誇りに思う」と述べた。また、「日本の国民自身が日米同盟の意味をどう受け止め、将来、どのような選択をするのか、もっと議論する必要がある」と語った。
--------------
↑引用ここまで

「将来、どのような選択をするのか、もっと議論する必要がある」というのは、含みがある発言とも取れます。
私が昨年、街頭インタビューしたところ、日本に「アメリカ軍はいる」と答えた人と「アメリカ軍はいらない」と答えた人は、同じぐらいの数でした。
ぜひ、国民的な議論にしていただきたいと思います。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100628/plc1006281126010-n1.htm
↓ここから引用
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大統領も「この同盟をその時々の情勢にあったものに、新しくしていくことが大事だ」と述べ、両首脳は同盟関係を一層深化させることで一致した。
--------------
↑引用ここまで

つまり、日米安保での「極東の平和と安定を守るために」という極東の範囲は無視して、アフガニスタンやイラク、そして「海賊体策」といった「その時々の情勢」に合わせて、今後も協力しろ、と日本に対して言っているわけです。
この姿勢は、ブッシュ大統領の時代と変わりません。


日米首脳会談の前に行われたオバマ大統領の記者会見では、こんな発言もありました。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-164178-storytopic-53.html
↓ここから引用
--------------
オバマ米大統領は27日、20カ国・地域(G20)首脳会合閉幕後にカナダのトロントで記者会見し「日米同盟が強固で活気に満ちていること」は、アジア安定の基礎として日米両国にとどまらず中国、韓国の利益にもなると指摘。発効から50年を迎えた現在の日米安全保障条約は「今後の50年間も持続する」と述べた。
--------------
↑引用ここまで

「中国、韓国の利益にもなる」と勝手に決めつけているところが、アメリカの大統領らしいです。

posted by あつこば at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月04日

辺野古は問答無用に着工できない。普天間基地は閉鎖へ

先月からこのブログでは「普天間「移設」関連 2010年6月〜」という新しいカテゴリーを作っています。
http://atsukoba.seesaa.net/category/8339156-1.html
で、時系列にそって普天間「移設」に関する動きを読むことができます。

すでに月が変わって7月になってしまいましたが、今回は先月の動きの中で重要だけど紹介できていなかったものを取り上げます。
(私一人では限界がありますので、紹介できていない動きがありましたらぜひコメント欄で補足していただけると幸いです。)

henoko_kusatsu.jpg
(画像は防衛白書より辺野古の空撮)

【菅首相「特措法はまったく念頭にない」】

辺野古での基地建設計画は、埋め立てをする場合に沖縄県知事が許可を出さなければできません。
そこで、知事の許可が無くても埋め立てができる特別措置法を作るのではないかという懸念が一部で指摘されていました。

菅首相は、6月15日、参議院本会議の代表質問での佐藤正久議員らへの答弁で以下の発言をしました。
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010061501000941.html
↓ここから引用
--------------
(公有水面の)埋め立て許可の県知事権限を取り上げるような特別措置法は全く念頭にない。
--------------
↑引用ここまで

6月22日の党首討論会でも発言しました。
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010062201001114.html

↓ここから引用
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日米合意を守るという前政権の約束を変えるつもりはない。だからといって沖縄の皆さんの理解がない中で特別措置法をつくって強引に進めるということは、米軍普天間飛行場の移転問題だけでなく、幅広い沖縄の基地問題や日米関係を含めて必ずしもいいことではない。
--------------
↑引用ここまで


【問答無用ですぐ着工することにはならない】

6月23日に沖縄を訪問した際には、記者会見で以下の発言もしています。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100624k0000m010065000c.html
↓ここから引用
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日米共同声明で普天間代替施設の工法などの決定期限を8月末としていることについて「検討が終了したからと問答無用ですぐ着工することにはならない。十分に地元の皆さんと議論を重ねたい」と理解を求めた。
--------------
↑引用ここまで

同じ記事では、仙谷由人官房長官の以下の発言も紹介されています。
↓ここから引用
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強引に県内移設を推し進めれば「(移設計画は)絵に描いた餅」(仙谷由人官房長官)
--------------
↑引用ここまで


【アメリカ側が徳之島での基地整備に1000億円超の要求】

徳之島への訓練移転は、地元の反対が強く現実的ではないでしょう。
仮にやることになった場合でもかなりの金額と期間がかかるという報道がされました。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100626/plc1006260130001-n1.htm
↓ここから引用
--------------
訓練移転先として鹿児島県・徳之島の徳之島空港を活用する場合、給油施設の整備や滑走路拡張などのための施設整備費が1千億円を超える見通しであることが25日、日本政府の試算で分かった。
--中略--------
これまでの日米協議で、米側は(1)航空管制施設(2)燃料給油施設(3)格納庫−などの建設が新たに必要になると指摘。
--中略--------
工期も最大8年程度かかることが分かった。
--中略--------
日米両政府は普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古崎地区への移設で合意しており、従来の計画通りに建設すると、工費は約3500億円となる。これに対して、訓練のみに使用する徳之島整備に1000億円超を注ぎ込むことには批判も出てきそうだ。
--------------
↑引用ここまで


(「おもしろ三重版」http://www.h4.dion.ne.jp/~mieban より、鳥羽水族館のジュゴン)

【日本自然保護協会がジュゴンなどの調査】

今年10月に名古屋で行われるCOP10(コップテン/生物多様性条約 第10回締約国会議)に向けて、環境問題でもさまざまな取り組みが行われます。

http://www.asahi.com/science/update/0618/TKY201006180257.html
↓ここから引用
--------------
財団法人日本自然保護協会(東京都中央区)は7月下旬、沖縄県名護市辺野古の沿岸海域で、絶滅の恐れがあるジュゴンの食草などを調べる緊急の「生物多様性調査」をすることを決めた。
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ジュゴンは沖縄全体でも生息数は50頭以下とされているが、専門家からは、現状では10頭未満との指摘も出ている。
--中略--------
ジュゴンは国の天然記念物で、環境省のレッドリストでは最も絶滅の恐れが高い「絶滅危惧(きぐ)A類」に指定されている。
--------------
↑引用ここまで

日本自然保護協会のサイトは以下です。
http://www.nacsj.or.jp/
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/henoko/2010/05/nacs-j.html
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/henoko/2010/06/-2010.html


0.8A_700.jpg

(画像は宜野湾市のWebサイトより普天間基地)

【宜野湾市が国を提訴する意向】

基地の爆音などの被害に関して、住民たちが国を訴えた裁判はありましたが、地方自治体が国を訴えるというのは初めてだそうです。

http://www.nhk.or.jp/lnews/okinawa/5095396052.html
↓ここから引用
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普天間基地が市の面積の4分の1を占める宜野湾市の伊波市長は、基地の違法性を裁判で問うことができるかどうか弁護士などの専門家に調査を依頼し、1日、記者会見で調査結果を明らかにしました。
--------------
それによりますと、調査結果は、「普天間基地は住宅地に隣接し、飛行場としての安全性を欠いている。こうした基地を国がアメリカに提供する行為は自治体が受け入れられる限度を著しく超えるもので違法だ」などとしています。
--------------
これを受けて伊波市長は、国が普天間基地をアメリカに提供するとした合意の無効と損害賠償を求めて、裁判を起こす方針を決めました。
--------------
宜野湾市が提訴すればアメリカへの基地の提供をめぐって自治体が国の違法性を問う初めての裁判になるということです。
--------------
会見で伊波市長は、「沖縄は過酷な基地負担を押しつけられ、市民、県民は基本的人権さえ踏みにじられた生活を強いられている。政府の普天間基地の提供のあり方を司法に問いたい」と述べ、今後、市議会などと提訴に向けて調整を行っていく考えを示しました。
--------------
↑引用ここまで


http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-164453-storytopic-53.html
↓ここから引用
--------------
普天間飛行場を抱える宜野湾市の伊波洋一市長は2日、記者会見を開き、国が同飛行場の危険性を放置したまま米側に提供し続けているのは違憲だとして、国を提訴する意向を示した。
--中略--------
9月招集予定の市議会定例会に訴訟費用の一部を盛り込んだ2010年度補正予算案を提出する。
--中略--------
伊波洋一宜野湾市長は、同飛行場の県内移設を阻止し、国外移設や閉鎖への可能性を模索することを訴訟の主眼としている。
--中略--------
「無効確認訴訟」は、飛行場の提供が自治権と平等権を侵害している点を追及。「国家賠償請求訴訟」は「損害賠償金を得るためのものではなく、米軍提供施設の違憲性や普天間飛行場を提供し続ける行為の違法性を問う」(新垣勉弁護士)ことを最大の目的とする。
--中略--------
市議会は反市長派が多数占めているが、4月25日の県民大会には市議会として参加を表明し、伊波市政と歩み寄る姿勢を示すなど、議決に向けて明るい判断材料はある。
--------------
↑引用ここまで

辺野古での基地建設は、できない状況になりつつあります。
そして、普天間基地も閉鎖させようという動きが進んでいるわけです。

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菅首相が参議院選挙まで政府案を先送りするよう指示

先月気になっていた報道のなかで、ひとつ紹介するのを忘れていました。
6月25日の産経新聞の報道です。他での報道を見ていませんので、飛ばし記事の可能性もありますが、

http://sankei.jp.msn.com/world/america/100625/amr1006250131001-n1.htm
↓ここから引用
--------------
菅直人首相が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題で、7月11日投開票の参院選が終わるまで、日本政府案を米側に提示しないよう外務当局に指示していたことが分かった。
--中略--------
日本政府が提案の先送りに理解を求めてきたのは、参院選前に政府案を米側に提示した場合、現行案に近い案を選択せざるを得ず、沖縄県民などの反発を招き選挙対策上、得策ではないとの日本側の判断があったものと分析している。
--中略--------
そもそも、5月の日米合意にある「8月末日」という期限について、日米関係筋は「時間がないので事実上、06年の合意案を踏襲するという意味だ」と語っている。
--------------
↑引用ここまで

菅政権が日本政府案の提案を先送りしたことで、8月末までに完了させるとしている「代替の施設の位置,配置及び工法に関する専門家による検討」の結果は、キャンプ・シュワブ沿岸V字案になる可能性が極めて高くなってしまいました。

これは半ば予想されていたことで、「いかなる場合でも8月末日までに」と合意文書に入れさせた時点でのアメリカ側の狙い通りでしょう。

アメリカ側にとっては、辺野古での基地の「位置,配置及び工法に関する専門家による検討」は自公政権時代にさんざん行ってきたことであり、結論は同じだと考えていると思われます。

あまり悲観的に考える必要もありません。

「いかなる場合でも8月末日までに」「完了させ」るのは「専門家による検討」であって基地建設そのものではありません。
そして、仮に秋に2プラス2で日米の閣僚が合意したとしても2006年の合意に戻る程度の話で、あのころよりも辺野古での基地建設計画は、さらにやりづらくなっています。

日経新聞の以下の記事に今後の政治日程がまとめられています。
http://www.nikkei.com/news/related-article/g=96958A9693819481E0E1E2E0868DE0E1E2E4E0E2E3E29C9CEAE2E2E2

沖縄では9月12日の名護市議会議員選挙、そして11月28日の沖縄県知事選挙が大きな意味を持っています。

全国的には、辺野古での計画がいかにダメなのかをどれだけ広められるかがポイントですね。

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2010年07月11日

沖縄に司令部を残し日本の費用負担はさらに増額要求

忙しくて紹介するのが遅くなりましたが、7月2日の報道で、沖縄から移転する予定の海兵隊の編成をアメリカ側が変更すると伝えてきたことがわかりました。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100702-OYT1T00744.htm
↓ここから引用
--------------
沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転について、米側が移転部隊の構成を見直す、と日本政府に伝えてきたことが1日、わかった。
--中略--------
グアムに移転予定だった司令部の一部を沖縄に残し、同規模の戦闘部隊を代わりにグアムに移す内容で、不透明さを増している朝鮮半島情勢や中国の動向への即応性を高める狙いがある。
--中略--------
司令部機能すべてをグアムに移転すると、将官級が沖縄にいなくなり、運用に支障が生じる恐れがあるとの見方が米政府内で強まったという。
--中略--------
米側が今回まとめた見直しの素案の柱は、ヘリコプター部隊などを指揮する「第1海兵航空団司令部」を沖縄に残すというものだ。その代わり、同規模の歩兵部隊をグアムに移転する。
--------------
この歩兵部隊は、海兵隊が海外展開する際に組織される「海兵空陸任務部隊(MAGTF)」には含まれない部隊だという。
--------------
米側は、戦闘部隊が移転すれば沖縄での訓練が減るほか、事件や事故の可能性も減るとし、地元の負担軽減につながるとしている。
--------------
戦闘部隊の具体的な移転規模は現時点で不明だが、米海軍が昨年11月に公表したグアムの基地建設に関する環境影響評価書によると、第1海兵航空団司令部関連の移転人数は1856人と見積もられており、ほぼ同規模の戦闘部隊が移る可能性がある。
--------------
詳細は、米国防総省が今年末をめどにまとめる「在外米軍の配置見直し」で決定される。
--中略--------
今年5月末の日米共同声明は、海兵隊のグアム移転に関連し、「米側は、地元の懸念に配慮しつつ、抑止力を含む地域の安全保障全般の文脈において、沖縄に残る海兵隊要員の部隊構成を検討する」として見直しを示唆していた。
--------------
↑引用ここまで

今回、残すことになった「第1海兵航空団司令部」は、普天間基地のヘリ部隊などの司令部です。

日米合意を一方的に変更し司令部を残すということは、その配下にある普天間基地のヘリ部隊を沖縄に置いておくというアメリカ側の意志を示したのかもしれません。

アメリカ側は米軍再編での日米合意を勝手に変更しています。
ちなみに神奈川県、キャンプ座間への米陸軍第一軍団の移転も頓挫したと言われています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2009120902000087.html

グアム島空撮 防衛省『わが国の防衛と予算』より
画像は防衛省『わが国の防衛と予算』よりグアム島の空撮

沖縄にいる海兵隊の人数は、そもそも日本側はきちんと把握できていません。
http://atsukoba.seesaa.net/article/18114150.html

そのうえで、どの部隊が移転をするのかについて、日本側は蚊帳の外でアメリカ側の都合だけで変更しようとしています。

そのうえさらに、日本が負担するグアムでの基地関連費用の額を増やせという要求が来ました。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100704/plc1007040022000-n1.htm
↓ここから引用
--------------
ゲーツ米国防長官が在沖縄米海兵隊のグアム移転に関し、日本政府に対し日本側経費負担の増額を要望する書簡を先月中旬に送ってきたことが3日分かった。
--中略--------
海兵隊の司令部要員を中心に約8千人と家族約9千人が26年までにグアムに移転する。移転経費は総額102億7千万ドル(約9千億円)のうち日本側は融資32億9千万ドルと財政支出28億ドルの計60億9千万ドル、米側は約41億8千万ドルを分担する。
--------------
↑引用ここまで

そもそもアメリカの領土であるグアムでの基地関連費用を、なんで日本が負担しなければならないかというと、日本政府が決まり文句にしている「沖縄の負担軽減」のためだからという理屈です。

しかし……

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201007040095.html
↓ここから引用
--------------
海兵隊グアム移転の日米協定は、その経費を日本側も提供すると明記。
--------------
だが米側はグアムをアジア太平洋地域の軍事拠点として拡充しており、移転と無関係のインフラ整備に日本の資金が転用される懸念が付きまとう。
--------------
日本政府内には移転経費と一線を画すため日米協定とは別枠で、国際協力銀行(JBIC)を通じてグアム開発全般への融資を模索する動きも浮上。
--------------
しかし、これが具体化すれば、海兵隊移転に端を発した資金協力が野放図になりかねない。
--中略--------
2006年の日米合意は在沖縄海兵隊のグアム移転とそのための資金協力、普天間の沖縄県名護市への移設をワンセットと規定している。
--------------
普天間移設が現実化しない限り、海兵隊グアム移転には応じないとの趣旨だ。
--------------
しかし米側は在沖縄海兵隊だけでなく、各地の米軍をグアムに集約する計画で、普天間移設のめどが立たない現状でもグアムのインフラ整備を進めている。
--------------
↑引用ここまで

2005年の10月に米軍再編のいわゆる中間報告「日米同盟:未来のための変革と再編」が出た時から指摘していましたが、日米合意では辺野古での基地建設が終わる前に日本がグアムでの基地関連費用を出す手順になっています。
つまり、グアムでの基地関連費用をタダ取りされる可能性があるわけです。

日米間で交渉をすればするほど、月日がたてばたつほど、日本側の負担は増えていきます。

posted by あつこば at 18:36| Comment(1) | TrackBack(0) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月14日

選挙で負けた民主党、「滑走路一本化案」も……

11日に行われた参議院議員選挙で民主党がかなり負けました。

そんななか、15日と16日には、普天間「移設」に関する日米両政府の実務者協議が行われます。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-164890-storytopic-3.html
↓ここから引用
--------------
参院選での争点化を避けるため停止していた日米両政府の実務者協議が15、16の両日、米ワシントンで再開することが12日までに分かった。
--------------
代替施設の位置や工法のほか、今後の日程についても話し合うとみられる。
--中略--------
菅政権での実務者協議は6月21日に続き2回目。日本政府は滑走路を現行の2本のV字形から1本に変更する案を検討している。
--------------
↑引用ここまで

この「滑走路一本化案」は、鳩山政権の頃からちらほらと出ていましたが、選挙の直前にも報道されていました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010070900015
↓ここから引用
--------------
政府関係者が8日深夜、明らかにした。
--------------
滑走路を1本にして沖合に移動するのは、建設工事の規模縮小や周辺住民の騒音被害軽減といった狙いに加え、自民党政権下での合意内容の見直しを印象付ける思惑があるとみられる。
--------------
ただ、埋め立て工事は反対運動の影響を受けやすい上、県知事の許可も必要で、実現性は不透明だ。
--------------
政府関係者は【中略】
「環境に優しく、地元にお金が落ちるやり方であれば検討の中に入る」とも語った。
--------------
↑引用ここまで

以下の記事には政府が検討しているとされる案のイメージ図も掲載されています。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100707-OYT1T01217.htm
↓ここから引用
--------------
滑走路を1本とする案には、基地機能の強化の印象を避け、県内移設に強く反対している沖縄県の理解を得る狙いがある。
--------------
2本と比べて飛行場の面積が縮小するため、V字形を前提とした環境影響評価をそのまま適用でき、工期が遅れる心配もないとみている。
--中略--------
滑走路を沖合にずらすのは、キャンプ・シュワブ周辺にある三つの集落の上空を米軍機の飛行ルートから外すためだ。
--------------
V字形だと2本の滑走路を使い分けることで集落上空を飛ばないようにできるが、1本だと、滑走路全体を移動するほかないという。
--------------
しかし、米側は滑走路の本数を減らすことには、飛行場機能が低下するなどとして慎重で、V字形が最適との立場を崩していない。
--------------
それでも、政府が参院選後に再開する米側との協議で新たな案を示す構えなのは、小泉政権のもとでの06年合意と同内容とすることに、菅政権内になお強い抵抗感があるからだとみられている。
--------------
↑引用ここまで

「自民党と同じ案にはしたくない」というメンツを立てるための一本化案という印象です。
しかし、この案でもうまくいきそうにありません。

今回の選挙についてのアメリカでの報道をまとめた記事です。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010071202000120.html
↓ここから引用
--------------
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「昨年、自民党の長期政権に終止符を打った民主党の恥ずべき失敗」と報道。「消費税引き上げを打ち出し、批判を浴びたら言い逃れする態度の急変が有権者の不信を招いた」と分析した。
--------------
また、大手経済紙ウォールストリート・ジャーナル(同)は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関して「求心力が低下した菅首相の下、(県内移設の)日米合意履行はより、難しくなるだろう」との見通しを示した。
--中略--------
アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のマイケル・オースリン日本研究部長は、鳩山前政権が社民党との連立関係を維持する能力に欠けていたため政権運営に失敗したとして「菅首相にとって新たな連立相手と舞台裏で根回しを重ねることが一層必要になってくる」と指摘。
--------------
一方で「(日米関係に)より重要なのは、秋の名護市議選と沖縄県知事選だ」と強調。参院選の結果が両選挙にもたらす影響を注視する必要があるとの認識を示した。
--------------
↑引用ここまで

沖縄の中では、民主党が普天間「移設」の問題を争点にしなかったことに対しても批判が強まっています。

辺野古での基地建設は、どんどんできない状況になりつつあります。

posted by あつこば at 09:01| Comment(1) | TrackBack(2) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月15日

日米実務者協議の前に各社が微妙に違う報道

本日(日本時間では明日16日)から始まる日米実務者協議に関する報道は、各社の内容が微妙に違っています。

毎日新聞
在日米軍再編:普天間移設 「8月末結論」見送る 政府、工法など複数案提示へ
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100715ddm002010070000c.html
↓ここから引用
--------------
代替施設の位置や工法について、日米共同声明に明記した期限の8月末時点では専門家による見解にとどめ、政府方針とはしない方向で調整に入った。
--------------
政府高官は14日夜、「実務者協議とその後の外務・防衛担当閣僚の協議は別次元の話だ」と述べた。
--中略--------
自民党政権下での日米合意は辺野古沿岸部を埋め立て、2本の滑走路をV字形に配置するとしていた。
--------------
鳩山前政権ではこの案を微修正し、海底のヘドロを再利用する環境配慮型の埋め立てにする案が有力視されていた。
--------------
これに加え、防衛省内では滑走路を1本にし、より沖合に移動する案が検討されている。
--中略--------
日米共同声明では「代替施設の位置や工法に関する検討作業を8月末までに完了させる」と明記していた。
--------------
しかし、参院選大敗の影響もあり、外務省内でも「8月末は専門家の見解をまとめるだけ」(幹部)との見方が大勢だ。
--------------
↑引用ここまで

よく読むと新しいことはあまり書いてありません。
「8月末」に関しては、たしかに日米の共同文書では、「専門家による検討」を「完了させ」としか書いてありませんので、これを「政府高官」は都合よく解釈しようとしているようです。


読売新聞
普天間移設で日米協議再開へ、工法など決定難航か
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100715-OYT1T00094.htm
↓ここから引用
--------------
第1回専門家協議は6月21日に東京で開かれたが、参院選のため中断していた。
--------------
今回の協議には、日本側から外務省の船越健裕日米安全保障条約課長と防衛省の芹沢清日米防衛協力課長、米側からメア国務省日本部長らが出席する予定だ。
--------------
関係筋によると、第1回協議で、日本側は「11月28日に沖縄知事選があり、それ以前に一つの案に決めても、沖縄の理解を得られる保証はない」などとして、8月末の段階では、複数案の併記にとどめることを提案。
--------------
だが、米側は「11月中旬のオバマ大統領訪日に間に合わなくなる」などとして、一つの案に決めるよう求めたという。
--------------
↑引用ここまで

6月21日の第1回専門家協議の時点で、日本側はすでに「複数案」の提案をしていたんですね。

続けて引用します。

↓ここから引用
--------------
政府と沖縄側との調整は参院選後、再開されていない。
--------------
参院選の比例選では、県外・国外移設を求める社民党が沖縄県内で最多の約12万票を獲得するなど、県内移設への反発の強さが改めて鮮明になった。
--------------
調整は仙谷官房長官が中心になる見通しだが、「長官が動く状況ではない。専門家協議の行方を見守るしかない」(首相周辺)状態だ。
--------------
↑引用ここまで


朝日新聞は、いささかセンセーショナルな見出しです。
辺野古「埋め立て」に回帰 「くい打ち桟橋」方式は断念
http://www.asahi.com/politics/update/0714/TKY201007140577.html
↓ここから引用
--------------
菅内閣は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、同県名護市辺野古に造る代替施設の工法を2006年の日米合意と同じ「埋め立て」に絞る方針を決めた。
--------------
鳩山前内閣で検討した「くい打ち桟橋」方式は費用などの面から断念した。
--中略--------
代替施設をめぐっては、鳩山由紀夫前首相が在任中、くい打ち桟橋方式での建設を検討していた。
--------------
しかし、防衛省が試算したところ、工費が1兆円以上かかり、従来計画の約4千億円を大きく上回ることが判明。
--------------
工期が長期化し、14年の完成期限から大幅に遅れることも分かった。米政府も「攻撃に脆弱(ぜいじゃく)」と反対しており、現実的ではないと判断した。
--中略--------
埋め立てによる建設の方針はすでに米政府に伝えられており、米側も了承している。
--中略--------
埋め立てであれば、地元企業が参入でき、地元の理解が得やすくなるとの期待感も政府内にはあるが、地元に受け入れられる見通しは立っていない。
--------------
滑走路の本数などは日米間でもまだ完全に固まっていない。
--中略--------
ただ、従来計画から位置を大きく変えずに滑走路を1本にすると、悪天候など視界の悪い時に装置を使う計器飛行時の経路が北東(名護市内)か南西(宜野座村内)のいずれかの集落の上空にかかることになる。
--------------
沖合への大幅移動は環境影響評価(アセスメント)のやり直しが必要となるため、民家が少ない北東の集落上空にかかる案を検討しているという。
--------------
この場合はV字形以上に事故などの危険性や騒音が増すため、地元は強く反発すると見られる。
--------------
↑引用ここまで

鳩山首相が「辺野古にせざるを得ない」と発言した頃、「辺野古回帰」という言葉が報道されました。
今度は「埋め立てに回帰」ということで、政権を批判したいという意図を感じる見出しです。ですが、書かれている内容は正当だと思います。


時事通信
代替滑走路は複数案に=普天間移設、沖縄に配慮−政府
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010071500037
↓ここから引用
--------------
政府は14日、両国の専門家協議で8月末までに決める滑走路の具体的な場所や工法について、結論を一つに絞り込まず、複数案とする方向で米側と調整に入った。
--中略--------
鳩山前政権下で検討されたくい打ち桟橋工法は米側が「テロ攻撃にぜい弱」などとして難色を示しており、見送られる可能性が大きい。
--------------
↑引用ここまで

こちらの記事では、「くい打ち桟橋」方式は「見送られる可能性が大きい」となっています。結果的にはそうなるのでしょうけれど、朝日新聞の「断念」という報道はちょっとフライング気味なのかもしれません。


日テレ
実務者協議、複数案で議論へ 普天間移設
http://news24.jp/articles/2010/07/15/04162832.html
↓ここから引用
--------------
日本時間16日から始まるアメリカ側との実務者協議で、日本側は移設を予定している沖縄・名護市辺野古での滑走路建設について、3つの案をベースに議論を始める方針。
--中略--------
今回の協議で、日本側は、自民党政権時代に日米が合意したV字形滑走路や、鳩山内閣の下で検討されてきた名護市辺野古の沖合に滑走路を建設する案に加え、新たな環境アセスメントの必要がない現行案に近い位置に一本の滑走路を建設する新案をアメリカ側に提示する方針。
--------------
政府関係者は、3番目の案を「最も有力な案として提示したい」と話しており、この案を軸に具体的な議論を始めたい考え。
--------------
↑引用ここまで

この記事によると「3つの案」というのは、

1.V字滑走路案
2.くい打ち桟橋案←★7月16日、訂正しました。
3.滑走路一本化案

ということのようです。
(★7月16日、訂正しました。
http://atsukoba.seesaa.net/article/156489167.html

このように各社の報道内容は微妙に違います。
日米実務者協議が始まる前の、さまざまな関係者からのリーク情報にもとづく憶測記事なので、こういうことになるのでしようけど。

posted by あつこば at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月16日

辺野古での基地建設計画、日本側が提示する「3つの案」

日米実務者で日本側が提示する「3つの案」について昨日書きましたが、3つの内容がちょっと違っていたようです。

http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00180842.html
↓ここから引用
--------------
日本側は、鳩山前政権で検討されたくい打ち桟橋方式による滑走路建設を断念し、協議では、日米合意案のほかに辺野古崎沖合を埋め立て滑走路1本を建設する案、日米合意案のV字滑走路のうち1本のみを建設する案の3つの案を中心に提示し、アメリカ側と検討を進めているものとみられる。
--------------
↑引用ここまで

この記事も、語尾が「みられる」ですので推測した記事でしかないのですが、この記事を信用すると、「くい打ち桟橋案」は「断念」したので「3つの案」の中には入っていないようです。

上記の記事の順番で簡略化すると、

1.V字滑走路案
2.沖合埋め立て滑走路
3.V字滑走路案を滑走路一本にする案

となります。

1は2006年の日米合意のままです。
3は場所は1のままで滑走路を一本にするという案、
今回、新しい案としては2の案となります。

これは
http://atsukoba.seesaa.net/article/156303679.html
で紹介した読売新聞が報道したものです。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100707-OYT1T01217.htm

これによると、
↓ここから引用
--------------
同県の環境影響評価条例では、計画修正により増加する飛行場面積が10ヘクタール未満なら環境影響評価をやり直す必要はないとしている。
--------------
↑引用ここまで

また、産経新聞の記事では以下のように書かれています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100716/plc1007160111000-n1.htm
↓ここから引用
--------------
55メートルの範囲内の移動であれば現行案のアセスを活用できる。
--------------
↑引用ここまで


いずれにしても日本側としては結論をできるだけ先延ばししたいようです。
それに対してアメリカ側は……

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100715-OYT1T00430.htm
↓ここから引用
--------------
モレル米国防総省報道官は14日の記者会見で、【中略】
日本側に、沖縄県の理解が得られないことなどを理由に、8月末時点では複数案の併記にとどめ、最終案の決定を先送りする考えが浮上していることについて、「ノーだ」と述べ、受け入れられないとの立場を示した。
--------------
↑引用ここまで


自民党政権時代からそうでしたが、日本側は先送りしたがり、それを拒否したアメリカ側と交渉すればするほど、結果的にはアメリカ側に有利な合意内容になりがちです。

posted by あつこば at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月17日

日米協議、アメリカ側が柔軟姿勢?

選挙で民主党が負けて政権が弱体化したので、アメリカ側も気を使ったのでしょうか?
辺野古での基地建設に関する日米協議で、日本側からの提案に対してアメリカ側は「検討する」としました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100717/t10015798851000.html
↓ここから引用
--------------
日米両政府はワシントンで専門家による協議を行い、
--中略--------
日本側は、V字型に2本の滑走路を建設するとしている従来の計画に加え、滑走路を1本にして沖合に数十メートルずらす案も選択肢にするとしたうえで、沖縄の理解を得るため、来月末の時点では立地場所などを1つに絞らず、複数の案を示すよう求めました。
--------------
これに対し、アメリカ側は「検討する」と述べるにとどまり、明確な姿勢を示さなかったことから、両政府は今月下旬に東京であらためて協議することになりました。
--------------
↑引用ここまで

アメリカ側は強硬姿勢で来るのかなと思っていましたが、今は日本の政権に気を使う姿勢を見せたほうが得だと思ったのでしょうか?

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100717k0000e030041000c.html
↓ここから引用
--------------
クローリー国務次官補(広報担当)は16日の記者会見で、5月の日米共同声明で「8月末」とした米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の代替施設の位置や工法に関する検討期限について「目標であるが、細部に至るまですべての検討が終わるかについては現時点では分からない」と述べた。
--中略--------
ただ、国防総省は一つの具体的計画案で日米が合意することを想定しており、先延ばしや複数案の提示には反対している。
--------------
↑引用ここまで

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2010年07月18日

辺野古でみ生息している新種?の海藻を発見!

【滑走路は一本になるかも】

普天間「移設」をめぐる日米専門家協議についてはあまり報道が見つかりません。災害報道で埋もれがちなのに加え、協議の内容を公表していないためでしよう。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100718/plc1007180145000-n1.htm
によると、アメリカ側は
「複数案は受け入れられない」ので「V字か1本か滑走路案を絞り込むよう日本側に要請を強めている」そうですが、「現行案のV字滑走路ではなく、日本側が修正を検討している1本の滑走路でも受け入れ可能」としたそうです。
理由としては「14年までに移設を終えるには、1本の滑走路の方が工事が簡略で済む」ということですが、
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091215-481540/news/20100717-OYT1T00015.htm
によると、
同時に進めている海兵隊の一部グアム移転に関しては「グアム側がインフラ整備計画の不備などを理由に移転完了時期の延期を求めている」ために米上院歳出委員会が予算を75%カットしたため「米側の事情で、日米両政府が06年に合意した14年までの移転完了が遅れる可能性が出てきた」そうです。

辺野古での計画は、滑走路を一本にしても騒音や事故の危険性、そしそて環境破壊の問題は解決にはなりません。

そして、環境面でも新たな問題が出てきました。

【辺野古でみ生息している新種?の海藻を発見!】


http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-165068-storytopic-53.html
に地図が掲載されていますが、まさしく現行案で埋め立てるとされている場所で、新種とみられる海藻4種が生息していることがわかりました!

2006年に日米合意したV字滑走路案

新種とみられるのは、

イソノハナの仲間
スジコノリの仲間
ウミウチワの仲間
ミルモドキの仲間

で、調査をした東京海洋大海洋科学部の大葉英雄助教(熱帯海藻学)によると、「ここが埋め立てられたら即絶滅につながる」そうです。

http://www.asahi.com/special/futenma/TKY201007150648.html
では、「見つかった海藻は、琉球列島の中でもこの海域にだけ分布している可能性がある」と書かれています。

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-07-17_8155/
によると、大葉助教は辺野古周辺が「海藻の宝庫であることは間違いない」としたうえで、
↓ここから引用
--------------
国が実施している環境影響評価(アセスメント)について「琉球列島の海藻は季節性があり、毎年7月から12月の間はなくなってしまう特徴がある。アセスはその時期に調査されており、不適切だ」と不備を指摘した
--------------
↑引用ここまで
そうです。

ジュゴンだけではなく、サンゴやさまざまな貴重な生物が大浦湾には生息しています。今年10月には名古屋でCOP10(コップテン/生物多様性条約 第10回締約国会議)も開催されます。環境問題からも辺野古での基地建設は絶対にしてはいけないと言えるでしょう。


【追記】
この問題について、8月31日以降の動きについては以下にまとめていきます。
http://atsukoba.seesaa.net/category/8713942-1.html

posted by あつこば at 07:52| Comment(3) | TrackBack(2) | 普天間「移設」関連 2010年6月〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする